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無痛分娩に必要な費用はどのくらい? 費用の補助制度や無痛分娩のメリットとともに解説します

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「無痛分娩の費用ってどのくらいかかるんだろう?」

と気になっている方もいるでしょう。

出産は痛みを伴うものであり、妊婦の方は大きな不安を感じるかもしれません。そんな不安を和らげる方法として、「無痛分娩」という選択肢があります。

無痛分娩は、麻酔を使い痛みを抑えつつ出産する方法です。しかし、無痛分娩を選択した場合に気になるのが、どのくらい費用がかかるのかということです。

今回の記事では、以下について解説します。

・無痛分娩とは
・無痛分娩にかかる費用
・妊娠や分娩時に使えるお金の補助制度
・無痛分娩のメリット・デメリット

これから出産予定の方、無痛分娩を利用したいと考えている方は、この記事を読むだけで無痛分娩の費用やメリットについて知ることができます。ぜひ参考にしてください。

1.無痛分娩とは

無痛分娩は、その名の通り出産時の痛みを麻酔で抑える方法です。痛みだけでなく、出産時の不安も和らげることができます。

無痛分娩は、あらかじめ出産予定日を決めて陣痛促進剤を使用したうえで麻酔を入れる計画出産と、陣痛が起こってから麻酔を入れる出産があります。後者では、麻酔科医がいない時間帯に陣痛が起こると無痛分娩ができないこともあるようです。

(1)痛みを軽減させて分娩する方法

無痛分娩は、麻酔で痛みを軽減させた上で出産をします。

しかし、痛みを全て無くすわけではありません。自分の力で出産できるように、「いきむ」ことができる程度の陣痛は残ります。

無痛分娩を選択すれば痛みが軽くなる分、出産後の疲労が少なくなります。産後の回復が早くなるのは、妊婦にとって大きなメリットになるでしょう。

(2)麻酔には4種類ある

無痛分娩に使われる麻酔は以下の4種類です。

・硬膜外麻酔
・脊髄くも膜下麻酔
・静脈麻酔
・陰部神経ブロック

硬膜外麻酔では、背骨の中になる硬膜の外にカテーテルを挿入して、麻酔を送り込みます。好きなタイミングで麻酔を増やすことができるため、妊婦の痛みの程度に合わせて麻酔を調節できます。

脊髄くも膜下麻酔は、硬膜の中にある脊髄くも膜下という部位に直接麻酔を注射する方法です。硬膜外麻酔と併用されることが多く、より確実な痛みの緩和を狙えます。

静脈麻酔は、出血しやすいため硬膜外麻酔ができない人に使用される麻酔です。点滴で麻酔を投与していくため、お腹の赤ちゃんにも麻酔がかかり、生まれた時に呼吸がうまくできない状態になっていることもあります。しかし、赤ちゃんに害があるものではないため、麻酔が切れると赤ちゃんは元気になっていきます。

陰部神経ブロックは、赤ちゃんが子宮口を通るタイミングで行われる麻酔です。膣の中にある陰部神経に麻酔を注射します。産道と会陰部の痛みを軽減できるため、比較的リラックスした状態で出産をすることができます。

麻酔が効く範囲は、お臍から太もものあたりです。局所麻酔であり、上半身は自由に動くので、出産時に「いきむ」こともしやすいです。さらに、生まれた赤ちゃんをすぐに抱っこすることもできます。
また、いずれの麻酔も、お腹の赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。

2.無痛分娩に必要な費用

妊娠してから出産するまでには様々な費用がかかります。無痛分娩を選択すると、通常かかる費用に上乗せした費用が必要です。

ここでは、妊娠中・出産時に必要な費用について項目ごとに解説します。

(1)妊婦健診にかかる費用

妊婦健診は、妊婦と赤ちゃんの健康を保つためにも必要な健診です。

出産までの受診回数は平均13〜15回とされています。平均回数の受診を行なった場合、妊婦健診にかかる費用は約10万円です。ただし、健診には後述する「妊婦健康診査受診票」という補助が適応されます。そのため実際に負担する額は10万円よりも少なくなります。

(2)マタニティ・ベビー用品の費用

妊娠週数が進みお腹が大きくなると、マタニティ用品が必要です。加えて出産後に備えてベビー用品の準備も必要になります。

マタニティ用品の平均額は1〜3万円、ベビーグッズは15万円前後と言われています。ただし、この費用を節約するために貰い物を活用したり中古品を購入するという手もあるので、人によってかかる費用には差が生まれるでしょう。

(3)分娩の際にかかる費用

病院で自然分娩をする場合、入院代も含めると50万円前後の費用がかかります。結構な費用ですが、後述する「出産育児一時金」として一律42万円が受け取れるので、実際に負担する費用は10万円程度です。
ただし、入院時により良い部屋を選んだり、入院日数が増えてしまうとより費用がかかります。

助産院で出産をすると、費用は46〜47万円程度になります。これは、入院時の室料などが安いことが理由です。少しでも費用を抑えたいのなら、助産院で出産するという選択をしても良いかもしれません。

(4)無痛分娩は追加で費用が必要

無痛分娩では、通常の妊娠・分娩にかかる費用に加えて、追加で費用が必要です。

費用は出産をする病院によって異なりますが、5〜20万円と差があります。しかし、病院によっては無料のところもあります。
無痛分娩は保険適応街であるため、全額自己負担になります。さらに、日曜祝日や夜間帯の場合はより費用がかかるので注意してください。

(5)帝王切開になる可能性も

出産時に異常が起きると、緊急で帝王切開になる可能性もあります。無痛分娩から帝王切開に移行することは可能です。しかし、帝王切開になった場合は追加で費用がかかります。

とはいえ、帝王切開は保険適応なので全額自己負担ではありません。住んでいる地域によっては、自治体からの補助を受けられることもあります。そのため、かりに帝王切開をすることになっても、費用がかなり増えてしまうということはないでしょう。

3.妊娠・分娩費用は補助制度を活用しよう

妊娠や分娩にはかなりの費用がかかります。自分で全て支払うとなるとかなりの負担になるでしょう。

妊婦の負担を減らすためにも、国や自治体はさまざまな補助制度を用意してくれています。妊娠をした際には、ぜひ各補助制度について知っておきましょう。

(1)出産育児一時金

出産一時金は、健康保険の加入者又は被扶養者を対象に支払われる補助金です。申請をすることで、赤ちゃん1人あたり42万円が支給されます。双子の場合は2倍の額が支払われます。

ただし、産科医療補償制度に加入していない施設で出産した場合は40万4000円の支給額になります。

(2)妊婦健康診査受診票

妊婦健康診査受診票は、妊婦健診の補助を受けるために発行できる紙です。母子手帳を受け取った後に発行することができ、妊婦健診時に提出すると健診費用を補助してもらえます。

補助額は自治体によって異なります。中には全額補助してくれる自治体もあるので、自分の住んでいる地域の補助額を調べてみてください。

(3)出産手当金

出産手当金は、勤務中であり健康保険に加入している妊婦に支給される補助金です。パートやアルバイトであっても、健康保険に加入していれば対象内です。

支給額は、過去12ヶ月間の平均給与をもとに日給を計算して、日給の3分の2の額になります。受け取れる期間は、出産前42日間と出産後56日間の合計98日間です。ただし双子など多胎児の場合は、産前98日間産後56日間の合計154日間になります。

(4)高額医療費制度

出産時に帝王切開など医療行為が必要になった場合は、高額医療費制度や医療費控除を利用できるかもしれません。

高額医療費制度は、1ヶ月間にかかった医療費が上限を超えた時に上限以上の費用に対して補助を受けられる制度です。上限額は年齢や年収によって異なります。

4.無痛分娩のメリット

無痛分娩のメリットとして、主に以下の4つが挙げられます。

・分娩時の痛みの軽減
・陣痛の恐怖の軽減
・出産時の身体疲労の軽減
・帝王切開への対応も可能

各メリットについて詳しく見ていきましょう。

(1)分娩時の痛みを軽減できる

無痛分娩の最大のメリットは、分娩時の痛みを軽減できるというものです。

陣痛の痛みは人生最大の痛みとも言われます。無痛分娩では全ての痛みをなくすことはできませんが、耐えられるほどの痛みになることで落ち着いて出産を行えます。

(2)陣痛の恐怖を和らげることができる

無痛分娩で分娩時の痛みを抑えることができれば、陣痛に対する恐怖も和らぐでしょう。

出産に向けて感じる不安の大部分は痛みに関することです。無痛分娩なら痛みに関する不安が減るため、精神的にも安心した状態で出産に臨むことができます。

(3)出産時の身体的疲労を減らせる

無痛分娩で痛みが軽減できれば、出産後の身体的疲労も減らすことができます。出産時に体力を使いすぎることがないため、出産後の体力温存にも役立つでしょう。

病院によっては、母子同室だと出産後にすぐに育児が始まることもあります。育児は昼夜問わずに続くため、体力がない状態で行うと辛くなってしまうかもしれません。育児の余力を残すといった意味でも、無痛分娩はおすすめです。

加えて、無痛分娩では出産後に行う会陰の縫合や後産など処置に対する鎮痛効果も得られます。

(4)帝王切開に移りやすい

出産中に赤ちゃんの状態が悪くなると、緊急帝王切開を行わなければならなくなります。無痛分娩ではすでに弱い麻酔が効いている状態なので、麻酔の量を増やすことですぐに帝王切開に移ることが可能です。

赤ちゃんの状態が悪い時は、一刻も早く帝王切開に移行することが重要です。すぐに帝王切開ができるという点で見ると、通常の出産よりも無痛分娩の方が安心できるといえるでしょう。

5.無痛分娩のデメリット

無痛分娩にはメリットだけでなくデメリットもあります。主なデメリットは以下の2つです。

・分娩に時間がかかる
・麻酔の副作用がでることも

各デメリットを確認しておきましょう。

(1)分娩に時間がかかることがある

麻酔をかけると、子宮の収縮が弱くなります。そのため、分娩に時間がかかりやすくなります。

そのため、陣痛促進剤を使用したり、吸引分娩や鉗子分娩など機械を使った出産になるかもしれません。すると出産後の傷が大きくなったり出血が増える危険性も出てきます。

(2)麻酔の副作用が出ることがある

無痛分娩の麻酔によって副作用が出ることもあります。よく起こる副作用は以下の通り。

・発熱
・頭痛
・血圧の低下
・吐き気

発熱は、無痛分娩を開始して数時間経つと起こりやすい副作用です。出産中であっても赤ちゃんには影響はありません。
頭痛は、硬膜外麻酔で硬膜が傷つくと起こるものです。大抵の場合、数週間すると治ります。
血圧低下は軽いものが多く、母体や赤ちゃんに影響を起こすことはほとんどありません。吐き気は血圧低下に伴って生じることが多いです。

また、まれに起こる重篤な副作用として以下のものがあります。

・感染症
・硬膜外血腫・膿瘍

硬膜外麻酔では針が原因で感染を起こすこともあります、ただし起きる確率は低く、0.001%前後と言われています。
血腫や膿瘍も麻酔時の張りが原因で生じます。起きる可能性は感染症よりも低く、0.0005%前後です。

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6.まとめ

今回の記事では、無痛分娩の費用やメリット・デメリット、そして妊婦が受け取れる補助制度について解説しました。

無痛分娩は出産時の痛みを和らげるのにとても良い手段です。ですが、お金は生活に欠かせないもののため、無痛分娩にどのくらいの費用がかかるかというのは誰もが気になることでしょう。
無痛分娩をする際は、費用や補助制度を事前に知った上で、安心して出産に臨むようにしてくださいね。

執筆:納家はるか 臨床検査技師

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監修 高橋成壽(たかはし なるひさ)
ファイナンシャルプランナー
・日本FP協会認定 CFP(R)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
金融・投資アナリスト
・日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA(R))
・証券アナリスト 第二次試験合格(CMA未登録)


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