住宅ローンは固定金利と変動金利どちらがいいの?
ライフプランの窓口での無料FP相談でもとても多い質問です。
ファイナンシャルプランナーには答えることができませんが、教科書的な正解はあります。

金融の考え方としては、
低金利の時は、長期固定で借りて、短期変動で預ける。
高金利の時は、短期変動で借りて、長期固定で預ける。
というものがあります。

マイナス金利という現象もありますが、ゼロ金利にもマイナス金利にも限界があります。
一方で、金利上昇には限界がありません。
日本銀行が目指す物価上昇を実現するには、金利上昇も一つの手段としてあり得ます。
そう考えると、毎月の適用金利は多少上下したとしても、固定金利の選択は妥当です。

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一方で、変動金利より固定金利の方が金利は高くなりますので、同じ借入金額であれば、変動金利の方が毎月のローン返済額は少なく見えます。
ただし、現時点で少なく見えるだけであって、今後増えるかもしれません。
今少なく見えるのと、払い終えたときに結果的に少なかったというのは違います。

住宅ローンの金利を変動で選ぶという事は、資金の運用でいうと株式や投資信託など変動の大きな商品を買っているようなものです。
一方で固定を選ぶという事は、定期預金を選ぶようなもの。
預金は定期預金で、借入は変動金利というのは、客観的にみると非常に矛盾しています。
運用は変動の大きな資産を選び、借入は支払額が増えない固定を選ぶ。
これが、理論的には安心なお金の預け方と借方だと思います。
ただ、今までの金利低下という経緯があるので、変動金利を安全だと感じている人が多いようなのですが、変動金利が安全なのは、年収に対して返済比率が低い方。なおかつ、支出が少なく毎月の貯蓄がたくさんできる方です。

1つの目安として、住宅ローン金利が1%上昇すると、35年ローンの場合、支払総額が20%増えます。
金利が0.5%上昇すると、総支払額は10%増えるのです。
ですから、住宅ローンを借りるときに、
総返済額が2割増える(1.2倍になるイメージ)パターン、
総返済額が5割増える(1.5倍になるイメージ)パターンを
考えて資金計画をたててみるといいでしょう。

住宅ローンを支払って、税金、管理費、修繕積立金を支払っても、尚貯蓄が収入の20%以上あるようでしたら、変動金利でも問題なさそうです。
そうでない方は、金利が上昇した場合に、返済が難しくなる可能性があります。

返済できるうちはよいのですが、返済が滞った場合に、マイホームを売却してローンを一括返済する必要があるのが、住宅ローンのこわいところ。
ライフプランの窓口でも、時折住宅ローンの返済ができず、自己破産すべきかどうか、という相談があります。
※当サービスでの相談対象外です。

借りるときはそのようなリスクを説明されることはありませんので、しっかりと自分で契約書を見つめる必要があります。
最終的には借りる方の判断なのですが、支出の管理が上手にできる自信のない方は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談する方が安心だと思います。

変動金利を進めるのが誰なのか。
銀行と不動産会社だとすれば、銀行はたくさん貸しても返済額が少なく見える変動金利が貸出残高という営業ノルマのためには効果的です。

不動産会社は、家を販売するのに、1億円の家でも、3,000万円の家でも、手間は同じだから、高額の物件を売りたいと思うもの。
※不動産会社談

もし、変動金利を選択するなら、ご自身の資産運用も積極投資タイプにすると、
万がいち金利が上昇して返済額が増えても、手元の資産も一緒に増えているかもしれません。
もちろん、投資に失敗しても自己責任ですが、住宅ローンの金利選択の失敗も同じように自己責任なのです。

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