ライフプランシミュレーションの作成は、将来の家計を見通し、安心した生活を送るために欠かせないプロセスです。ファイナンシャルプランナーの資格を取得する際の提出課題となるライフプランシミュレーション。しかし、どのように作成すれば良いのか、具体的なステップや注意点を知っている人は少ないかもしれません。本記事では、ライフプランシミュレーションを効果的に作成するためのポイントを解説します。

目標の明確化

ライフプランシミュレーションを始めるにあたって最も重要なのは、「そもそも何がしたいのか」「ライフプランシミュレーションを通じて何を知りたいのか」明確な目標を設定することです。

短期、中期、長期の目標を設定し、それぞれに必要な金額を具体的に見積もることで、計画がより現実的になります。たとえば、「10年後に住宅を購入したい」「子供の大学進学に備えたい」といった目標を持つことが、シミュレーションの第一歩です。

短期目標:適切な貯蓄額を確認したい。毎月の貯蓄を継続したい。家を買いたい。

中期目標:子どもが生まれたので教育資金を準備したい。●年後に家を買いたい。●年後に定年を迎える。

長期目標:定年までに●●万円貯めたい。老後資金の他に介護資金も準備したい。

いずれもライフプランシミュレーションを作成する課程で資金が必要になるタイミングと必要額が明らかになります。

現状の家計を把握しよう

現在の家計状況を正確に把握することは、シミュレーションを正しく作成するための基本です。収入と支出、資産(金融資産、不動産)と負債(住宅ローン、奨学金)をリストアップし、現状の経済状況を確認しましょう。この作業により、無駄な支出を発見したり、今後の計画に必要な見直しを行うことができます。

支出の管理については、手書きでもアプリでもエクセルでも構いませんが、漏れなく正確に把握することが重要です。また、FPに相談する場合は手書きだと書いた人にしか理解ができませんので、一度アプリかエクセルに入力する方が今後の改善が用意です。

将来の収入・支出を予測する方法

ライフイベントに応じた収入と支出を予測することは、シミュレーションにおいて重要な要素です。昇給や退職、子供の進学といった将来の変化を見込んだ上で、現実的な予測を行いましょう。また、老後の生活費や医療費など、見落としがちな費用も含めることが大切です。

コロナ禍やウクライナの問題で物価が上昇しています。物価上昇を反映しつつ、給与も増える試算が必要です。

インフレ率と投資利回りを設定する

将来の計画を立てる際には、インフレ率や投資利回りを考慮することが必要です。インフレ率を設定することで、将来の物価上昇に対応した計画を立てることができます。また、投資を行っている場合は、期待される利回りを設定し、資産形成のシミュレーションを行うと良いでしょう。

インフレ率は最低2%、経産省の試算では3.5%を基準に考えましょう。ゼロ%は将来を甘く見積もることになるのでお勧めできませんが、始めに作る場合は「現状把握」目的でインフレ率をゼロ%にすることで、今の物価水準で将来の見通しが立てられますので、たたき台として作成する場合はインフレ率がゼロ%でも問題ありません。

投資利回りは、普通預金、個人向け国債、米国債、全世界株式やS&P500の利回りを入力しましょう。例えば、普通預金0.1%、個人向け国債0.5%、米国債4%、全世界株式8%、S&P500は10%としてみてはいかがでしょう。

リスク管理で不測の事態に備える

失業や病気など、予測できないリスクに備えるために、予備費を確保し、保険を見直しましょう。また、予期せぬ離職や重い病気、障害など複数の可能性を検討することで、最悪の状況において、保険を含めどのような対策が取れるのか、対策できないのかを知ることも大切です。標準、最良、最悪それぞれに対応する計画を立てることが大切です。

定期的に見直し、計画を最新に保つ

ライフステージの変化や経済状況の変動に応じて、シミュレーションを定期的に見直すことが重要です。節目となる結婚や子供の誕生、転職など、人生の大きなイベントが発生した場合には、計画を更新し、目標を再設定しましょう。また、金利の変動や市場の状況に応じて、投資方針を見直すことも必要です。

専門家に相談する

ライフプランシミュレーションをより精度高く行うためには、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することが有効です。ファイナンシャルプランナーはシミュレーション作成ソフトを利用しているため、エクセルで自作したりマクロを組んだりする必要がありません。専門家のアドバイスを受けることで、計画がより現実的で持続可能なものとなり、将来の安心を確保することができます。

FPもピンキリといいますか、レベルと質が人により異なりますので、自分にあったFPを探すことは少し骨が折れそうです。FPを自分で探したい人は、日本FP協会のCFP検索システムがおすすめです。有料相談が前提となりますが、FPごとの専門分野含めてかなり細かく比較することができます。

まとめ

ライフプランシミュレーションは、将来の家計を見通すための大切なステップです。目標を明確にし、現状を正確に把握し、将来の予測を立てることで、安心して生活を送るための基盤を築くことができます。また、定期的な見直しと専門家のサポートを活用することで、計画がより確実なものになります。今すぐ、あなたのライフプランシミュレーションを始めてみましょう。