2019年5月の「年金2000万円問題」をきっかけに、将来の年金に興味をもたれた方も多いのではないでしょうか?
実際、Ideco(イデコ)の申込数も5月以降増加し、7月末のイデコ加入者数は
前年同月比34%増の131万1045人。
今後も増えていくとみられています。(※国民年金基金連合会による調査)
今回は、金融機関や投資商品を選ぶ基準になり得る「投資信託の成績表」についてご紹介したいと思います。
<投資信託の成績表とは?>
個人投資家が金融機関や投資商品を選ぶ目安になりそうな投資信託の成績表
「成果指標(KPI)」が、2018年より金融機関全社で開示されるようになりました。
成果指標(KPI)とは、いわば、金融機関成績表のようなものになります。
設定から5年以上経つ投資信託に対して、投資家の何割が得して何割が損したかを金融機関ごとに公表したものです。
それでは、投資信託の成績表をご紹介したいと思います。
■投資信託の成績トップ10は?
含み益のある顧客比率が高い金融機関上位10行は以下の通りです。
1. コモンズ投信
2. レオス・キャピタルワークス
3. セゾン投信
4. 丸三証券
5. ソニー銀行
6. 野村証券
7. SMBC信託銀行
8. 秋田銀行
9. 静岡銀行
10.新生銀行
上位3位を独占したのは、大手金融機関ではなく、独立系の投信会社になります。
1位のコモンズ投信は、顧客の実に98%が含み益を出しています。
また、「ひふみ投信」を運用する2位のレオス・キャピタルワークスの顧客の含み益は91%。
上位3行は、いずれも投資信託をインターネットで販売する「直販」会社に
なります。
それでは、成績の良し悪しを決める要因とは何でしょうか?
■好成績の要因とは?
1. 金融機関が扱う商品内容
独立系や証券会社が扱う投資信託は株式を組み入れていることが多く、ここ数年の株高の影響もあり、含み益が増したと考えられています。
一方、大手金融機関では、リスクが低めの債券型投資信託を選ぶ顧客が多く、必然的に含み益が少なくなったと考えられています。
2. 投資方法の違い
投資方法の違いも成績に影響を与えています。
1位のコモンズ投信によりますと、コモンズ投信では79%の顧客が積立投資を
しており、含み益がマイナスになっている顧客は一括で購入した顧客に多いとの事です。
一方、売却も成績に影響を与え、17位のマネックス証券、27位のカブドットコム証券は含み益が30%以上の顧客が少ないのが特徴で利益が出たらすぐに利益確定して売却してしまうのが要因であると考えられています。
金融庁 HP
販売会社における比較可能な共通KPIの
傾向分析
https://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20170728/bunseki2.pdf
今回は、投資信託の成績表についてご紹介しました。
Ideco(イデコ)で投資商品を選ぶ際には、上記の金融機関の成績表をある程度
参考にしながら、長期でコツコツと積立をしていくという投資スタンスが成功へのカギといえるでしょう。
(文:山崎美紗)