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生涯独身の場合必要なお金はどれくらい?おすすめのお金の増やし方もご紹介

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生涯独身を選択する人々が増えている昨今、将来に向けた資金計画が気になるところです。特に、老後に必要な資金は、独身である場合、より一層の注意が必要になります。本記事では、生涯独身者が把握しておくべき財務計画について、最新の年金情報を交えながら解説していきます。

まず、年金の最新動向を見てみましょう。2022年4月から施行された年金改正法により、いくつかの重要な変更がありました。例えば、年金の受給開始年齢を75歳まで遅らせることが可能になりました。これは、受給を繰り下げることで、将来受け取る年金額を増やすことができるというものです。また、65歳未満で働きながら年金を受け取る「在職老齢年金」の減額基準が緩和され、より多くの人が受給できるようになりました。

さらに、健康保険や厚生年金の適用範囲が拡大され、より多くの短時間労働者が社会保険に加入できるようになりました。これは、従業員数が少ない企業でも社会保険の恩恵を受けられることを意味します。

確定拠出年金についても、加入可能年齢や支給開始時期の上限が引き上げられました。これにより、老後資金の積み立て期間が延長され、より柔軟な資金計画が可能になります。

これらの改正は、生涯独身者にとっても大きな意味を持ちます。特に、老後資金の計画においては、公的年金制度の最新情報を把握し、適切な資金計画を立てることが重要です。独身であればあるほど、自分自身で将来に備える必要があります。

老後の生活費については、健康状態やライフスタイルによって大きく異なりますが、年金改正法のような制度の変更を活用することで、より安定した老後を迎えることが可能です。また、確定拠出年金のような制度を利用して、自らの手で資産形成を行うことも重要です。

生涯独身を選ぶことは、経済的にも精神的にも自立した生き方を意味します。そのためには、賢明な資金計画が不可欠です。今回の記事が、将来に向けた資金計画の一助となれば幸いです。

1.生涯独身の人は増えている

現代社会において、生涯独身を選ぶ人々の割合は目に見えて増加しています。2020年の国勢調査によれば、日本の男性の約28%、女性の約18%が生涯未婚であり、2030年には男性の約33%、女性の25%が生涯未婚者になると予測されています。この傾向は、特に1980年代以降に生まれたミレニアル世代に顕著で、若い世代の間で結婚をしないという選択が一般的になりつつあります。

この現象の背後には、自由で自分らしい人生を送りたいという願望があります。多くの人が、結婚や家庭生活に縛られずに、自己実現や趣味、キャリアの追求に重きを置くようになっています。しかし、生涯独身であることのリスクについても認識する必要があります。例えば、老後の生活や社会保障の面で、結婚している人々と比べて不利な状況になる可能性があります。

このように、生涯独身者の増加は、個人の価値観の変化や社会的な受け入れの広がりを反映していますが、同時に、将来にわたって自分自身を支えるための準備も必要とされています。生涯独身を選ぶことは、自由な生き方を実現する一つの手段であると同時に、それに伴うリスクを理解し、計画的に対処することが求められるのです。

2.生涯独身の人に必要なお金

お金の面の話をすると、生涯独身の方が頼れるのは自分の収入のみです。そのため、自分が生きていく上でどれだけお金がかかるのかというのを事前に知っておく必要があります。

生涯独身の人に必要なお金は主に以下の5項目です。

・生活費

・住居費

・医療費

・娯楽費

・親の介護費

各項目の相場や、費用の考え方について解説します。

(1)生活費

生活費は、食費や日用品代、交通費、雑費など、日々の生活スタイルや収入にもよりますが、月5〜15万円あたりが平均です。年間になおすと約60〜180万円、20歳から約60年間生きるとすると一生で約3,600〜1億800万円を生活費に使う計算になります。

もちろんこれはあくまでも平均であり、歳をとるにつれて生活費が増えたり反対に老後は減ったりするでしょう。しかし、ただ生きていくだけでもかなりのお金がかかるのは事実です。

生活費は、現役時代は収入から、定年後の老後は年金と貯金から賄うことになります。収入が十分にあるうちは問題ありませんが、急な事情で仕事を辞めてしまうと、生活費の支払いだけでも苦しくなります。

万が一の事態に備えて、6カ月〜1年分の生活費に相当する額を貯金するようにしておきましょう。

(2)住居費

住居費は、持ち家か賃貸かで異なります。

持ち家の購入は、一括で支払うにしても住宅ローンで支払うにしても、かなり大きな支出になります。定年退職までに支払いを終えれば自分のものになり、老後に住居費を支払う必要がないのが持ち家のメリットです。ただし税金や維持費などはかかるので注意が必要です。

賃貸の場合、持ち家よりも安く住むことができます。しかし、老後にも家賃を払い続ける必要があるため、老後の生活費を圧迫するかもしれません。

(3)医療費

意外とかかるのが医療費です。

医療費としてかかるのは毎月の定期的な通院だけではありません。思いがけない理由で怪我や病気をしてしまうと、治療や入院費として大きな金額がかかってしまうこともあります。

独身の方は、いざという時に備えて、貯金をしたり個人の医療保険に入っておくのが安心でしょう。

(4)娯楽費

独身の方にとって、趣味というのは人生を楽しむ上で非常に重要な要素になるでしょう。結婚・育児をする場合と比べると、趣味に使う額も時間も大きくなるはずです。

娯楽費には趣味や習い事などが含まれています。費用はかなりばらつきがありますが月約3万円が平均です。

(5)親の介護費

親が健在の場合は、将来の介護費用も考える必要があります。もちろん、親が自分で介護費用を用意すれば良い話ですが、代わりに負担をする可能性も十分に考えられます。

介護費用の平均は月約8万円です。介護が必要な期間の平均は約5年であるため、期間全体でかかる費用は約500万円になります。親が二人いるならば、約1,000万円が介護費用として必要になるかもしれません。

3.生涯独身の場合の老後の生活費

生涯独身で迎える老後には、どれくらいの生活費が必要になるのでしょうか。最新のデータをもとに、この疑問に答えてみましょう。

2023年現在、生涯独身者が老後の30年間を快適に過ごすためには、年金以外にもう少し資金が必要です。具体的には、総務省が発表した2022年の「家計調査報告」によると、65歳から95歳までの30年間で約740万円の追加資金が必要とされています。

この計算は、65歳以上の単身無職世帯の平均的な収入と支出に基づいており、月々約2万580円の不足が発生するとされています。これを30年間で計算すると、約740万円が必要という結果になります。

しかし、この数字はあくまで平均的な計算であり、個人のライフスタイルや健康状態、趣味や娯楽にかける費用によっては、さらに多くの資金が必要になる可能性もあります。また、持ち家で住宅ローンの返済が完了している場合の計算であるため、賃貸住宅に住む場合は追加で家賃が必要になります。

独身で老後を迎える場合、配偶者や子供に頼ることができないため、自分自身でしっかりと将来の計画を立て、貯蓄や投資を通じて資金を準備しておくことが大切です。また、健康を維持し、可能な限り長く働けるようにすることも、老後の資金不足を防ぐ一つの方法と言えるでしょう。

老後の生活費について考える際は、自分のライフスタイルや希望する生活水準を考慮し、必要な資金を見積もることが重要です。そして、今からでも遅くないので、老後のための資金計画を始めましょう。

(1)年金はどのくらいもらえる?

年金を満額納付してるのであれば、2022年時点で国民年金は年間777,792円もらえます。厚生年金は現役時代の年収にもよりますが、仮に平均年収が360万円とすると、年間で約80万円受け取れます。つまり合計すると年間約150万円です。もちろん、これは現時点で年金を受け取る場合の話であり、将来的に額は変動するかもしれません。

65歳で退職して年金をもらうとすると、平均寿命に当てはめると男性は約17年間、女性は約23年間もらえる計算です。約20年受け取る前提で計算するならば、年金だけで総額3,000万円程度もらえるでしょう。

総額で見ると、年金だけで生きていけそうな気もします。しかし、年間150万円を12カ月で割ると、月当たり12万5000円です。これだけで暮らしていくのはかなり厳しいと言えます。

そのため、余裕のある老後を送るためには、ある程度の貯金が必要になるのです。

(2)思わぬ医療費がかかることも

歳をとると、病気や怪我が原因で医療費がかかりやすくなります。そのため医療費は、現役の時よりも多くかかると考えておくのが良いでしょう。

時には入院や手術などでまとまった金額が必要になる時もあります。医療保険に入ってカバーしたり、高額医療費制度を活用して医療費を抑えることもできますが、費用を気にせず治療を受けるためにも貯金がある方が安心です。

(3)老人ホームに入る場合

老人ホームへの入居を検討する際には、入居時だけでなく、生活を続けていくうえで発生する費用についても十分に理解しておくことが重要です。老人ホームに入居することを考えたとき、最初に直面するのが入居一時金や引っ越し費用、生活用品の購入などの初期費用です。公的施設ではこれらの費用が比較的低く抑えられている場合が多いですが、民間施設では立地やサービスの質により、初期費用が数百万円から数億円と大きく変わることがあります。

また、身元保証費用も見逃せません。特に独身者の場合、身元引受人がいないと入居が難しいことがありますので、保証会社を利用することになるかもしれません。これには、身元保証のほかに入院費用の保証や葬儀の手続きなど、追加のオプションサービスを利用することも可能です。

入居後には、月額利用料として居住費、食費、管理費、光熱費などが必要になります。公的施設では月6万円から30万円、民間施設では10万円から35万円程度が相場です。さらに、介護サービスの自己負担分や日用品、医療費、趣味や交際費などのその他諸費用も考慮する必要があります。介護付き有料老人ホームでは、要介護度に応じた介護サービス費用が発生し、所得に応じて1割から3割の自己負担が求められます。

老人ホームの選択に際しては、自立している場合と介護が必要な場合で、必要な費用が大きく異なることを理解しておくことが大切です。自立している場合でも、将来的に介護が必要になった際の費用やサービスを考慮に入れて選ぶことが重要です。早めに情報収集を始め、自分のライフスタイルや財政状況に合った老人ホームを見つけることが、安心して老後を過ごすための鍵となります。

4.生涯独身の方におすすめなお金の増やし方

ここまで記事を読んで、生涯独身の方はある程度のお金がかかるということがわかったと思います。

生涯独身の方は、将来に備えて資産形成をしておくことをお勧めします。ある程度のまとまったお金を用意しておくことで、精神的にも安心して過ごせるでしょう。

今回の記事の最後に、生涯独身の方におすすめなお金の増やし方を3つご紹介します。

(1)先取り貯金で確実に貯める

堅実にお金を貯めたいのなら先取り貯金を行いましょう。

先取り貯金は、給料が入った時点で一定額を貯金に回すという貯金方法です。給料から支出を引いて残った額を貯金するよりも、確実にお金を貯めることができます。毎月決まった額を貯金するため、計画的にお金を貯められるでしょう。自動天引き設定を活用すれば強制的に貯金できるので、自分の意思で貯金ができない方にもおすすめです。

先取り貯金は資産形成の基本です。まずは無理のない額から貯金していくようにしましょう。

(2)iDeCoで老後の資金を作る

公的年金だけだと将来のお金が不安、と感じるならiDeCoがおすすめです。

iDeCoは国が用意している個人で作れる年金であり、税制優遇を受けながら老後の生活費を用意できる手段です。毎月自分で決めた額の掛金を支払い、自分で決めた商品へと運用してお金を増やします。

掛金は所得控除の対象、運用益は非課税、受取時も控除対象です。そのため、節税しながら資産を形成することができます。老後の資産を増やしつつ多くの節税効果が得られるのはiDeCoだけです。

iDeCoの最低額は5,000円で、上限額は職業により異なりますが12万2,000円〜6万8,000円です。年間に治すと14万4,000円〜81万6,000円が上限になります。若いうちから制度を利用して、数十年運用し続けたらかなりの額になることがわかるでしょう。

生涯独身の方も、iDeCoで将来の年金を作っておくと安心して老後を過ごせるようになります。ぜひ活用してみてください。

(3)NISAでお得に投資をする

投資に興味があるのなら、iDeCoだけでなくNISAも利用してみましょう。

NISAは、国が用意した投資に対する税優遇制度です。年間一定額までの投資の運用益に対する税金が非課税になります。通常投資の利益に20.315%の税金がかかることを考えると、かなりお得なのがわかります。

NISAには一般NISAとつみたてNISAの2種類があり、それぞれ投資対象商品・年間上限額・利用可能年数が異なります。一般NISAは投資信託や株式が投資対象であり、年間上限額は120万円、最大利用可能年数は5年間です。つみたてNISAは、投資対象商品は投資信託、年間上限額は40万円、最大利用可能年数は20年です。

一般NISAは短い期間で多くの投資を行いたい、株式に投資したいと考えている方に向いています。つみたてNISAは少額を長期間にわたってコツコツ運用したいと思う方におすすめです。

iDeCoとNISAは併用することができますが、一般NISAとつみたて NISAを併用することはできません。自分の投資スタイルや毎月投資に支払える額をもとにして、合っている方を利用するようにしてみましょう。

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5.まとめ

今回の記事では、生涯独身の方に向けて必要なお金について解説しました。生活費や住居費など、必要不可欠な費用について知っておくことで、お金に関する将来の見通しを立てやすくなるでしょう。特に、老後に関しては不安な方も多いと思います。安心して老後を過ごすためにも、老後の生活費を現役の時に準備しておくようにしてください。

独身の場合、頼れるのは自分の収入だけです。そのため、万が一仕事をできなくなった時や老後に備えて、資産形成をする必要があります。資産形成をするには先取り貯金・iDeCo・NISAがおすすめです。自分のできるものから取り入れて、お金を増やしてみてくださいね。

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監修 高橋成壽(たかはし なるひさ)
ファイナンシャルプランナー
・日本FP協会認定 CFP(R)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
金融・投資アナリスト
・日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA(R))
・証券アナリスト 第二次試験合格(CMA未登録)


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