昨今、7人に1人が貧困状態にあるという日本のこどもたち。
そんな経済的理由で就学が困難な優れた学生が安心して学べるよう、
学費を「貸与」もしくは、「給付」する制度が「日本学生支援機構の奨学金」です。
国の教育ローンは、原則、親が教育資金を借りるのに対して、
日本学生支援機構の奨学金は、子供が借りるものです。
奨学金には「貸与型」と「給付型」の2種類があります。
そして、貸与型には、無利息で借りられる「第一種」と
利息を支払う「第二種」とがあります。
<貸与型 第一種(無利息)>
・対象・・・国内の大学院、大学、短期大学、高等専門学校、
専修学校(専門課程)に在学する学生・生徒
・選考・・・特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく就学困難な人
・貸与額・・・国公立・自宅通学-月額3万または4.5万円、
国公立・自宅外通学-月額3万または5.1万円、
私立・自宅通学-月額3万または5.4万円、
私立・自宅外通学-月額3万または6.4万円
・返還方式・・・定額返還方式(貸与総額に応じて月々の返還額が算出され、
返還完了まで定額で返還する制度)もしくは、
所得連動返還方式(前年の所得に応じてその年の毎月の返還額がきまる。
毎年の所得に応じて返還月額が変わるため、返還期間は定まらない)
・学力基準・・・高等学校または専修学校高等課程の1年から
申し込み時までの成績の平均値が3.5以上、高等学校卒業程度認定試験もしくは
大学入学資格検定に合格した人、または科目合格者で機構の定める基準に該当する人
・家計基準・・・収入所得の上限額の目安
世帯人数3人の場合、給与所得者657万円給与所得以外286万円
世帯人数4人の場合、給与所得者747万円給与所得以外349万円
世帯人数5人の場合、給与所得者922万円給与所得以外514万円
<貸与型 第二種(利息を支払うタイプ)>
・対象・・・国内の大学院、大学、短期大学、高等専門学校(4.5年生)、
専修学校(専門課程)に在学する学生・生徒
・利息・・・年3%を上限とする利息を支払わなければならない。在学中は無利息。
・選考・・・第一種奨学金よりゆるやかな基準
・貸与額・・・5種類の貸与月額から自由に選択できる。
大学の場合、月額3万、5万、8万、10万、12万円から選べる。
・学力基準・・・高等学校または専修学校(高等課程)
における学業成績が平均水準以上、大学における学習に意欲があり、
学業を確実に修了できる見込みがある人
・家計基準・・・収入所得の上限額の目安
世帯人数3人の場合、給与所得者1,009万円給与所得以外601万円
世帯人数4人の場合、給与所得者1,100万円給与所得以外692万円
世帯人数5人の場合、給与所得者1,300万円給与所得以外892万円
次に、返還義務のない<給付型>です。
・対象…平成30年度に大学(学部)、短期大学、
専修学校(専門課程)に進学を予定している人、
および高等専門学校3年次から4年次に進級する予定の人であって、
以下の①又は②のいずれかに該当する人
①住民税非課税世帯もしくは生活保護家庭
②社会的養護者を必要とする人
・給付月額・・・国公立・自宅通学-2万円、
国公立・自宅外通学-3万円、
私立・自宅通学-3万円、
私立・自宅外通学-4万円
以上、日本学生支援機構の奨学金の概要についてご説明しましたが、
いかがでしたでしょうか?経済的に進学が難しいご家庭でしたら、
親が借入をする「国の教育ローン」よりも先に
日本学生支援機構の奨学金を検討してみることをおすすめします。