生涯独身の場合必要なお金はどれくらい?おすすめのお金の増やし方もご紹介



「生涯独身でいるつもりだ」
「独身の場合、必要なお金はどれくらいだろう?」
と気になっているかもしれません。
結婚が当たり前だった昔と比べて、現代ではさまざまな生き方が選べるようになっています。結婚はせずに、生涯独身で生きていこうと考えている人も増えてきています。
しかし、独身で過ごすと決めた時に気になるのが、生涯で必要なお金の額だと思います。収入源が自分一人しかいないため、将来のお金については慎重に考えなければなりません。
今回の記事では、生涯独身で生きていきたいと考えている人に向けて、以下のことを解説します。
・生涯独身の人に必要なお金
・老後の生活費
・おすすめのお金の増やし方
独身で生きていくためには、上記の知識が必要不可欠です。ぜひ、今回の記事を参考にしてお金の計画を立ててみてくださいね。
1.生涯独身の人は増えている
生き方の多様性が広がる現代では、独身という選択肢をとる人も増えてきています。
50歳までに一度も結婚しない人の割合である生涯未婚率は、2020年の調査で男性が25.7%、女性が16.4%という結果になっています。つまり、男性の4人に1人、女性も6人に1人は生涯独身として生きているのです。
加えて、生涯未婚率は年々増えています。これからも独身の人は増え続けていくでしょう。
そのため、今はまだ若く将来結婚したいと思っている人でも、最終的には独身のまま生きていくことになるかもしれません。自分のは関係ないと決めつけずに、生涯独身の場合のお金について知っておくのが良いでしょう。
2.生涯独身の人に必要なお金
お金の面の話をすると、生涯独身の方が頼れるのは自分の収入のみです。そのため、自分が生きていく上でどれだけお金がかかるのかというのを事前に知っておく必要があります。
生涯独身の人に必要なお金は主に以下の5項目です。
・生活費
・住居費
・医療費
・娯楽費
・親の介護費
各項目の相場や、費用の考え方について解説します。
(1)生活費
生活費は、食費や日用品代、交通費、雑費など、日々の生活スタイルや収入にもよりますが、月5〜15万円あたりが平均です。年間になおすと約60〜180万円、20歳から約60年間生きるとすると一生で約3,600〜1億800万円を生活費に使う計算になります。
もちろんこれはあくまでも平均であり、歳をとるにつれて生活費が増えたり反対に老後は減ったりするでしょう。しかし、ただ生きていくだけでもかなりのお金がかかるのは事実です。
生活費は、現役時代は収入から、定年後の老後は年金と貯金から賄うことになります。収入が十分にあるうちは問題ありませんが、急な事情で仕事を辞めてしまうと、生活費の支払いだけでも苦しくなります。
万が一の事態に備えて、6カ月〜1年分の生活費に相当する額を貯金するようにしておきましょう。
(2)住居費
住居費は、持ち家か賃貸かで異なります。
持ち家の購入は、一括で支払うにしても住宅ローンで支払うにしても、かなり大きな支出になります。定年退職までに支払いを終えれば自分のものになり、老後に住居費を支払う必要がないのが持ち家のメリットです。ただし税金や維持費などはかかるので注意が必要です。
賃貸の場合、持ち家よりも安く住むことができます。しかし、老後にも家賃を払い続ける必要があるため、老後の生活費を圧迫するかもしれません。
(3)医療費
意外とかかるのが医療費です。
医療費としてかかるのは毎月の定期的な通院だけではありません。思いがけない理由で怪我や病気をしてしまうと、治療や入院費として大きな金額がかかってしまうこともあります。
独身の方は、いざという時に備えて、貯金をしたり個人の医療保険に入っておくのが安心でしょう。
(4)娯楽費
独身の方にとって、趣味というのは人生を楽しむ上で非常に重要な要素になるでしょう。結婚・育児をする場合と比べると、趣味に使う額も時間も大きくなるはずです。
娯楽費には趣味や習い事などが含まれています。費用はかなりばらつきがありますが月約3万円が平均です。
(5)親の介護費
親が健在の場合は、将来の介護費用も考える必要があります。もちろん、親が自分で介護費用を用意すれば良い話ですが、代わりに負担をする可能性も十分に考えられます。
介護費用の平均は月約8万円です。介護が必要な期間の平均は約5年であるため、期間全体でかかる費用は約500万円になります。親が二人いるならば、約1,000万円が介護費用として必要になるかもしれません。
3.生涯独身の場合の老後の生活費
生涯独身の場合、気になるのが老後の生活費です。
最近は平均寿命も伸びていて、男性は約82歳、女性は約88歳まで生きると言われています。加えて老後2,000万円問題でも取り上げられているように、老後には年金以外で約2,000万円の貯金が必要というデータが出ています。
結婚をしていれば配偶者の収入も貯金に回せますし、子供がいれば最悪子供に頼ることも可能です。しかし、独身であれば全てを一人で賄わなければなりません。
そのため、仕事をしているうちから老後の生活費について考えたり蓄えを用意しておいたりする必要があります。
(1)年金はどのくらいもらえる?
年金を満額納付してるのであれば、2022年時点で国民年金は年間777,792円もらえます。厚生年金は現役時代の年収にもよりますが、仮に平均年収が360万円とすると、年間で約80万円受け取れます。つまり合計すると年間約150万円です。もちろん、これは現時点で年金を受け取る場合の話であり、将来的に額は変動するかもしれません。
65歳で退職して年金をもらうとすると、平均寿命に当てはめると男性は約17年間、女性は約23年間もらえる計算です。約20年受け取る前提で計算するならば、年金だけで総額3,000万円程度もらえるでしょう。
総額で見ると、年金だけで生きていけそうな気もします。しかし、年間150万円を12カ月で割ると、月当たり12万5000円です。これだけで暮らしていくのはかなり厳しいと言えます。
そのため、余裕のある老後を送るためには、ある程度の貯金が必要になるのです。
(2)思わぬ医療費がかかることも
歳をとると、病気や怪我が原因で医療費がかかりやすくなります。そのため医療費は、現役の時よりも多くかかると考えておくのが良いでしょう。
時には入院や手術などでまとまった金額が必要になる時もあります。医療保険に入ってカバーしたり、高額医療費制度を活用して医療費を抑えることもできますが、費用を気にせず治療を受けるためにも貯金がある方が安心です。
(3)老人ホームに入る場合
身の回りのことが自分でできなくなったり、一人暮らしが不安になったりした場合、老人ホームの入居という選択肢も出てきます。中には50代や60代など早めのうちからの入居を検討している方もいるでしょう。
介護が必要な状態で老人ホームに入居すると国から補助が受けられます。特別用語老人ホームや介護付き有料老人ホームであれば、月10万円前後で入居できるでしょう。
一方で、介護の必要がなく自立している人が老人ホームに入る場合、月に10〜数百万かかることもあります。値段は老人ホームによってかなり異なるので、若いうちから調査や下見を行っておくと良いでしょう。
4.生涯独身の方におすすめなお金の増やし方
ここまで記事を読んで、生涯独身の方はある程度のお金がかかるということがわかったと思います。
生涯独身の方は、将来に備えて資産形成をしておくことをお勧めします。ある程度のまとまったお金を用意しておくことで、精神的にも安心して過ごせるでしょう。
今回の記事の最後に、生涯独身の方におすすめなお金の増やし方を3つご紹介します。
(1)先取り貯金で確実に貯める
堅実にお金を貯めたいのなら先取り貯金を行いましょう。
先取り貯金は、給料が入った時点で一定額を貯金に回すという貯金方法です。給料から支出を引いて残った額を貯金するよりも、確実にお金を貯めることができます。毎月決まった額を貯金するため、計画的にお金を貯められるでしょう。自動天引き設定を活用すれば強制的に貯金できるので、自分の意思で貯金ができない方にもおすすめです。
先取り貯金は資産形成の基本です。まずは無理のない額から貯金していくようにしましょう。
(2)iDeCoで老後の資金を作る
公的年金だけだと将来のお金が不安、と感じるならiDeCoがおすすめです。
iDeCoは国が用意している個人で作れる年金であり、税制優遇を受けながら老後の生活費を用意できる手段です。毎月自分で決めた額の掛金を支払い、自分で決めた商品へと運用してお金を増やします。
掛金は所得控除の対象、運用益は非課税、受取時も控除対象です。そのため、節税しながら資産を形成することができます。老後の資産を増やしつつ多くの節税効果が得られるのはiDeCoだけです。
iDeCoの最低額は5,000円で、上限額は職業により異なりますが12万2,000円〜6万8,000円です。年間に治すと14万4,000円〜81万6,000円が上限になります。若いうちから制度を利用して、数十年運用し続けたらかなりの額になることがわかるでしょう。
生涯独身の方も、iDeCoで将来の年金を作っておくと安心して老後を過ごせるようになります。ぜひ活用してみてください。
(3)NISAでお得に投資をする
投資に興味があるのなら、iDeCoだけでなくNISAも利用してみましょう。
NISAは、国が用意した投資に対する税優遇制度です。年間一定額までの投資の運用益に対する税金が非課税になります。通常投資の利益に20.315%の税金がかかることを考えると、かなりお得なのがわかります。
NISAには一般NISAとつみたてNISAの2種類があり、それぞれ投資対象商品・年間上限額・利用可能年数が異なります。一般NISAは投資信託や株式が投資対象であり、年間上限額は120万円、最大利用可能年数は5年間です。つみたてNISAは、投資対象商品は投資信託、年間上限額は40万円、最大利用可能年数は20年です。
一般NISAは短い期間で多くの投資を行いたい、株式に投資したいと考えている方に向いています。つみたてNISAは少額を長期間にわたってコツコツ運用したいと思う方におすすめです。
iDeCoとNISAは併用することができますが、一般NISAとつみたて NISAを併用することはできません。自分の投資スタイルや毎月投資に支払える額をもとにして、合っている方を利用するようにしてみましょう。

5.まとめ
今回の記事では、生涯独身の方に向けて必要なお金について解説しました。生活費や住居費など、必要不可欠な費用について知っておくことで、お金に関する将来の見通しを立てやすくなるでしょう。特に、老後に関しては不安な方も多いと思います。安心して老後を過ごすためにも、老後の生活費を現役の時に準備しておくようにしてください。
独身の場合、頼れるのは自分の収入だけです。そのため、万が一仕事をできなくなった時や老後に備えて、資産形成をする必要があります。資産形成をするには先取り貯金・iDeCo・NISAがおすすめです。自分のできるものから取り入れて、お金を増やしてみてくださいね。

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監修 高橋成壽(たかはし なるひさ)
ファイナンシャルプランナー
・日本FP協会認定 CFP(R)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
金融・投資アナリスト
・日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA(R))
・証券アナリスト 第二次試験合格(CMA未登録)
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