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知らないと損するお金の話

お金のコラム

住宅ローン

家を買うきっかけと正しい住宅ローンの選び方 その2

住宅ローン

■正しい住宅ローンの選び方

毎年100万件の住宅ローン契約がされています。総額20兆円。
なんとも巨大な市場です。銀行はこの貸し出しが一大ビジネスです。
住宅ローンの残高は1200万件、185兆円程度と言われています。

住宅ローンの専門家に話を聞いてみると、既存の住宅ローンの約半数は借り換えで100万円以上の
金利軽減効果があると試算しています。

なぜこんなことになるかというと、借りるときに住宅ローンの比較をしていないからです。

家を買うときは一般的に不動産会社が住宅ローンの手配をします。
理由は1つ。不動産売買を円滑に行うため。
買主にとっても、すぐに審査結果のわかる住宅ローンが望ましいです。
仲介する不動産会社にとっては、すぐに売買につながるよう、審査が早くて、自社と取引の多い銀行を紹介します。
不動産会社自体が、紹介する銀行からお金を借りているケースも散見されます。

すると、金利の比較ではなく、審査の通りやすさとお付き合いに比重が置かれているのです。
そんなことまでアドバイスする専門家はいないでしょうから、消費者は最適な住宅ローンを選ぶという機会を得ることがありません。

■金融機関と審査の基準

公にされていませんが、関係者なら誰でも知っていることを書きますと、金融機関にはヒエラルキーといいますか、ターゲットとしている人がいます。
勤務先や収入などの属性の良いお客様向けと、経営者や自営業者など属性が良いとは言えないお客様向けの住宅ローンと例えます。

上場企業勤務であったり公務員の方は、銀行にとっては上顧客です。
最も低い金利でお金を貸してくれるでしょう。
ネットバンクを使うとよさそうです。

自営業者や経営者など対極の属性の方は、スルガ銀行など金利が高いが、お金を貸してくれやすい特殊な銀行を活用すると良いでしょう。
フラット35も収入の低いひとや経営者、自営業者に向いています。

自分の属性がどうなっているのか、相談できるところはありませんので、自分で考えるしかないのが実情です。

今、銀行は存亡の危機にあり、お金を貸すことで売り上げを立てねばなりません。
一方で、住宅着工件数は一時期に比べて減っていますし、晩婚化、少子化と、住宅購入者数は増えるとは思えません。

つまり、貸す側はたくさんいて、借りる側は少ないのです。
借り手は有利な立場で住宅ローンの比較をできるはず。
なのに、できていないのは、消費者側の勉強不足でもあります。

■住宅ローン比較のポイント

住宅ローンを比べるのにもっとも大切な要素は金利です。
同じ条件なら金利の低い金融機関で借りるべきです。
しかし、同じように見えても、実は条件が違うが住宅ローンです。
金融機関もしたたかですから、自行の金利が最も安く見えるようにします。

それが優遇金利です。変動金利はここ数年2.475%で変わりません。
しかし、実際は1.275%、0.975%、0.875%、0.775%など色々な金利で、
借りている人がいます。これは、優遇金利の影響です。

かつては、優遇金利が1%程度だったのですが、今は2%近くになっています。
ですから、同じ変動金利でも、1%を切りますし、場合によっては0.5%程度で、住宅ローンを借りることができるのです。

ですから、5~10年前に住宅ローンを借りた人は、今借り換えると金利が低くなる可能性があります。
金融機関は、借りてくれたお客様に情報提供はしません。
お金を払ってくれればいいわけですから、自行の金利が下がったとか、他行の金利が安いという情報は、一切発信しません。でも、知っている人は知っています、金利が下がっていることを。

1円、2円の節約でなく、期間中100万円以上の効果がでるなら、金利の比較をしてみる意味はあるでしょう。

■優遇金利のマジック

A銀行:10年固定金利で1.0%の住宅ローン
B銀行:10年固定金利で0.5%の住宅ローン
これだけ見るとB銀行を選びそうですね。

しかし、
11年目以降の金利
A銀行:0775%(変動)
B銀行:1.575%(変動)
だとしたらどうでしょう。

変動金利なのでどうなるかわからないにしても、金利が変わらないと仮定すると、総額ではB銀行の方が支払いが多くなるのです。
比較すればA銀行の方がメリットがあるとわかります。

しかし、見た目の金利に惑わされて、意思決定を誤っていることもあるのです。

恐いですね。

ですから、金利が不変として返済総額で比べる必要はあります。
ご注意ください。

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