ライフプランが多様化している昨今では自分の人生にまつわるお金について相談したいと考えている方は多いのではないでしょうか。

少し前は終身雇用制があり、結婚・出産・子育てなどを経て妻は専業主婦、夫は会社員として働きながらマイホームを購入するなど、ある程度、画一的な生き方が多かったものです。

しかし、昨今では共働きの家庭も増えて、ライフプランも多様化しています。 ライフプランに関する相談ができるのがファイナンシャルプランナーです。

今回はファイナンシャルプランナーに無料で相談できる内容と相談する際の注意点について解説します。

目次

1.ファイナンシャルプランナーとは

ファイナンシャルプランナーとは総合的に資金計画を建てることによって人生設計をしていく仕事です。ファイナンシャルプランナーは知識の幅が広く、総合的な提案ができます。

総合的な人生設計をするためには一分野を専門的に極めるだけでなく、資産運用、生命保険、年金など、あらゆる分野の知識を習得する必要があります。

ファイナンシャルプランナーは幅広い知識を駆使して、総合的に顧客に提案をしながら、場合によっては専門家と連携し、顧客のお金に関する課題を解決するための提案を行うのです。

ファイナンシャルプランナーは仕事の性質から顧客の話を聞くことが重要であると言われています。お金に関することは様々な選択肢がありますが、明確な正解があるわけではありません。

顧客の考えをよく聞いて、その考えに沿った提案を行う事が重要です。 そのため、ファイナンシャルプランナーは話す力だけでなく、聞く力が重要となるのです。

2.無料でファイナンシャルプランナーに相談できる内容

ファイナンシャルプランナーには無料で様々なお金に関することを相談できます。具体的にどのような相談ができるのかみていきましょう。

(1)家計管理

家計管理とは日々の収支を管理することです。収入は毎月の給料などのことで、支出は毎月支払った費用です。支出は固定費と変動費に分けることができます。

固定費は住宅ローンや家賃、スマホなどの通信費など、ある程度毎月支払うことが決まっている費用です。変動費とは毎月の外食費など変動する費用です。

ファイナンシャルプランナーに、どのような支出を減らすべきなのか、家計管理を相談することができます。

将来に向かって貯蓄をしたいと言う方や毎月赤字になってしまい家計管理ができないと言う方はファイナンシャルプランナーに家計管理を相談するとよいでしょう。

  • ・「どのように生活費を見直せば貯蓄をすることができるのか」
  • ・「自分の収入であればどれくらいの貯蓄額を目指すことができるのか」

という疑問や不安について、お金の専門家からアドバイスをしてもらえます。

(2)ライフプラン相談

フィナンシャルプランナーにはライフプランの相談をすることも可能です。

ファイナンシャルプランナーは幅広い知識を持ち総合的な提案をできる能力を持っているので、人生において発生するあらゆるイベントを想定することができます。

  • ・ 子どもの教育費
  • ・マイホーム購入
  • ・老後の生活設計

など、検討しておくべきことはたくさんあります。

イベントを迎えるにあたって10年後、20年後を見据えてお金を貯めておかないといけませんので、長期スパンでライフプランを検討しておくことが重要です。知識が豊富なファイナンシャルプランナーに相談することで、人生設計の一助になるでしょう。

特に近年では年金2,000万円問題が話題となってから、老後の生活資金について検討する方が増えています。老後資金は若いうちから少しずつ検討する必要があります。

このような人生設計を相談することで、お金に関する悩み減らすことができるため、よりよい人生を送ることができるでしょう。

(3)生命保険の加入・見直し

生命保険についてもファイナンシャルプランナーに無料で相談することが可能です。

生命保険とはあらゆるリスクを想定して加入します。多くの生命保険を契約すればするほどリスクに備えることができます。

しかし、生命保険に多く加入するとそれだけ多くの費用がかかってしまいます。そのため、過不足なく生命保険を契約することが重要となります。

ファイナンシャルプランナーに相談することで、現在の生命保険で備えることができているリスク、備えられていないリスクを整理して考えることができるため、生命保険をよりよい形に加入や見直しできるでしょう。

(4)マイホーム購入

マイホームは人生で最大の買い物です。マイホームを購入する際は家族構成や収入、将来の支出等も踏まえて購入する必要があります。

マイホームを購入する際は不動産だけでなく、税金の知識も必要です。幅広い知識を持つファイナンシャルプランナーに相談することで、あらゆる観点をふまえてマイホーム購入の相談をすることができます。

(5)住宅ローン

住宅ローンはマイホーム購入にあたってほとんどの人が契約をします。住宅ローンは数十年にわたって返済することになりますので、ライフプランを建てるうえで重要な契約です。

また、住宅ローンを契約する際に団体信用生命保険に必ず加入します。団体信用生命保険とは住宅ローンの契約者が死亡などによって住宅ローンが支払えなくなった場合に、残りの債務が免除される生命保険です。

団体信用生命保険を契約することで、元々自分で契約していた生命保険と保障内容がかぶってしまうこともあるので、生命保険の見直しも必要です。

(6)資産運用、まとまったお金の運用

資産運用やまとまったお金の運用についてもファイナンシャルプランナーに相談することができます。資産運用をする際に注意することはあらゆる資産に分散投資をするということです。

株や債券の専門家でも完璧に将来の値動きを予想することはできません。あらゆる資産に分散することで、リスクを分散することができます。

また、資産運用をする際はどれくらいのリターンを期待するかを決めておくことも重要です。

高いリターンを期待するのであれば、ハイリスク・ハイリターンの運用が中心となります。一方で、安全度を高く運用するのであれば、ローリスク・ローリターンの運用が中心となるでしょう。

ファイナンシャルプランナーと相談しながら運用方針を決めることで自分の考えにぴったり合った運用を行うことが可能です。

(7)iDeCoやつみたてNISAなど一般的な制度

ファイナンシャルプランナーにはiDeCoやNISAなどの一般的な制度についても相談することが可能です。

iDeCoとは個人型確定拠出年金のことで、毎月一定額を積み立てて将来受け取ることができる制度です。原則60歳まで引き出すことができませんが、掛け金は全額所得控除の対象となりますので、節税につながります。

運用益が全額非課税になる点もiDeCoの大きなメリットです。iDeCoに拠出したお金は投資信託などで運用することができますので、長期で資産運用をして資産を増やすことにもつながります。

一方のNISAは株や投資信託を年間120万円まで非課税で運用できる制度です。iDeCoのような所得控除にはなりませんが、いつでも解約できるため、iDeCoのように60歳まで解約できないと言う制限はありません。

iDeCoとNISAにはそれぞれメリットだけでなくデメリットもあるので、ファイナンシャルプランナーと相談して自分にあった制度を利用するとよいでしょう。

2.無料と有料の違いは?

無料のファイナンシャルプランナーと有料のファイナンシャルプランナーにはどのような違いがあるのでしょうか。双方の違いを確認しておきましょう。

(1)無料のファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーと無料で相談できると言う場合、どのように利益を得ているのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

無料のファイナンシャルプランナーはほとんどの場合、商品の販売によって手数料を得ています。 ファイナンシャルプランナーと相談の結果、運用商品や生命保険の契約に至った場合、契約金額に応じて手数料がファイナンシャルプランナーに入る仕組みです。

では、無料のファイナンシャルプランナーは商品の販売のためだけに活動しているかというとそうではありません。

ファイナンシャルプランナーは顧客の利益を最優先で考えて顧客から相談を受け、商品を販売します。 ファイナンシャルプランナーにとって商品の販売は顧客の課題を解決するための手段です。

相談は無料で受けることによって、多くの顧客の相談を受けることができるため、様々な商品を販売して顧客の課題を解決しているのが、相談無料のファイナンシャルプランナーの仕事内容です。

(2)有料のファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーの中には相談料が有料となる場合もあります。有料相談の場合、相談自体に費用がかかることになるため、より顧客目線に立った相談が期待できるでしょう。

有料のファイナンシャルプランナーは1時間1万円の相談料を受け取ってもなかなか生計を立てることができないと言われています。そのため、相談のうえでライフプラン表の作成など別の工程に入ると別料金が発生することも多くあります。

有料のファイナンシャルプランナーに相談したケースは状況が複雑で専門的な知識が必要なケースです。有料のファイナンシャルプランナーとして生計を立てることは難しいため、質の高いファイナンシャルプランナーが揃っています。

高度な課題を解決する必要があるケースでは有料のファイナンシャルプランナーへの相談を検討してみるとよいでしょう。

3.無料でファイナンシャルプランナーに相談する場合の注意点

ファイナンシャルプランナーに相談する場合にはどのような注意をしておけばよいのでしょうか。ファイナンシャルプランナーに相談する際の注意点について解説します。

(1)商品の販売につながる可能性がある

ファイナンシャルプランナーが無料で相談に応じてくれる場合、ファイナンシャルプランナーは商品の販売によって収益を得ている場合がほとんどです。そのため、何かしらの商品の販売をするために営業を行います。

例えば、生命保険の無料相談を行っているのであれば、生命保険の販売につなげる可能性があります。

つまり、ファイナンシャルプランナーが生命保険の販売員になっているということですので、ファイナンシャルプランナーは自分の利益のために商品を販売する可能性もあります。

ほとんどのファイナンシャルプランナーが顧客の利益につながるように商品を選択して提案していますが、ファイナンシャルプランナーの提案を鵜呑みにするのではなく、自分自身でも必要な商品化どうかを検討して契約する必要があります。

(2)知識が偏っているファイナンシャルプランナーもいる

ファイナンシャルプランナーは幅広い知識を持って総合的な提案を得意としています。

しかし、ファイナンシャルプランナーの中には知識が特定分野に偏っている人もいます。ファイナンシャルプランナーの知識はこれまでの経歴によって大きく左右します。

例えば、生命保険会社出身のファイナンシャルプランナーは生命保険に強い場合が多く、証券会社出身のファイナンシャルプランナーは資産運用に強い傾向があります。

自分が相談したい内容の分野の知識や経験を相談相手のファイナンシャルプランナーが持っていない可能性もあるのです。

全てのファイナンシャルプランナーが幅広い知識を持っているわけではないと言うことは認識しておくべきでしょう。このようなケースでは適切なアドバイスを受けることができない可能性があるため注意しましょう。

4.まとめ

ファイナンシャルプランナーは相談者の状況をヒアリングし、ライフプランなどを総合的に提案する職業です。無料で相談することもできますのでお金のことで相談したいことがある方は利用してみるとよいでしょう。

ただし、無料のファイナンシャルプランナーは商品の販売をすることで生計を立てています。提案される商品は本当に契約するべきか自分でもしっかりとないようを理解して、検討してから契約する必要があるでしょう。

また、ファイナンシャルプランナーの中には知識が偏っているファイナンシャルプランナーもいます。自分が相談したい領域とファイナンシャルプランナーの得意領域がずれていないかも確認しながら相談するようにしましょう。