昨今のペットブームで、ペットを飼う人が増えています。
一般社団法人 ペットフード協会の平成30年度「全国犬猫飼育実態調査の結果」によりますと、全国のペット飼育数は、犬890万3000頭、猫964万9000頭、犬猫合計1855万2000頭となっております。
ペットを飼うには、それなりにお金がかかります。
それでは、実際、ペットを飼うにはどのくらいの費用がかかり、キャッシュフローにどのような影響を与えるのでしょうか?
確認していきましょう。
ペットの飼育費用はいくら?
ペット保険を扱う、アニコム損害保険株式会社が2018年に調査した、「1年間でペット(犬・猫)にかけた費用」によりますと、1年間で犬にかかる費用は下記になります。
■1年間の犬の飼育費用はいくらかかる?
病気やケガの治療費:70,358円
フード・おやつ:57,220円
サプリメント:24,355円
しつけ・トレーニング料:53,928円
シャンプー・カット・トリミング料:47,653円
ペット保険料:49,464円
ワクチン・健康診断等の予防費:30,534円
ペットホテル・ペットシッター:21,623円
日用品:14,774円
洋服:14,994円
ドッグランなど遊べる施設:11,990円
首輪・リード:7,261円
防災用品:5,473円
交通費:42,060円
光熱費(飼育に伴う追加分):28,733円
※有効回答数:2044人のアンケート結果に基づく
1年間の犬の飼育費合計額:480,420円
この金額は、小型犬か大型犬かによっても金額が大きく変わり、小型犬で約42万円、大型犬で約75万円というアンケート結果もでています。
ただ、上記の費用項目で、しつけやトレーニング料、ペット保険、ペットホテル、ドッグラン使用料、防災用品等の項目等、多数が利用していないと思われる項目も含まれているので、それらを差し引いたとしても、犬の飼育には年間約24万円程度はかかります。
次に、猫を1年間飼育する費用はいくらかかるでしょうか?
■1年間の猫の飼育費用はいくらかかる?
病気やケガの治療費:40,356円
フード・おやつ:43,205円
サプリメント:14,034円
しつけ・トレーニング料:―
シャンプー・カット・トリミング料:7,644円
ペット保険料:31,694円
ワクチン・健康診断等の予防費:13,489円
ペットホテル・ペットシッター:17,487円
日用品:13,930円
洋服:3,006円
ドッグランなど遊べる施設:―
首輪・リード:3,674円
防災用品:4,697円
交通費:12,795円
光熱費(飼育に伴う追加分):25,439円
※有効回答数:484人のアンケート結果に基づく
猫の飼育費1年間の合計額:231,450円
犬の飼育費用同様、しつけやトレーニング料、ペット保険、ペットホテル、ドッグラン使用料、防災用品等の項目等、多数が利用していないと思われる項目を差し引いたとしても、猫の飼育には年間約13万円程度はかかります。
ペットの飼育費用がキャッシュフローに与える影響とは?
最後に、ペットの飼育費用が家計のキャッシュフローに与える影響についてご紹介しましょう。
上記で、ペットを飼う際の年間飼育費用をご紹介しましたが、これからペットを飼う方はペット購入費に加え、初期費用も発生します。
■ペット購入費、初期費用はいくら?
ペット購入費は、種類や年齢によっても金額が大きく異なりますが、5~10万円から、高いものでは50~60万円のペットも。
その他、初期費用は、混合ワクチン、狂犬病予防接種、マイクロチップ埋込代
自治体への登録費用、グッズ代等で5万円程度かかります。
■ペットの平均寿命は?
ペットの平均寿命は、種類や大きさによっても異なりますが、小型犬で14歳程度、大型犬で13歳程度になります。
また、猫の平均寿命は、16歳程度と言われています。
■ペット飼育がキャッシュフローに与える影響とは?
上記の情報を元に、30万円の小型犬(平均寿命14年)を飼うと仮定して、ペット飼育の総額を計算しますと、14年間で371万円となります。
【内訳】
・ペット購入費:30万円
・初期費用:5万円
・毎年かかる費用:24万円×14年= 336万円
その他、ペットホテルに預けたり、突発的な病気やけが等の可能性もありますので、実際はもう少し費用がかかる可能性もあります。
今回は、ペット飼育費用がキャッシュフローに与える影響についてご紹介しました。ペットの飼育費用が家計に与える影響は、決して少なくありません。生き物の命を預かり、経済的にも最後まできちんと責任を持てるかをよく考えた上でペットを飼いましょう。
文:山崎美紗
ファイナンシャルプランナーCFP®
FP1級技能士、整理収納アドバイザー