積立てNISAやiDeCo、企業型確定拠出年金、変額保険など、投資信託を買う機会が増えてきました。
制度の活用以外にも、定期預金が満期になり、銀行や郵便局で投資信託の提案をされたことのある方もいらっしゃるでしょう。
郵便局で投資信託というと、驚かれる方も多いのですが、最近の郵便局は、学資保険や終身保険以外にも、
保険会社の代理店としていろいろな生命保険を販売したり、投資信託の販売を行っているのです。

さて、本題の投資信託の見分け方なのですが、知識のあるなしに関わらず相当むずかしいと言えます。
というのも日本には6,000本以上の公募投資信託があり113兆円の資金が投資されています。
また6,000に近い私募投資信託があり、87兆円の資金を集めています。
つまり、12,000ものファンドがあり、200兆円の資産を運用しているということなのですが、
12,000の中から1つを選ぶことは事実上不可能です。

ですから、最適な投資信託を選ぶという発想を捨てる必要があります。

大切なことは、より良いと考えられる投資信託を探すことです。
ここで重要なことは、人気のある投資信託が必ずしも良い投資信託ではないということです。
実は、銀行や証券会社が気合を入れて販売すると、莫大な資金があっという間に集まります。
例えばAファンドを推奨販売するとなれば、あっという間に1兆円のお金を集めることもできるのです。

しかし、このAファンドが商品としていいかどうかは別問題。
あるのは、最も売れた投信信託で、人気ナンバーワンという事実です。
人気ナンバーワンの商品って心ひかれませんか?かつて民主党(当時)の蓮舫氏が事業仕分け「2番じゃダメなんですか?」と
発言するパフォーマンスがありました。
やはり人間ナンバーワンに惹かれます。日本で一番高い山は富士山です。二番目に高い山はどこでしょう?

自分の虎の子の財産ですから、人気ナンバーワンという安心感に乗っかって投資したいのです。
あわよくば増えて欲しい。しかしその思いは無残に打ち砕かれます。
人気ナンバーワンの投資信託≠投資家の資産を増やす投資信託ということなのです。

投資信託を買う場合は、ドルコスト平均法を使った積立がいいという話も一般的ですが、
これは営業側のセールストークであると心得ましょう。実は積立に向く商品と向かない商品があります。

例えば、価格変動の大きな株式投資信託であれば、積立の効果が出てくるでしょう。
一方で債券投資信託であれば、コツコツ貯める時間より、一時金で投資を行い、
金利を受け取り続けるという投資方法もあり得ます。

ただ、日本社会の流れとしては、積立投資が万能であるような話になっています。
加えて、iDeCoや積立NISAなどの制度を活用することで、節税になるという話もあります。
本来節税を目的として投資するのはいかがなものかと思うのですが(つまり、目的と手段を誤っているのでやめた方がいいのですが)、
販売が順調に進んだ方が良いわけですから、おのずとお勧めされるでしょう。

本来は節税効果ではなく、どれだけ増えたかという結果や効果を確認するべきです。
それには、過去の投資実績が必要です。過去にどんな危機を乗り越えてきたのか。
危機後に組成されたファンドのパフォーマンスがいいのは当たり前です。

その当たり前のパフォーマンスが悪い投資信託がたくさんあります。
直近ではリーマンショックがありますので、ファンドの存続期間としては10年以上が望ましいでしょう。
そのようなファンドの投資成果を確認して、より良い実績を残しているファンドを選ぶと良いでしょう。

時間がかかります。自分でやるしかありません。
まずは、ネット証券のホームページを見て、どんな商品があるのか確認するところから始めましょう。