■三大資金を上手に準備する方法
ライフプランを設計するのに3つの大きな資金があります。
人生の三大資金という言い方をされることが多いです。
1.教育資金
子どもが生まれてからかかる資金で、
主に学校教育費と学校外の学習費を指します。
つまり、学費と塾代、習い事代です。
全国統計が使われますので、
大都市圏の場合は統計値より高めに考えた方がよいでしょう。
政府の方針で、高校の学費無償化、保育料の無償化など、
少子化対策予算が組まれているので、
従来より教育資金の準備は負担減になると考えられます。
また、児童手当を全額きちんと貯めることができれば、
200万円のまとまった資金を貯めることができます。
運用することができれば、18歳までに10%~20%程度増やすこともできそうです。
保険や投資信託の積立で準備される方が多いようですが、
学資保険でもいいでしょうし、預金でもいいでしょう。
目的は貯めることですから、きちんと貯める仕組みを作ることが肝要です。
2.住宅資金
家賃、更新料、住宅購入費、購入時の諸経費、
住宅の維持管理費、住宅保有税、住宅ローン金利などを
総合して住宅資金と言います。
しかし、実際に検討されるのは住宅ローンが多いと思います。
一生賃貸を薦める有識者もいるのですが、
実際には持家を手に入れた方が生涯の住宅資金は少なくなることが多いでしょう。
アメリカのように不動産価格が右肩上がりであれば、
家族構成や家族の成長に伴い頻繁に買い替えることもできますが、
不動産価格が右肩上がりを続けるということが難しい日本では、
一生に一度家を買えれば御の字でしょう。
マンションを買う場合は、管理費と修繕費が駐車場代が負担になりますので、
一生に渡り払い続けることができるかをよく検討します。
駐車場代がかかる場合は自動車代もかかります。
自動車はライフプラン的な考えでは金食い虫ですので、
保有するかどうか、経済的な自動車とは何かを検討されると良いでしょう。
住宅予算を高くし過ぎると、住宅ローンを払うために仕事をするという、
本末転倒な生活になりかねませんので、
収入から負担が重すぎないような住宅予算を逆算することが大切です。
3.老後資金
人生で最も考えたくない程大きな金額になるのが老後資金です。
老後の日常生活、医療費、介護費、レジャー費など、
恐ろしいほどのお金がかかるのが老後です。
そして、あてにしたい年金は今後所得代替率の低下によって、
実質的な支払額が減少する見込みですし、
年金という制度がいつまで維持できるのか考えると恐ろしいという人もいるでしょう。
シングルなら1,000万円~3,000万円、夫婦なら3,000万円~5,000万円が
必要と言われています。
しかし、介護に費用を負担することになると、
1,000万円~5,000万円という蓄えでさえ、
簡単に底をついてしまいます。
働けるうちは働き続けたり、
資産を上手に運用したり、
生活コストを下げる努力をするなど、
1人ひとりが意識的に将来の準備をすることが必要になります。
■貯蓄率の目安は20%
年収別の家計収支に関する統計を見てみると、
どこの年収でも手取りの20%程度の貯蓄になっていることがわかります。
貯蓄率20%というのは頑張らないと達成できない数字のため、
統計とはいえ、回答者が見栄を張っていないか心配になります。
ファミリー世代で貯蓄率20%というのは相当頑張らないといけないでしょう。
夫婦とも正社員であれば達成できる場合もありますが、
一馬力ではほぼ不可能でしょうし、貯蓄率の目標としたい数字と言えるでしょう。
手取りの20%を貯蓄できれば
人生の三大資金のバランスは良いと言えるでしょう。