農林水産省のH26年度「食品廃棄物等の利用状況」
によりますと、まだ食べられるのに廃棄されている食べ残し、
いわゆる「食品ロス」は、年間621万トン。

そのうち、約半分の282万トンは、家庭から出されている
食品ロスだそうです。

世帯別でみますと、高齢者や子供がいる大家族は、食品ロスが
比較的少ないのに対し、一人暮らしや若夫婦と子供等、
比較的人数が少ない世帯の方が食品ロスの総量が多いようです。

この食品ロスを少しでも減らせる、「フードシェアリング」という
画期的なサービスが誕生しました。

今回は、フードシェアリングについてご紹介したいと思います。

<フードシェアリングとは?>
フードシェアリングとは、自分では使わなくなったものや
賞味期限が迫っているけれど、まだおいしく食べられる
食材などを、必要な人にシェアするというもの。

フードシェアリング先進国のドイツでは、すでに個人間でも
フードシェアリング文化が根付いており、
「Foodsharing」(https://foodsharing.de/)というサイトに
自宅で余っている食材等の写真を掲載し、それを欲しい人が
いれば、自宅に取りに来てもらって、シェアできるそうです。

また、ベルリンの街中には公共の冷蔵庫があり、
まだ食べられるけれど不要な食材等をそこに入れて、
必要な人にシェアできるというサービスもあるそうです。

日本でも、ここ数年フードシェアリングが注目され、
主に飲食店で、閉店時間が迫っている等の理由で
廃棄される料理や食材を、必要な人に格安で提供する
というサービスに人気が集まっています。

■TABETE
https://tabete.me/top

フードシェアリング事業を行う、株式会社コークッキングが
運営する「TABETE」。

まだおいしく食べられるけれど、閉店時間や賞味期限などの
理由で食品ロスが発生しそうな登録店舗が、
食品や料理の情報をお得な価格でTABETEに掲載。

その情報を見たユーザーがネット上で決済し、期限までに
そのお店に取りに行って食品を救い出す(レスキューする)
というもの。

「ユーザーよし」「お店よし」「環境よし」と、みんなが
ハッピーになれる「三方よし」のフードシェアリングサービス
です。

2018年8月26日現在、フランス料理店で、おいしそうな桃の
コンポートが1,000円→600円でレスキュー待ちをしていました。
夕方~夜にかけて、レスキュー待ちのお料理が増えるようです。

登録店舗は、東京都内のお店が多いので、会社帰りに
受け取ってそのまま食卓へというのも、忙しい主婦や
一人暮らしの会社員の心強い味方になってくれそうですね。

■Reduce Go
https://reducego.jp/

Webサイト制作やフードシェアリングサービスを行う、
SHIFFT株式会社が運営する「Reduce Go」。

こちらもフードシェアリングサービスで、先ほどご紹介した
TABETEが、その都度払いなのに対し、Reduce Goは
月額1,980円と定額制となっています。

周辺のお店を探し、毎日2回まで注文可能。
また、利用料金の2%が社会活動団体へ寄付されます。

一人暮らしの忙しい会社員の方等にありがたいサービスですね。

上記2サイトは、主に東京都内の飲食店での料理提供ですが、
食材を提供するフードシェアリングサービスもあります。

■KURADASHI.jp
https://www.kuradashi.jp/

KURADASHI.jpは、お買い物を通して様々な
社会貢献団体への支援ができ、気軽に継続的に社会貢献が
できるショッピングサイトです。

たとえば、2018年8月26日現在、
某大手ハムメーカーの無塩せきの冷凍切り落としハム2㎏が、
定価8,000円(税抜き)→3,500円(税抜き)と半額以下の
価格です。

このうち、110円は国際WFP協会に寄付されます。
(※別途、送料540円)
賞味期限も2018年11月1日で約2か月の期限が
ありますので、大家族でしたら、消費可能ではないでしょうか?

また、おしゃれな雑貨店などでも取り扱っている、
フェアトレードのPeople Treeの板チョコも3種類の
アソートが計22枚入って、
定価7,700円(税抜き)→2,760円(税抜き)と、
とてもお買い得になっています。

このうち、80円は一般社団法人 障がい者自立推進機構に
寄付されます。(※別途、送料540円)
こちらも賞味期限が、種類によって
2018年10月1日~2019年4月16日と比較的余裕が
ありますので、ママ友と共同購入するのも良いですね。

月額540円のプレミアム会員に登録すると、どの商品を
何個でも何回でも送料が無料になるそうです。

フードシェアリングサービス3社についてご紹介しましたが、
社会貢献できる「フードバンク」というシステムもあります。

<フードバンクとは?>
■フードバンク かながわ
http://www.fb-kanagawa.com/index.html

フードバンクかながわは、個人や団体・企業に
まだ食べられるのに廃棄されてしまう食糧の提供して
もらい、支援を必要としている人に、非営利団体を
通じて、適切に食料を配る「フードバンク」
システムを運営しています。

もし、ご自宅に余っている賞味期限残2か月以上の
常温管理可能食品やお米(精米・玄米)等がありましたら、
フードバンクを通じて、社会貢献するのはいかがでしょうか?

以上、フードシェアリングサービス、ならびにフードバンク
サービスについてご紹介しました。

食品ロスの目をご自宅に向けてみると、
ご自宅の冷蔵庫や冷凍庫の中に、期限切れの
ヨーグルトや鶏肉が眠っていないでしょうか?
セール品だったから…
まとめ買いでおトクだったから…

誰でも一度は経験があると思います。

ご自宅の食品ロスを減らすことは、環境はもちろん、
家計も改善します。

多少割高になっても使い切れる分だけ購入する、冷蔵庫の
中身を把握する、ストックバッグに購入日を記載するなど
基本的なルールから見直してみましょう。
食品の無駄をたった10%の改善をするだけでも、長いスパンで
みると、結構まとまった金額になるかと思います。

今、ご自宅の冷蔵庫からできる、環境&家計改善を
一緒に始めましょう!

執筆担当:山崎美紗(日本FP協会 認定CFP)