「中学受験ってどれくらい費用がかかるんだろう?」
と気になっている方もいるでしょう。
子供を持つ親からすると、子供に少しでも良い教育を受けさせたいと考えるのは当たり前のことです。小学生の子供がいるなら、中学受験という選択肢も出てくるかもしれません。
中学受験をするなら塾に通うのが一般的です。となると気になるのが「中学受験にはいくらかかるのか」ということでしょう。
そういった方に向けて、今回の記事では以下のことを解説します。
・中学受験で必要な費用
・塾にかかる費用
・中学受験のメリットと注意点
中学受験にかかる費用は家計にも大きく影響します。今回の記事を見るだけで、中学受験の費用について詳しく知ることができますよ。中学受験を考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
1.中学受験で必要な費用
中学受験で必要な費用は、通う塾や進学先により異なります。加えて、塾代だけでなく受験料や合格した際の入学金などもかかります。
中学受験を考えているなら、このような費用をあらかじめ確認しておくようにしましょう。大体どのくらいかかるのかを知っておけば、前もってお金を準備することもできます。
(1)総額約100〜400万円になることも
中学受験の勉強を始めるタイミングや通う塾、希望する進学先により差はありますが、中学受験にかかる費用は総額100〜400万円かかると言われています。
もちろんこれは受験にかかる費用であり、実際には合格した後にも費用がかかります。中学受験に必要なお金だけを見るのではなく、中学校に入学した後の費用を確認するようにしてください。
(2)塾代がほとんどを占める
中学受験をする場合、塾に通うタイミングは小学校4年生あたりが最も多いと言われています。仮に小学4年生から6年生まで3年間塾に通うとすると、塾だけで300万円前後かかるとも言われています。
塾に通うと授業料がかかります。それだけでなく、塾までの交通費や模試の受験料、筆記用具の費用などもかかります。塾の中には、タブレットで授業をするところもあり、家に持ち帰って宿題をするとなると通信費なども必要です。
中学受験にかかる費用の多くは塾代が占めます。受験費用がいくらかかるのかを知りたければ、まずは通おうと考えている塾の費用を求めてみてください。
(3)意外とかかる受験料
意外と忘れやすいのが受験料です。受験料は中学校により異なりますが、2〜3万円程度が相場です。1校だけの受験ならそこまで負担になりませんが、複数校受験するなら受験料だけでもかなりの額になります。
志望校や受験校が決まっているのなら、事前に受験料の合計を計算しておくと良いでしょう。また、学校によっては複数回受験する人に対して受験料の割引をしてくれるところもあります。第一志望の学校であればこういった制度をうまく活用するのも良い方法です。
(4)入学金・入学手続時納入金も忘れずに
無事に合格したら、入学金や入学手続時納入金を支払わなければいけません。これらの費用は平均で25万円かかります。
滑り止めの学校であっても、進学を考えるのであれば入学金や入学手続き時納入金の支払いが必要です。複数校に合格すると、何十万も掛かるので注意してください。
入学を辞退したときに、これらのお金を返してくれるかどうかは学校により異なります。受験予定の学校が、入学金や入学手続時納入金を返還してくれるのかどうかということはあらかじめ調べておきましょう。
(5)授業料も用意しておこう
私立中学校に進学すると決めた場合、すぐに授業料を支払うことになります。
授業料は、年間約100万が相場です。3年間通うとなると合計300万円、中高一貫校になると600万円前後かかる計算になります。高額な中高一貫校だと6年間で1,000万円近くかかる学校もあるようです。
2.中学受験のための塾にかかる費用は?
中学受験の費用で一番かかるのが塾代です。塾代と一言で表しても、実際は複数の費用が組み合わさっています。
塾代として主に考えなければならないのは以下の費用です。
・入会金
・授業料・教材代
・季節の講習代・模試代
・交通費
各項目について詳しく見ていきましょう。
(1)入会金
塾に入る際には入会金が必要です。入会金の相場は1〜3万円です。ただし、季節ごとのキャンペーンや兄弟・友達からの紹介で入会金は安くなります。少しでも費用を浮かせたいのであれば、入塾のタイミングを計らったり兄弟や友人と同じ塾に通うのがおすすめです。
(2)授業料・教材代
塾代の中で一番多くの割合を占めるのが授業料です。大手の中学受験向けの塾だと、小学校1〜3年生で年間20〜30万円、小学校4年生で年間で20〜50万円、5年生で年間20〜60万円、6年生だと年間40〜90万円程度かかります。
塾によりかなり幅があるので、塾選びの際は合格実績や授業の内容だけでなく費用でも比較した方が良いでしょう。
教材費は、塾指定の教材を購入した時にかかる費用です。授業料に含んでくれる塾もあれば、その都度購入しなければならない塾もあります。1つ1つの教材自体は大した値段でなくても、積み重なるとかなりの費用になるので気をつけてください。
(3)季節の講習代・テスト代
塾では、通常授業だけでなく季節の講習や模試があり、これらにも追加でお金がかかります。
季節の講習は通常の授業とは異なる内容であり、受験のためのまとめ授業や今までの総復習を行なってくれます。春期・夏期・冬期が定番ですが、年末年始や入試前に行なっているところも多いです。金額は講習の内容や日数により異なりますが3〜20万円が大体の相場です。
中学受験では、学力を測るためのテストが頻繁に開催されます。塾によってはテスト代がかからないところもありますが、多くは1回あたり3,000〜5,000円の受験代がかかります。
小学校6年生になると、テストを毎月ペースで開催するところが多いです。そのため、テスト代だけで5万円前後かかるようになります。
(4)交通費
塾が家から遠い場所にある場合、通うだけで交通費がかかります。電車やバスの費用だけでなく、車で送り迎えをするにしてもガソリン代がかかるでしょう。
通いたい塾が遠方にあるのなら、交通費も含めてお金を計算するようにしましょう。
3.中学受験のメリット
文部科学省が平成30年度に行った調査では、私立の中学に通う子供の割合は7.4%、約14人に1人という結果が出ました。1クラス40人とすると、クラスの中で2〜3人は中学受験をする計算になります。
数字を見るとずいぶん身近に感じる中学受験ですが、一体どうしてここまで多くの人が中学受験を行うのでしょうか?
理由として、私立の中学に通うことには多くのメリットがあるからということが挙げられます。ここでは、中学受験をして私立中学に通うメリットをご紹介します。
(1)同レベルの生徒に囲まれる
私立中学に通うのは、受験をくくり抜けてきた生徒ばかりです。周りが皆同じレベルなので、学校生活がより快適になるかもしれません。
特に、校区にある公立中学校の治安が悪いのであれば、周りが同じレベルというのは安心材料になるでしょう。
(2)独自の教育を受けられるところも
私立中学はそれぞれ理念を持っており、独自のカリキュラムや教育を提供しているところも多いです。例えば、読解学習に力を入れている、留学プログラムがある、校風が自由、など学校ごとに様々な特色があります。
子供の性格に合った教育を実施している学校を選べば、長所を伸ばしながらも学力をつけることができます。加えて、家庭の教育方針に合う学校を選べば、より一層子供にとって良い教育を受けられるでしょう。
(3)中高一貫なら高校受験をしなくて良い
進学した先が中高一貫校であれば、高校受験をする必要がなくなります。もちろん、内部で高校に進学するためには一定の成績や試験が必要なところが多いですが、実際に高校受験をするよりは楽でしょう。
加えて、高校受験のための塾代もかからないのもメリットの一つです。中学の間は学校生活や部活に専念したいと考えている方に向いています。
(4)大学受験に向けた勉強ができる
私立の中高一貫校は、独自のカリキュラムで通常よりも早く授業が進みます。そのため、高校3年生になる前にすべての範囲を終えていることも多いです。
そのような学校では、高校3年生の丸々1年間を大学受験の勉強に充てることができます。通常の学校に通っている人よりも有利に勉強を進めることもできるでしょう。将来難関大学に進みたいと考えているのなら、より一層おすすめです。
また、特定の大学に附属している附属中学校なら、大学までエスカレーターで進学することができます。附属中学校に合格すれば、大学受験の勉強をしなくても済むかもしれません。
しかし、気をつけたいのが、附属中学校に入学したからといって、全員が大学にエスカレーターで進学できるわけではないということです。一定の成績や内申が必要だったり、内部進学のための試験をうけなければいけない学校も多いです。となると附属中学校に通っている間も勉強は欠かせません。
とはいえ、無事に内部進学が決まれば大学受験が不要になります。外部から受験するよりも楽に進学できるというのは、大きなメリットになるでしょう。
4.中学受験をする際の注意点
もちろん、中学受験をするのはメリットばかりではありません。受験前には注意点についても知っておく必要があります。
中学受験の注意点は費用面だけでなく子供や親の精神面にも及びますので気をつけてください。
(1)私立中学の場合入学後もお金が必要
私立の中学校は、公立と比べて授業料などが高い傾向にあります。
文部科学省が平成30年度に行った調査によると、1年間にかかる学校教育費は公立中学校で138,961円、私立中学校で1,071,438円とのことです。つまり、私立の中学校に通う場合1年間で100万円以上もお金がかかります。公立と比べると約8倍もの差があります。
加えて、私立の中高一貫校に合格すれば、高校受験に必要な塾代がかからないと思う方もいるようです。しかし、私立の中高一貫校に進学しても、進みが早い学校の授業についていくために塾に通う可能性があります。そのため、中高一貫校に通ったからといって塾代がかからないというわけではないと言えます。
中学受験にはお金が必要です。その上、受験が終わった後にも授業料や塾代などのお金が必要です。志望校に合格した後もお金を払うことができるかどうかを考えてから、中学受験に臨むようにしましょう。
(2)理想の押し付けは避ける
中学受験は、子供にとって非常に負担がかかります。学校の勉強だけでなく塾でもしっかり勉強する必要がありますし、友達と遊ぶ時間も減ります。
子供が自分の意思で中学受験をしたいと考えているのなら良いですが、親の希望だけで受験を強要するのは避けるようにしましょう。いくら子供のためを思って受験させようと考えていても、それは親のエゴにすぎません。
したくもない勉強をさせられると、成績も伸びませんし勉強自体を嫌いになってしまう可能性もあります。親の希望だけで受験勉強をすると、子供が受けるプレッシャーも相当なものになります。
中学受験をするときは、親の理想の押し付けはせず、あくまでも子供の希望を聞くように心がけてください。
5.まとめ
今回の記事では、中学受験に必要な費用について解説しました。中学受験にはかなりの費用がかかるため、事前に費用について知っておく必要があります。特に、塾に通うなら100〜300万円近くかかることには注意しなければいけません。塾代を踏まえた上で、中学受験に必要な費用を計算するようにしてください。
加えて、中学受験のメリットや注意点も紹介しました。中学受験にはメリットが多くあり、お金をかけてでも私立中学に入学する価値はあると言えそうです。しかし、注意点でも述べましたが、費用面で親に負担がかかるうえに、無理な受験は子供にも負担がかかります。
中学受験は、費用やメリット、注意点を全て把握した上でよく検討してから臨むようにしましょう。
今回ご覧いただいた記事の内容を具体的に
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監修 高橋成壽(たかはし なるひさ)
ファイナンシャルプランナー
・日本FP協会認定 CFP(R)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
金融・投資アナリスト
・日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA(R))
・証券アナリスト 第二次試験合格(CMA未登録)
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