これからの時代に求められる能力やスキルとはどのようなものでしょうか?
2020年から行われる新しい教育改革で文部科学省は、今後、子供の育成すべき資質や能力を「3つの柱」として掲げました。
「3つの柱」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
また、どのようなスケジュールで教育改革が予定されているのでしょうか?
詳しくご紹介していきましょう。
<教育改革の目的と変更点は?>
社会や時代の変化とともに、今後の社会で求められる人材やスキルも変化してきています。
文部科学省が考える、「これからの時代に求められる人材やスキル」をご紹介していきましょう。
■これからの時代に求められる人材やスキルは?
これからの時代に求められる人材やスキルは大きくわけて次の3つになります。
① 幅広い視野や深い知識、高い志や意欲をもち、個性や能力を活かしながら何が重要かを主体的に判断できる人
② 自分の意見に明確な根拠を示しながら他人に説明することができ、多様な人々と協働できる人
③ 自ら課題を見つけ、解決方法を考え実行できる人
文部科学省は主に、上記の3つの能力を要する人材を育成する目標を掲げました。
その目標を達成するための教育方針をまとめたものが「3つの柱」になります。
■「3つの柱」とは?
① 個別の知識・技能の向上
何を知っていて、何ができるか?
基礎的な知識や技能を着実に獲得しながら、様々な場面で活用できることを目指す
② 思考力・判断力・表現力を養う
知っている事、できる事をどう使うか?
他者の多様な考え方に共通点、相違点をみつけ、課題を発見し、それを解決するための思考力、判断力、表現力を養う
③ 学びに向かう力、人間性等を養う
どのように社会・世界と関わり、より良い人生を送るか?
リーダーシップやチームワークを重視し、主体的に学習に取り組み、学びに向かう力を養う。
以上の3点が文部科学省が掲げる、人材育成の「3つの柱」になります。
今後さらに、「主体的に他者と協働する力」が求められるので、授業内容も変化していくことが予測されます。
これまでの教員による一方通行の授業から、グループワークやディベートを多く取り入れ、生徒自身が、より主体的、能動的に授業に参加できる「アクティブラーニング型の授業」に移行する予定です。
そして、論理的思考を養うため、小学校でのプログラミング教育も必修化されます。
小学5、6年生から英語が「教科」になり成績(数値による評定)もつきます。
また、中学・高校の英語の授業は英語で行うことを基本とします。
それでは、今後、上記の教育改革がどのように導入されていくのでしょうか?
教育改革導入スケジュールをみていきましょう。
<教育改革スケジュールは?>
■2018年
新学習指導要領 移行措置スタート
■2019年
高校生のための学びの基礎診断 実施
高校段階における生徒の基礎学力の定着度合いを、基礎学力から思考力・判断力・表現力まで総合的に測定
■2020年
新学習指導要領 小学校で全面実施
大学入学共通テスト 実施
大学入試に英語の外部試験導入
新学習指導要領を踏まえて教科書も改訂
小学校⇒中学校⇒高校の順に変更実施。
センター試験が廃止され、大学入学共通テストが導入されます。知識や技能だけでなく、国語や数Ⅰで記述問題も導入予定。
英語の「書く」「読む」「聞く」「話す」の4技能を総合的に判断するために、大学入試に英検やTOEICを導入し合否判定を行う。
■2021年
新学習指導要領 中学校で全面実施
■2022年
新学習指導要領 高校で実施
■2024年
新学習指導要領での入試初年度
今回は、今後の教育改革の内容やスケジュールについて、ご紹介しました。
2020年からはじまる戦後最大の教育改革。
親御さんも自分の子供の頃とは違う教育改革にとまどいや不安もあるかと思いますが、情報をきちんと取捨選択し、親子一緒に主体的に能動的に学んでいきましょう。
(文:山崎美紗)