何かあったときのリスクに備えて加入しておきたい、生命保険。
しかし、一口に生命保険と言っても、その種類はさまざまあります。
保険の目的やタイプなど多岐にわたり、どれを選べば良いのか迷ってしまうものです。
保険は万一のリスクをカバーするために加入するものなので、適切なものに加入しないと思わぬ損をすることもあります。
そこで今回は、自分に合った生命保険の選び方について、目的別の保険の種類やタイプ、またそれぞれのメリットとデメリットについて詳しく紹介します。
これから生命保険の加入を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

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■生命保険とは?

 生命保険とは、そもそも人が生きていくうえで抱えるリスクに備えるためのものです。
生活上のリスクとは、具体的に病気やケガ、介護、死亡、長生き、就労不能
などが挙げられます。
普通、このような事態に見舞われたときには、臨時で多額の費用が必要になったり、思わぬ損失に直面したりします。
病気になれば入院費や手術費などが必要となりますし、死亡した場合には残された遺族の生活に負担がかかる可能性もあります。
そうした経済的負担や損失をカバーするために加入するのが、生命保険というわけです。

生命保険の仕組みを理解するためには、保険契約者の全員が保険料を出し合い、大きなひとつの財布を作り上げていると想像してください。
保険契約者のなかに病気やケガなどでお金が必要になった人が出た場合、その財布から保険金を支払います。
こうした仕組みを「相互扶助」といい、お互いが支え合うことで保険は成立しているのです。
日本人は何らかの保険商品を保有している割合が高く、生命保険には約8割の人が加入しているといわれています。
万が一に備えて、みんなでお金を出し合って助け合うのが生命保険なのです。

なお、基本的な考え方として、保険は万が一のときに不足する部分をカバーするためのものです。
必要以上に保険に入ると生活費の中で保険料負担が大きくなります。
貯金がたくさんあって入院治療費などをカバーできる場合には、わざわざ保険に入る必要もありません。
とはいえ、多くの人はいざというときに、自己資金だけではカバーできなかったり、生活が苦しくなったりしてしまう場合がほとんどです。
家計を支えている人が、突然仕事ができなくなるケースや、病気やケガで長期入院をしてしまうケースなど、いつトラブルに見舞われ、多額のお金が必要になるかわかりません。
そういった突然のリスクが発生したときでも、今まで通りの生活を保てるように加入するのが保険なのです。 

■生命保険は4種類に分類される

 生命保険は、目的ごとに大きく分けて4種類に分類されます。
1つ目が、年金やこども保険など、生活するうえで必要となる資金を貯金するために用いられる「貯蓄のための保険」です。
保険の機能を持ちながら、将来必要となる資金のための貯蓄を行うことができます。

2つ目が、入院費や手術費をカバーする「病気やケガに備える保険」です。
病気やケガなどに見舞われたときの費用負担を軽減するために加入するもので、三大疾病やがんに重点を置いた保険商品もあります。

3つ目が、自身が介護される必要になったときなどに備えることができる「介護のための保険」です。
介護が必要になると、ヘルパーや老人ホームなど大きな費用がかかるので、それに備えることができます。
公的介護保険もありますが、足りない部分は民間の介護保険でカバーします。

そして4つ目が、死亡したときに残された遺族にお金を残すことができる「万が一に備える保険」です。
自分に万が一のことがあったときに、周りに迷惑をかけないために加入します。
これらの保険は目的に応じてカバーできる範囲や保険料も異なってきます。
それぞれの種類の保険について詳しく見ていきましょう。 

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■貯蓄のための保険

 貯蓄を目的とした保険のなかでも、代表的なものが4つあります。
1つ目が「個人年金保険」です。その名の通り、年金形式で受け取ることができる保険で、自分の老後に備えてコツコツと貯めていくことができます。
毎月いくら積み立てるかを自分で指定することができ、自分では貯金がなかなかできない人にも向いています。
満期を迎えると、支払った保険料に少し上乗せされて戻ってくるのが一般的です。
途中で解約した場合、支払った保険料を割り込む可能性がありますが、解約返戻金をもらうことができるのが特徴です。
確定申告や年末調整では、個人年金保険料控除を活用することで、所得税と住民税の負担を減らし(節税効果)ながら、積立を続けることができます。超低金利の時代にあって、節税効果は大きなポイントと言えます。

2つ目が「養老保険」です。
一定の保障期間を定めたもので、そのあいだに万が一のことがあった場合には死亡保険金が、何事もなく満期を迎えることができたら満期保険金が支払われます。
掛け捨てではない定期保険というイメージです。
どちらのケースでも、支払った保険料がすべて無駄になることはないため、安心して加入することができます。
ただし、養老保険は死亡した場合でも健康な場合でも保険金が支払われるため、そのぶんだけ保険料が高くなる傾向にあります。
養老保険の保険料は一般生命保険料控除の対象です。

3つ目が子供の教育費に備えて加入できる「学資保険」も貯蓄を目的とした保険に分類されます。
我が子の教育資金に充てることができ、親に万が一のことがあっても払い込み免除などのメリットがあるのが特徴です。
加入時期が早ければ早いほど積み立てをすることができるので、子供が小さい内に加入を検討すると良いでしょう。
また、子供が進学などのイベントを迎えるごとにお祝い金をもらうことができるので、子育てするうえで重宝する保険とも言えます。
学資保険の保険料は一般生命保険料控除の対象です。
色々な保障がついていると元本割れする場合もありますので加入の際は確認しましょう。

4つ目に貯蓄が可能な保険としては「終身保険」も忘れてはなりません。
終身保険は一生涯の保障がつくだけでなく、解約返戻金があるので貯蓄性の高い保険としても人気があります。
一生涯、保険料を積み立てることもできるので長期的な貯蓄を実現できます。
これらの貯蓄のための保険は、保険をかけつつお金も積み立てておきたいという人に向いています。
自身の年齢やライフステージ、家族のライフイベントに合わせて活用すると良いでしょう。
終身保険の保険料は一般生命保険料控除の対象です。

■病気やケガに備える保険

 病気やケガに備える保険には、大きく分けて「医療保険」と「がん保険」があります。
医療保険は、一般的な病気やケガのリスクに備える保険で、入院日数に応じて保険金をもらえたり手術の際に給付金をもらえたりします。
女性特有の病気に対して手厚い保障のある女性特約や、三大疾病に手厚い三大疾病特約など、自身の希望に応じてオプションとして特約を付けられるのも特徴です。
医療保険にはがん特約を付けることもできますが、単体でがんに備えることのできるがん保険も存在します。
保険業界のなかで第三分野と呼ばれる分野の商品に加入された場合、保険料は介護医療保険料控除の対象となります。

医療保険やがん保険に加入するときに、よく耳にするのが先進医療特約です。
先進医療とは、高度な技術が必要となる治療のことで、健康保険の対象外のため全額自己負担となっています。
先進医療は高いもので数百万を超えるものもあり、万が一の際に支払えないリスクもあります。
そのため、医療保険に特約として先進医療特約を付ける人が増えています。
厚生労働大臣が定めた先進医療が対象で、少ない保険料で大きなリスクに備えることができるのも魅力です。
医療保険とがん保険のいずれも、入院や手術、先進医療などにかかる費用を保障するものです。
病気やケガと聞くと健康保険が思い浮かびますが、健康保険を使っても自己負担は最大3割です。
大きな病気で入院したときや、ケガで手術が必要になったときには、自己負担額はかなりの金額になります。
こうしたリスクに備えて、加入しておきたいのが医療保険やがん保険ということになります。
他にも、長期療養に伴う収入の減少にも効果的です。
例えば、残業のない部署に異動になり収入が減った場合や、通院しながら治療をすることで、勤務時間が減少し収入も減少した。
などの事例において有効です。 

■介護のための保険

 介護のための保険として「介護保険」が挙げられます。
これは、自分が将来介護を必要とするようになったときに備える保険です。
介護保険というと、真っ先に思い浮かぶのが、市区町村が主体となって行っている介護保険制度でしょう。
40歳以上のすべての人に加入が義務付けられていて、介護が必要になった場合に、一定以上の収入がある人を除き、原則として自己負担1割でサービスを受けられるという制度です。
この公的な制度で最低限はカバーできますが、それを超える部分の負担に対しては自分で民間の保険に加入して備える必要があります。
高齢社会となった日本では、年々介護が必要な人が増えてくるともいわれています。
実際、介護が必要になると、ヘルパーを雇うお金や施設を利用するのであれば部屋代や食費など多くの費用が発生することになります。
これらに備えられるのが、民間の介護保険というわけです。
民間の介護保険は、公的介護保険にプラスで加入するイメージですが、保険会社によってさまざまなタイプのものが提供されているので、年齢や要介護区分に応じた選択をすることができます。
これからの時代に備えて、国の保障制度に不安のある人が加入するケースも少なくありません。
高齢に伴う介護だけでなく、病気やケガなどによって介護が必要になるケースもあるので、加入しておくと安心な保険とも言えるでしょう。 

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■万が一に備える保険

万が一に備える保険には、大きく分けて3種類あります。
1つ目に、一生涯の保障がされる「終身保険」です。
貯蓄性があるというのはすでに紹介した通りですが、死亡した場合に遺族にお金を残すことができるという特徴を持ちます。
終身保険の特徴は何といっても、一生涯の保障が約束されている点で、一度加入してしまえば安心して生活することができます。
そのぶん、定期保険などに比べると保険料は高く設定されていますが、将来設計ができていて、今後も保険の見直しをする予定のない人には向いている保険です。

2つ目に、指定した一定期間に死亡保障を受けられる「定期保険」です。
定期保険は、終身保険のように一生涯のカバーではないため、そのぶんだけ保険料は低く抑えられていますが、解約返戻金がなく貯蓄性はありません。
掛け捨て型なので、保障期間に保険を使う必要性に迫られなかった場合には、支払った保険料は無駄になってしまいます。
しかし、途中で保険の見直しをしたり、住宅を購入した直後や子供が成人になるまで一定期間の保障を厚くしたりしたい場合には有効な保険と言えます。

3つ目に、「収入保障保険」も万が一に備えることができる保険のひとつです。
収入保障保険は、家計を支える人が死亡した場合に、残された家族が困らないようにするための保険です。
家計を支える人が突然いなくなれば、残された家族は生活が苦しくなることは目に見えます。
そういったリスクに備えて、一時金又は年金形式で受け取ることができるのが収入保障保険です。
家計を支える人が亡くなったあとも、定期的な収入を保障してくれるので、毎月の生活費や教育費用をカバーすることができます。 

■就労不能に備える保険

身体や精神的な疾患により働けなくなる「就労不能」に備える保険が最近注目されています。
医療の進歩により、がんの生存率が向上したり、通院を含む治療を継続しながら生活するケースが増えています。
一方で生活のためには生活資金をねん出する必要がありますので、働くことが必要です。健康な状態であれば働くことができたとしても、療養しながらの仕事は人にはわからず苦労があるもの。
見た目は健康であっても痛みがあったり、体が思うように動かない事もあるでしょう。
無理して働いた結果、さらに体の不調につながることもあります。
就労不能に備える保険であれば、働けないことの証明は必要になりますが、一時金や一定期間にわたる給付金が支払われることで、安心して治療やリハビリに励む事ができます。
長生きが前提となり、70歳までなど長期で働くことが求められる社会にあって、自己防衛のための保険と位置付けることができそうです。

■長生きリスクに備える保険

長生きに伴う老後生活資金の不足の事のことを「長生きリスク」と呼びます。
実は、ライフプラン設計上もっとも大きくなり、かつ準備が難しいのが長生きリスクへの備えです。
生活、マイホーム、教育など今心配というリスクではなく、遠い将来だが間違いなくやってくるであろう長期生存に伴う金銭的リスクを抱えている人は大勢います。
一方で、日本で働く人の給料は右肩下がりで、かつ社会保険料や所得税の増税により手取りは給料の減少以上に減っています。
消費税の増税も加わり、モノの値段が上がります。
このような経済情勢のなかで、将来への準備を安定して継続することは難しいでしょう。
しかし、ほぼ必ずやってくる長い老後に備えは重要です。
誰の為でもない自分のために備える保険が、長生きリスクに備える保険です。

■死亡保障のある生命保険の種類

 生命保険の中には、死亡保障の付いているものが多くあります。
人が死亡すると、残された家族には、葬式代や当面の生活費など意外と多くの支出が発生します。
そうしたリスクに備えて加入しておきたいのが、死亡保障の付いた生命保険です。
死亡保障は、子供がまだ幼いので養育費を残したいケースや、次の世代に遺産として多くのお金を残したいケースなどでも活用できます。
死亡保障の付いた生命保険には、主に次の4つの種類があります。

1つ目が「終身保険」です。すでに紹介している通り、一生涯の保障が付いた保険で、解約返戻金があるため貯蓄性が高いのを特徴としています。
一生涯保障されるので、年齢やライフステージを問わず、安心したい人に選ばれています。
2つ目が「定期保険」です。定期保険は一定期間の保障をする掛け捨ての生命保険です。
終身保険に比べて保障期間が短くなるので保険料は安いですが貯蓄性はありません。
まだ子供が幼いうちや、住宅ローンの返済が多く残っている場合など、特定の期間のみ保障を手厚くしたいケースに活用されます。
3つ目が「収入保障保険」です。家計を支える人に万が一のことがあった場合に、死亡保険金を分割形式で受け取ることができる保険です。
一時金ではなく、定期的な収入が保障されるので、残された家族の毎月の生活費や教育費などをカバーすることができます。
子供が小さい場合や配偶者が働いていない場合に重宝します。
4つ目が「養老保険」です。養老保険は、一定期間の保障が付いており、その期間に万が一のことがあった場合には死亡保険金を、健康で何もなかった場合には保険金を受け取ることができるものです。
どちらの場合でも保険金を受け取れるので貯蓄性の高い保険と言えますが、そのぶん保険料が割高になっています。 

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■掛け捨て型と積立型の違い

 生命保険のタイプには「掛け捨て型」と「積立型」の2種類があります。
この2つのタイプを理解するうえで、第一に押さえておきたいのが解約返戻金です。
解約返戻金とは、保険を途中で解約した場合に戻ってくるお金のことをいいます。
簡単に言えば、掛け捨て型は、この解約返戻金が戻ってこないタイプの保険で、満期や更新の時にも戻りません。
それに対して積立型は、中途解約の際には解約返戻金が戻ってくるタイプで、満期や更新時にもお金が戻ってくる保険もあります。

これだけを聞くと積立型のほうが良いように聞こえますが、そのぶんだけ毎月の保険料が大きくなるなど、それぞれにメリットとデメリットがあり、一概にどちらが良いと言えるものではありません。

保険に加入する際には、保険料だけでなく、保障内容や解約返戻金のタイプにも注目する必要があります。
特に、掛け捨て型か積立型かについては、将来戻ってくるお金にかかわることなので、よく理解しておく必要があります。
賢く保険を活用するためにも、まずは掛け捨て型と積立型の違いについて見ていきましょう。 

■掛け捨て型のメリットとデメリット

 保険のタイプのひとつである「掛け捨て型」のメリットは主に3つあります。

1つ目に挙げられるのが「保険料が手ごろなものが多い」点です。
掛け捨て型は、積立型のように解約返戻金が貯まっていくわけではないので、料金があらかじめ安く設定されていることが多いです。
一定の保障期間中に保険を使う場面がなければ支払った保険料が戻ってくることはありませんが、ライフイベントに合わせて一定期間に手厚い保障をしたいときに少ない保険料でカバーできます。

2つ目に「保険を気軽に見直せる」点が挙げられます。
掛け捨て型は、時期によって解約返戻金が低くなるなどの解約の縛りがないので、保険を気軽に見直しやすいのが魅力と言えます。
保険は、年齢やライフイベントに合わせて見なすことで、今自分に合った保険を選択することができるものです。
やみくもに一生涯保障される保険に加入すれば安心というわけでもありません。
保険を見直しやすい掛け捨て型は、結婚や出産、住宅の取得などライフイベントの多い若い世代や、一時的に保障を手厚くしたい人に適しています。

3つ目に「商品の数が多く、保障の種類も充実している」点も掛け捨て型のメリットです。
掛け捨て型の保険は、積立型に比べて多くの保険会社が取り扱っており、商品もバリエーションが豊かです。
保険に入りたいときにだけ入れるというシンプルさも、掛け捨て型の魅力と言えます。
それぞれの保険会社で強みとする保険商品や保障内容、保険料の違いなどがあるので、多くの商品を比較しながら自分に合った保険を選ぶことができるでしょう。

一方、掛け捨て型のデメリットとしては、「保険を利用しない場合、保険料が無駄になってしまう」点が挙げられます。
何事もないというのは良いことですが、せっかく支払った保険料が戻ってくることはないので、見方によっては保険を使う場面がなければ損をするという考え方もできます。
保険に対してどう考えるかの問題ですが、無駄になる可能性があっても、ライフイベントに合わせて安い保険料で備えていきたい人には掛け捨て型が向いているでしょう。 

■積立型のメリットとデメリット

 掛け捨て型と並んで保険の代表的なタイプである「積立型」にも、押さえておきたいメリットとデメリットがあります。
メリットとしては「払ったお金が無駄になりにくい」点と「保険というより貯蓄を目的にした使い方もできる」点が挙げられます。
積立型は、掛け捨て型と違って支払う保険料が積み立てられていくため、保険を使う場面がなかったとしても、解約返戻金や満期保険金などが戻ってきます。
支払った保険料が無駄にならないという点では、貯蓄という使い方も可能です。
保障期間の心配などをする必要がないため、一度保険商品を選択してしまえば、あとは安心して生活することができます。
銀行に預けるような感覚で、かつ保険の機能も備えている商品と考えることもできるでしょう。

デメリットとしては「保険料が高い傾向にある」点と「中途解約をすると損をする可能性がある」点、「商品数が少ない」点が挙げられます。
積立型は支払った保険料が戻ってくる反面、掛け捨て型に比べて保険料は高くなる傾向にあります。
加えて、解約返戻金は満期に近づくほど多くなりますが、途中で解約した場合には掛金を下回る可能性があるので注意が必要です。
もし積立型に加入している途中でライフイベントに合わせた保険の見直しをする必要性が出てきた場合、この解約返戻金を気にして身動きがとりづらくなる可能性も考えられます。
また、掛け捨て型に比べて、積立型は取り扱っている保険会社が限られてきます。
選択肢が少なく、一度契約すると長期間にわたって継続しないと損をするリスクもある保険なので、保険の性質を備えた貯蓄の意味合いでコツコツお金を貯めたい人に向いていると言えます。
保険を生涯にわたって見直す予定がない人にも適していると言えるでしょう。 

■定期保険と終身保険の違い

 掛け捨て型と積立型の保険を代表するのが、それぞれ「定期保険」と「終身保険」です。
定期保険とは、一般的に掛け捨てのタイプの保険を指します。
10年や20年、60歳までなど保障が受けられる期間があらかじめ決まっており、そのあいだに何かあった場合には保険金が支払われます。
ただし何もなかったら掛けた保険料は戻ってきません。
そのぶんだけ保険料は安く設定されています。
また、期間が終了した場合、保険料が高くなることを条件にして更新できるタイプもあります。
ライフイベントや景気動向などに合わせて、入りたいときだけ入ることができる保険と言えます。

一方で、終身保険とは、原則として一生涯に渡って保険料を支払い続け、保障も一生涯というタイプの保険です。
一度加入すると、保険料がずっと変わらず、保障内容も変わらないのが一般的です。
ライフステージに合わせて見直す必要はありませんが、家庭の事情や時代の変化などで保険を見直したい際には気軽に変更しづらいという側面も持ちます。
また、終身保険は、積立型のタイプの保険で、解約した場合には解約返戻金があります。
そのぶんだけ保険料は高くなりますが、一生涯の保障を安心して受けることができます。

いずれの保険も、加入する年齢によっても保険料が異なり、高齢になるほど保険料は高くなるのが一般的です。
また、加入時には健康状態の審査があります。
終身保険は、一度審査をクリアすれば加入できますが、定期保険は、保障期間が切れると再度審査を受ける必要があり、その際に病気などを患っていると更新できないケースもあります。
それぞれに特徴があるので、どちらが自分に合っているかは年齢や目的によって選択すると良いと言えます。
定期保険と終身保険、それぞれに向いているケースを見ていきましょう。 

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■定期保険が向いているケース

 掛け捨ての性質を持つ「定期保険」が向いているケースは、主に3つあります。
1つ目が「年齢が若い」ケースです。
定期保険では、年齢によって保険料が異なります。
年齢が若いほど保険料が安くなる傾向になり、高齢になるほど保険料は高くなります。
これは、年齢が若いほど死亡率や病気にかかる割合が少ないためです。
なお、定期保険は一定の保険期間が終了したあとは更新を行えますが、その際には更新時の年齢が適用されるため、一般的に保険料が高くなります。
また、健康状態も更新の度にチェックされます。
定期保険なら解約しても損をすることがないので、生活環境の変化が大きい若い世代には向いていると言えます。

2つ目は「保険料をできるだけ安くしたい」ケースです。
掛け捨てである定期保険は、積立型の終身保険と比較して保険料を抑えることができます。
保険というのは、今の生活に影響が出ない範囲で加入するのが一般的です。
保険会社によっては必要なぶんだけをカスタマイズすることもでき、必要最低限の保障をなるべく安い保険料で受けることができます。
若い世代ほど、その恩恵を受けることができるので、結婚や出産などのライフイベントに合わせて、保障を手厚くしたいタイミングに活用すると良いでしょう。

3つ目は「一時的に保険に加入したい」ケースです。
必要なときに必要な期間だけ加入することができるのが定期保険の魅力と言えます。
たとえば、子供が学生のうちは教育費がかかるため、その期間だけ死亡保障の付いている定期保険に加入する、住宅ローンを組んだ直後なので返済が終わるまでは家族に負担をかけなくないため定期保険に加入するなどというように、家族構成やライフイベントに合わせた選択が可能です。
入りたいときにだけ入り、定期的に見直したり保障を手厚くしたりできるので、柔軟性が高い保険とも言えるでしょう。

■終身保険が向いているケース

 定期保険に対して、積立型の性質を持つ「終身保険」が向いているケースは、主に4つあります。

1つ目は「一生涯の保障が欲しい」ケースです。
終身保険の大きな特徴は、何と言っても一生涯の保障を受けられることです。
一度加入すれば、ずっと保険料と保障内容が変わることなく安心して生活を送ることができます。
定期保険の場合は、一定期間の保障だけしか付いておらず、更新のたびに保険料が上がってしまいます。それに対して、終身保険は一度加入してしまえば更新の必要がなく、一生涯の保障を受けたい人に向いていると言えるでしょう。

2つ目は「貯蓄もしたい」ケースです。
定期保険が掛け捨て型なのに対して、終身保険は積立型です。
支払った保険料は無駄になることなく、積み立てられていきます。
保険をかけつつ、いざというときの貯蓄としても活用できるのが魅力です。
なお、途中で解約する場合には、解約返戻金が支払った保険料を下回ることがあるので注意しましょう。

3つ目は「老後に備えたい」ケースです。
終身保険は積立型で一生涯の保障を目的としており、老後に備えるためのひとつの手段として有用です。
若いうちに加入しておけば、保険料は一生涯変わることがありませんし、更新の度に健康状態の審査を必要とするなんてこともありません。
老後資金対策として用いることもできるでしょう。

4つ目は「保険の見直しが必要ないケース」です。
定期保険は、ライフステージに合わせて一定期間の保障を厚くするのに向いているのに対して、終身保険は保険の見直しがある程度必要なくなった人に向いていると言えます。
途中で解約すると解約返戻金が少なくなり損をすることもあるので、保険料を払い続けられるかどうか加入の前によく吟味することが大切です。
一生涯の保障を必要としていて、途中で解約する見込みがない人に向いているのが終身保険と言えるでしょう。 

■就労不能保険が向いているケース

就労不能保険の必要ない人はどのような場合でしょうか。
1つめに、働いても働かなくても一定の収入がある人が考えられます。
例えば、会社を上場させて株式を大量に保有しており、毎年の配当金収入だけで生活できるような方は、安定して収入を得ることができます。

2つ目に、家族が亡くなり、毎月あるいは一括で大きな保険金を受け取った場合です。
働く必要のないほど大きな金額が預貯金口座に預けられているケースや、毎月安定して保険会社から保険金が支払われる場合は、保険金の支払期限が到来するまで生活が保障されます。

3つ目に、毎月安定した家賃収入がある大家などの事業主です。
自分ではなく入居者が働いて、その収入で家賃を支払っていますので、自身が働けなくなることのリスクは小さいのです。

4つ目に、国から年金が支払われていて、年金だけで生活のできる人です。
年金の種類は、遺族年金、障害年金、老齢年金の3つがあります。
これらの年金だけで生活できる場合は、働く必要も有りませんし、働けない事に備える必要も有りません。

これらを踏まえると、働くほとんどの人は、就労不能リスクがありますので、何らかの対策が必要と考えられます。
特に、子どもが学生で教育資金の準備ができていないケースや、住宅ローンの返済があり働けなくなると住宅ローンが返せなくなるような場合は、就労不能保険のニーズがあると言えるでしょう。

■外貨建て保険や変額保険が向いているケース

長生きリスクの対策として検討の選択肢に含めたいのが、外貨建ての保険と変額保険です。
外貨建ての保険は、日本より金利の高い通貨で保険料を計算するため、同じ保険金の場合よりも保険料が安くなるメリットの他に、保険に貯まっていく解約返戻金を増やす利率も高いため、効率よく解約返戻金を増やす事ができます。

外貨建ての保険は、米ドルや豪ドルでの運用を行うことが多く、日本円より高い金利での運用が可能になります。
ただし、為替リスクあり、支払った保険料の総額よりも、受け取る解約返戻金の総額が、少なくなる可能性もあります。
詳しくは保険の専門家やファイナンシャルプランナーからの説明を受ける必要がありますが、いいことばかりではないと心得ておきましょう。

変額保険は、主に投資信託で運用しながら、死亡保障や高度障害の保障など保障の機能を有する保険です。
30年後に3,000万円を貯めようとする場合、途中で亡くなったり、高度障害状態となり働けなくなった場合など、当初希望していた金額を貯める事ができなくなる可能性もあります。
そのような場合でも、保障機能が本人や遺族に一定額の保険金を支払いますので、自分に何かあっても当初準備を想定していた金額を家族に届けることができます。
安定して解約返戻金を増やしたい場合は外貨建ての保険、大きく解約返戻金を増やす事を期待したい場合は変額保険を選択されると良いでしょう。
ただし、その前に円建ての保険での解約返戻金の増え方を比較すると、メリットとデメリットがより具体的に分かるでしょう。

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■生命保険は自分に必要なものを選ぶ

ここまで紹介した通り、生命保険には保障期間やタイプの違いなどで、さまざまな種類があります。
それぞれにメリットとデメリットがあり、自分に必要なものを正しく選択する必要があります。
家を買ったばかりでローンが残っているなら定期保険で手厚く、若いうちに老後の貯金も兼ねたいなら終身保険で一生涯など、さまざまな選択が考えられます。
生命保険の選択を間違ってしまうと保険料を無駄に支払うことになったり、リスクに備えることができなかったりしてしまいます。
種類が多いからこそ、そのなかから適切なものを選ぶ必要があるのです。
では、自分に必要な保険を選ぶためにはどうしたら良いのでしょうか。

正しい保険を選ぶために、まずは自分の環境を見直しましょう。
自身の年齢や家族構成、ライフステージなどをよく観察し、分析することが大切です。余裕のある人は、日本の経済や景気動向なども考慮すると良いでしょう。
そのうえで、考えられる将来的なリスクを洗い出し、その際に生じる必要なコストを考えましょう。
たとえば「住宅ローンが2000万円残っているから、もし万が一のことがあったら2000万円を用意できる死亡保険金に入りたい」
「入院すると一日1万円くらいかかるけど、貯金でカバーできる部分を差し引いて、5000円は保険でカバーしたい」など、必要なコストを検討するのです。
こうした万が一の際に不足するコストの分を、保険でカバーするのが基本的な考え方です。
自分の環境を良く見直すことで、必要な保険金額や保障内容を見極めることができます。
保険について詳しくわからないという人は、保険の専門家やファイナンシャルプランナーなどに相談するのも良いでしょう。

また、年齢や生活環境の似たモデルケースを参考にするのもひとつの手と言えます。
モデルケースを参考にすることで、自分に合った保険が見えてくるので効果的です。
そこで今回は、いくつかのモデルケースを紹介します。
なお、必ずしもモデルケースに当てはまる訳ではないので、あくまで参考程度にして自分に合ったものを見つけ出していきましょう。 

■ケース1:20~30代未婚の場合
 まず紹介するモデルケースは、20代と30代で未婚のケースです。
20代や30代の人のなかには、保険についてあまり考えていないという人も少なくないでしょう。
家計の収支が不安定で、保険に入る余裕がないという場合には、無理をせず生活費を確保することが大切です。
保険にかけるお金を確保できる場合でも、若い世代で未婚なら死亡保障をそこまで考える必要はないかもしれません。
そこで、突然の病気やケガに備えた医療保険に重きを置きましょう。
医療保険は、入院日数や手術に応じてもらえるものが一般的です。
貯金の少ない場合が多い20代や30代では手持ちの資金で医療費をまかなうのが難しいため、突然の病気やケガのリスクに備えて、医療保険を手厚くするのが良いでしょう。
また、働き盛りの年齢ではあるものの、万が一のときに働けなくなってしまうと
収入が途絶えてしまうことも考えられます。
そういったリスクも考えたうえで、生活費を圧迫しない範囲でバランスよく加入するとよいでしょう。
死亡保障より医療保障を優先しつつ、老後資金も視野に入れましょう。
20代や30代のうちからコツコツと貯蓄を行うことで、人生100年時代と呼ばれるこの時代の老後に備えることができます。
積立型の保険なら、貯蓄をしながら万が一の際の保障を受けることが可能です。
また、死亡保障を付ける場合には、子供などに資産を残す必要がないため、お葬式などにかかるコストをカバーする程度で充分でしょう。 

■ケース2:20~30代夫婦の場合
 次に紹介するケースは、同じ20代と30代でも結婚しているケースです。
未婚の場合と同じく、病気やケガのリスクに備えた医療保険、老後に備えた貯蓄、お葬式代などをカバーする死亡保障は必要になるでしょう。
加えて、未婚の場合と異なってくるのが子供の有無です。
養う家族が多いかどうかで保険の必要性もだいぶ変わってきます。
収入があり、家族を支えている人に万が一のことがあった場合、家族にどのような負担をかけるか想像して必要額を割り出すことが大切です。
子供がいる家族の場合、生活費や教育費をカバーできる死亡保障は必須と言えます。
家計を支える人がいなくなってしまったことで、家族の生活が苦しくなるのを防ぐためです。
また、子供が成長した際にかかる進学資金などに備えた貯蓄保険も活用すると良いでしょう。
出産などのライフイベントに合わせて夫婦で保険について考えるのが理想です。
この時期は、住宅購入などの人生設計も見え始め、資金計画もハッキリとしてくるもの。
積立型の保険は、若いうちに始めるほど安い保険料で長期間にわたって貯蓄することができるので、できれば30代のうちに始めるのが理想です。
また、子供がいない場合でも、配偶者を支えるための死亡保障は付けておきたいところです。
家族にかかわることなので、夫婦で相談して保険を検討すると良いでしょう。 

■ケース3:40代夫婦の場合
 次に紹介するケースは、40代夫婦のケースです。
40代になると、病気やケガのリスクも高まってきますが、なかでも意識したいのが、がん保険です。
がん保険は、医療保険から独立してがんに特化した保険で、がんによって入院や手術をした際の費用をカバーすることができます。
また、20代や30代の夫婦と同じく、老後のための貯蓄や、お葬式や残された遺族の生活費をカバーする死亡保険も入っておくと安心です。
住宅ローンを組んでいる場合、債務者の死後は団体信用生命保険などでローンの返済が免除されるケースもあります。
団体信用性目保険に加入していない場合など、万が一のときに住宅ローンの返済が遺族の生活を圧迫してはいけないので、その点も考慮して保険金額を考えましょう。
子供がいる夫婦は、加えて進学資金のための貯蓄保険や、万が一のことがあったときに子供に負担をかけないように、教育費をカバーできる死亡保険が必要と言えます。
老後に備えて保険を使って資金を確保しておくのもひとつの手です。
なお、40代で未婚の場合には、同じく医療保険やがん保険、老後のための貯蓄は必要ですが、配偶者や子供に残す資金を考える必要はないので、死亡保険はお葬式代をカバーできる程度で問題ないでしょう。 

■ケース4:50代夫婦の場合
 続いては、50代夫婦のケースです。
50代になると、病気やケガに備えた医療保険、がんになった際にカバーできるがん保険のほか、介護のための保険も考える必要があります。
介護が必要になると、周りの人にさまざまな点で負担をかけることになるので、少しでも介護にかかるコストを削減するために保険に入っておくと安心です。
公的制度である程度はカバーできますが、それを超える部分をカバーしたい人や国の制度だけでは安心できないという人は、民間の介護保険から自分に合ったものを選択します。
また、老後に備える貯蓄保険、お葬式代や残された家族への生活費をカバーする死亡保険などが必要でしょう。
子供がいる場合、進学資金を確保するための貯蓄保険も必要になるでしょう。
特に、大学の入学金や学費などは家計への大きな負担にもなるため、コツコツと備えておくことが大切です。
子供がいない場合や、子供が社会人になった場合には、こうした備えは必要ありませんが、老後に退職金と合わせてマイホームの購入を検討している場合や子供の結婚費用を蓄えておきたい場合には、貯蓄保険を活用するのもひとつの手と言えます。
なお、未婚の場合は、がん保険や介護保険を含む医療保障を重点的に組み込んでおくと安心です。 

■ケース6:60代以上の場合
 最後は、60代以上のケースです。高齢になると加入できる保険は限られてくる一方で、持病があっても入れる保険などもあります。
健康状態などによっては保険料も高くなりますが、それ以上に備えが必要と考える場合には加入しておくことをおすすめします。
保険会社がさまざまな商品を提供しているので、比較したうえで自身でも加入できる保険を検討しましょう。
特に、60代以上の人が入っておきたいのは、医療保険や死亡保険です。
病気やがんのリスクは若い世代に比べて増大するため備えは必要になります。
一方で、60代になると、若いうちに貯めていたお金や退職金、年金などで生活することになるため、貯蓄保険の活用は考えなくて良いでしょう。
また、配偶者や子供の年齢によって、死亡保険金額も変えていくと良いでしょう。
子供が自立していない場合は、貯蓄保険の利用も視野に、自分に万が一のことがあった際に多くのお金を残せるようにします。
子供が自立している場合や配偶者がいない場合には、お葬式代くらいをカバーできる死亡保険でも良いかもしれません。
家族構成や自身の環境に応じて、保障内容をよく検討するのが理想です。
昨今は人生100年時代と呼ばれ、高齢者が生活するうえでかかる費用も少なくありません。
若いうちに保険などを活用して少しでも貯蓄をしておくのが賢明と言えるでしょう。 

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■生命保険を選ぶポイント

 生命保険について、基本的な違いやケースごとの傾向は紹介した通りですが、実際に加入するとなると、押さえておきたいポイントがいくつもあります。
生命保険の選び方を間違えてしまうと、保険料を無駄に払ってしまったり、必要な費用を全然カバーできなかったりしてしまいます。
次の5つの点をチェックしながら、自分に合った生命保険を選びましょう。

まず見ておきたいのが「どんな保障内容なのか」という点です。
何の保障を目的とした保険なのかをよく理解することが大切です。
生活上のリスクに備えて医療保険に入ってみたものの、がんは保障対象外だったなんてことにならないように、必要な保険となっているか確認しましょう。
保障内容をチェックする前に、自分にはどんな保障内容が必要なのかを明確にしておくことも大切です。

次に大切なのが「掛け捨て型か積立型か」という点です。
掛け捨て型は保険料が安い代わりに解約返戻金などはありません。
一方で、積立金は支払った保険料が積み立てられていく代わりに保険料が高い特徴を持ちます。
自分が希望するのがどちらのタイプなのか明確にしたうえで、保険のタイプを確認することが大切です。

同時に「保険料はいくらなのか」も重要なポイントです。
毎月いくらまでなら保険料を負担できるのかをあらかじめハッキリとさせておき、それに合わせて選択するのが良いでしょう。
生活費を圧迫してまで保険に加入する必要はありませんし、必要以上の保障を付けて保険料の負担を増やすのは効率的と言えません。
今の生活に影響のない範囲で、保険商品を選ぶのが良いと言えます。

「いつまで保険料を支払うのか」という点も注目しましょう。
定期保険は、指定した一定期間の保障を受けることができますが、一時払いといって一括でまとめて支払うこともできます。
終身保険は、一生涯の保障を受けることができますが、一括で払ったり、保険料の払い込みを60歳までにしたりできる商品もあります。
終身保険で一生涯保険料を支払い続けるという選択肢もありますが、
年金だけが収入源となる高齢者には、保険料の負担は重くなってしまいます。
支払方法によっては保険料も異なってくるので、
自分の加入する保険がいつまで保険料を支払う必要があるものなのか、
あらかじめチェックしておきましょう。

それから「いくらまで保障されるのか」も確認します。
保険が下りる事態となった際に、思っていた保障額が下りずに
必要な費用をカバーできないということにならないように、

加入する前に入念に確認しておくことが大切です。
そのためには、万が一のときに必要となる保障額をあらかじめ割り出しておきましょう。 

■共済の上手な活用方法

生命保険を考えるときに、共済と何が違うのだろう?と疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
どちらも保険という意味では、同じ機能があります。
少額の掛け金を支払うと、いざという時に高額の保険金や給付金が得られます。
違いは、1つ目は制度のもととなる法律が異なること。
2つ目は所轄の官庁が異なること。
3つ目は保険料の決まり方が違うこと。となります。

実際に加入する際に影響するのは、3つ目の保険料の決まり方だけです。
民間の生命保険と比べて大きく違う点は、いつ加入しても保険料が変わらない点です。
民間の生命保険では20歳と50歳では加入する歳の保険料が異なりますが、共済は変わりません。しかも、保障の内容も変わりません。
ということは、年齢が高くなって、民間の生命保険の保険料が高くなるような場合に、共済に見直すことで保険料負担が減らせるという効果があります。
例えば、子どもが独立し高額の保障が必要ないような場合は、民間の生命保険から共済に切り替えるという考え方もあります。
ただし、一生涯保障が必要な場合は、共済では対応できないこともありますので、よく比較することが大切です。

■生命保険選びでの注意点

 生命保険を選ぶポイントをよく理解することも大切ですが、選ぶときにはいくつかの注意点もあります。

1つ目が「生命保険会社をよく比較すること」です。
生命保険会社によって取り扱う保険商品が異なり、保障内容や保険料なども違います。
生命保険のなかで注目しておきたいのがネット保険です。
申し込みがネットで完結する保険で、保険会社としては人件費を削減できるメリットがあり、シンプルな保障内容や保険料が安く設定されていることが多いなどの特徴が見られます。
自宅にいながら簡単に加入することができるので若い人に人気で、保険料を安く抑えたい人にも注目されています。
保険会社を選ぶ際にはひとつに絞らず、何社か見積もりを出してもらい比較することが大切です。
自分の希望する保障内容や保険料の条件を満たしているか見比べてみましょう。

2つ目が「新しい情報を仕入れること」です。
保険を取り巻く環境は、常に変化しています。
以前はネット保険もありませんでしたし、人々が保険に求めるニーズも時代に合わせて変わってきています。
もし保険についてわからない言葉や情報が出てきたら、遠慮せずに保険会社に聞くことが大切です。
常に新しい情報にアンテナを張るようにして、自分の希望をカバーできるものを吟味しましょう。

3つ目が「自分の目的や時代の流れに合った商品であるかを見極めること」です。
適切な保険を選び出すためには、まず自分がどんなニーズを持っているか洗い出す必要があります。
保険会社を探す前に、自分が欲しい保障や万が一の際の必要額などを割り出しておくと良いでしょう。

4つ目が「乗合代理店を利用して相談するのも効果的であること」です。
保険商品の比較は複雑で、自分の条件を正しく満たしているのかをチェックするのは意外に難しいもの。
そういった個人のニーズに合わせて、多くの保険会社を包括的に仲介している代理店も増えてきました。
ファイナンシャルプランナーなど保険のプロが在籍していることも多く、自分の意向や要望を伝えることで的確なアドバイスをもらえることもあります。
自分で比較するのが難しかったり、保険についてよくわからなかったりする場合には、代理店に相談するのもひとつの手と言えるでしょう。 

■自分にぴったりの生命保険を見つけよう!

生命保険にはたくさんの種類があり、それぞれ加入する目的や年齢などによっても適しているものは異なります。掛け捨て型なのか積立型なのか、定期保険なのか終身保険なのか、加入する前にその違いや保障内容をよく押さえておくことが肝心です。
多くの保険会社が商品を用意しているので、どれが良いか見極めるのは大変ですが、必ず比較して自分のニーズに合ったものを選択することが大切と言えます。
また、自分にピッタリの保険を見つけるためには、商品の特徴をよく理解するのも重要なことです。
まずは、どんな保障内容が必要で、毎月どれくらいの保険料を払えるのかを洗い出し、自分の条件と適合するもののなかからベストな保険を選びましょう。

記事監修:高橋成壽(CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

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