厚生労働省は令和元年6月7日、1人の女性が生涯に産む子供の人数にあたる、合計特殊出生率を発表した。
合計特殊出生率は1.42となり、3年連続低下したこととなる。
政府の掲げる目標である1.8に届かないばかりか、目標から大きく後退している。
ライフプラン設計においては、どのような影響があるのだろうか。
ライフプランの窓口認定ファイナンシャルプランナーが解説する。
■少子化で進む、親の教育費負担増
少子化が進み、1人の子供にかけられる教育費の負担が増えることから、1人当たりの教育費が増えるというのが、ライフプラン界隈、ファイナンシャルプランナー業界の常識だ。
しかし、ライフプランの窓口の恐れている事態は、単なる1人当たり教育費の増加ではない。
それは、日本政府つまり国の予算において教育関連の予算が減らされる事である。
国や自治体が実施する教育関連予算は、知事や市区町村長や議会が決定している。
自治体のトップと議会は政治家で構成されており、政治家を選出するのは、私たちの投票行動で、誰に1票入れるか、入れないか。
そもそも選挙に行くか、行かないかという事から始まる。
20代前半の選挙投票率は20%台、
20代後半から30代前半で30%台。
30代後半から40代前半で40%台。
40代後半から50代前半で50%台。
50代後半から60代前半で60%台。
60代後半から70代前半で70%台。
絶対に3割は選挙に行かないようだが、誰に対して、どの年代に対して政策を訴えれば、1票を入れてもらいやすいかは明白だ。
この結果、子ども関係予算は減らされる。
高齢者予算は増えていく。
いつの間にか子育てしにくい環境ができていく。
そして、もとに戻れなくなっていく。
子どもを2人産みたい、3人育てたい。
私たちは人生のささやかな夢を叶える手伝いをしている。
しかし、どう頑張ってもあらがえない波もある。
無計画に子供を産み育てると、結果として子供に十分な教育機会を提供できない可能性が出てくる。
そのようなことがわかっていたら、子どもを産み育てたいと思うだろうか。
賢い人は、もうわかっているのだ。
だから、子どもの数が増えない。
この国への不信や不安が、少子化の根底にあるように感じる。
しかし、まだ何とかする方法もある。それがライフプランを作ることだろう。
国に頼れない資金準備は、長期計画で自分で準備するしかないのだ。
国にも、自治体にも、親にも頼れないから、子どもへの責任は親が負う必要があるのだ。
選挙に行って投票することが、これほど大事だと感じたことは無い。
あなたの行動が、私たちの行動が、子どもたちの未来を形作っていく。
ライフプランの窓口は、子どもの未来を、夫婦の未来を応援しています。
執筆:高橋成壽(ライフプランの窓口 事務局 CFP)
-東洋経済オンライン レギュラー執筆者(2017年~)
https://toyokeizai.net/list/author/%E9%AB%98%E6%A9%8B+%E6%88%90%E5%A3%BD
-サンケイビズ(SankeiBiz)お金で損する人・得する人 連載(2019年~)