子供から高齢者まで手軽な移動手段として
自転車を使う人は多いと思いますが、
乗り方を間違えるととんでもない事故を
引き起こす可能性があります。

近年自転車と歩行者の重大事故がふえていることから
自転車保険加入を義務化する自治体が増えています。
■ 自転車事故をおこしたら
自転車は道路交通法上軽車両となり、
相手にけがを負わせるような事故をおこしてしまうと、
刑事上の責任と民事上の責任を問われることになります。

民事上の責任では過去に加害者に9500万円もの
損害賠償金の支払いを命じられた例もあります。

また、重大な過失がある場合には刑事上の責任も問われます。

2017年12月に川崎市で起こった事故では
加害者に禁錮2年、執行猶予4年の判決も下っています。

被害者になっても、加害者になっても
取り返しのつかないことになりかねません。

事故を起こさないように安全運転を心がけることは
もちろんですが、事故へのリスク対応も準備しておく必要があります。

自転車の場合は自動車のように
強制加入の自賠責保険がありませんので、
自分で備えておかなければなりません。

■全国へ広がる自転車保険義務化の波

重大な自転車による事故のとき、
被害者のけがなどの補償と加害者の経済的負担を減らすために、
自治体によっては自転車の安全利用に関する条例により、
自転車保険加入への義務化が進んでいます。

2015年10月に日本で初めて兵庫県が義務化を発表し、
以来滋賀県、大阪府などが続いています。

2018 年では京都府、埼玉県、金沢市、相模原市など
全国で義務化が進んでいます。

もし自転車事故の加害者になってしまうと、
たとえ子供や学生であっても高額の
損害賠償を請求されることもあり、
加害者の経済的負担と、被害者の保護のために
今後も義務化していく自治体は増えて行くと考えられます。
■ 自転車保険とはどんな保険
自転車保険というのは、傷害保険と個人賠償責任保険が
セットになっている保険のことで、
事故で自分自身のけがで入院、通院した場合の治療費の補償と、
相手にけがを負わせてしまったときの損害賠償に備えた保険です。

例えば、全日本交通安全協会のサイクル安心保険は
毎月の保険料もわずか100円強で加入することができますが、
自分のけがへの補償はついていません。

過去の損額賠償の金額を考慮すると、最低でも1億円の補償は必要です。

自分のけがよりも相手への補償を重要に考えるのであれば、
個人賠償責任保険だけ加入してもいいでしょう。

個人賠償責任保険は、自転車での事故だけでなく、
日常生活の事故で人にけがをさせたり、
人の物を壊してしまったり法律上の賠償責任を負ったときも補償されます。

火災保険や、自動車保険、傷害保険の特約として加入することもできます。

■まとめ
通勤や通学で自転車を使うなど、
便利で身近な乗り物ですが、
乗り方を間違えると被害者も加害者も
取り返しのつかない事故になることもあります。

条例での義務化するからということではなく、
自分の身を守るためにも自転車保険、
もしくは個人賠償責任保険には加入しておくとよいでしょう。

執筆:黒須かおり