平均3,500万円程かかるといわれる、私立医学部6年間の学費。
一般的な会社員の収入ですと、私立医学部に6年間通わせるのはなかなか難しいかと思います。

しかし、子供が医学部進学を希望しているのに、学費だけを理由にあきらめさせるのは
親としても悲しいですね。

実は、会社員でも子供を医学部に通わせることができる方法がいくつか存在するのです。
順番に見ていきましょう。

<医学部の学費を実質、無償にする方法>

・栃木県の自治医科大学、福岡の産業医科大学に入学
こちらは、両方私大で、本来でしたら2,000万円以上の学費がかかります。

しかし、大学卒業後に9年間、指定された医療機関(主に山間部などのへき地)
に従事すれば、学費は全額無償になります。

ただし、途中で指定外の機関に移動した際には、学費を返還しなければいけないので注意が必要です。

・防衛医科大学校に入学
こちらは、在学中、「特別職国家公務員」という身分になるので、
授業料が免除になる上に、学びながら毎月111,800円(平成28年4月1日現在)
の給与や年2回の賞与も受け取れます。

ただし、こちらも自治医科大学や産業医科大学と同様、9年間の勤務を満了する前に
離職した場合は、卒業までの経費を返還しなければなりません。

<医学部の学費を安くする裏ワザ!?>

上記の方法で医学部の学費が無償になるのは嬉しいけど、
9年間へき地等で勤め上げる自信がない…という方もいらっしゃるかと思います。

医学部の学費を無償とまではいかないものの、少しでも安くする裏ワザがあります。

・奨学金の利用
日本学生支援機構の奨学金を利用する方法もありますが、
各大学が奨学金制度を実施している所もあります。

東海大学では大学独自の制度として、1年次に優秀な成績を納めた優れた学生25名に対して、
年額120万円を給付しています。
また、学費納入が困難な5名に対しても、同様に年額120万円の給付が行われます。

・編入制度の利用
東海大学、群馬大学、北海道大学など、いくつかの国公立の医大は、
医大生が医学の知識のみに偏ることを危惧して、
他大の卒業生を編入生として受け入れています。

たとえば、文系の大学の卒業生でも書類選考、物理生物数学等のペーパーテスト、
面接に受かれば国公立の医大の1年次もしくは2年次に編入することができます。

東海大学を例に挙げますと、平成29年は募集人数20名に対して308名の応募がありました。
狭き門ではありますが、文系からの編入も可能ですので挑戦してみる価値はありそうです。

以上、医学部の学費が安くなる方法をいくつかご紹介しました。
中には難しい要件もありますが、学費だけを理由に医学部への進学を
子供にあきらめてもらう必要はないかもしれません。