その1は妊娠中のサポート、出産前後のサポートとして、出産育児一時金と児童手当について、その2は出産手当金、育児休業給付金、社会保険料の免除、その3は国民保険料の免除や公的医療保険の適用ついてお伝えしました。
今回はその他の制度についてお伝えします。
■忘れると損をする制度
●医療費控除
医療費控除は毎年1月から12月までの医療費の自己負担額が10万円を超えた場合に、確定申告をすることで、所得税を取り戻したり、住民税を減らすことのできる制度です。
妊娠や出産のタイミングでは、様々な費用がかかりますので、検査や出産時の費用の明細・領収証などは大切に保管しておきましょう。
具体的には、その年の医療費を翌年の2月から3月の所得税の確定申告の、タイミングで確定申告書を提出します。
提出書類の中に医療費控除が含まれ、医療費の明細を提出します。
※インターネットで申告することも可能です。
出産関係の費用だけでなく、歯の治療や日常の通院費用なども含めて、医療費の総額が所得控除の対象となりますので、年末年始に治療する際は、どちらに受診するかを考えておくとよいでしょう。
医療費が高額になったとしても、高額療養費の利用や、民間の生命保険や共済の
入院給付金、手術給付金など受け取った金額は医療費から控除(マイナス)します。
但し、産前産後休暇中の出産手当金や育児休業給付金は、所得補てんの意味合いがありますので控除の対象とはなりません。
医療費控除は妊娠や出産にかぎらず、毎年利用ができますので、医療費の明細は大切に保管し、10万円に満たない場合は破棄するなど、家庭でルールを決めておくと良いでしょう。
●ハローワークにおける失業給付の延長制度
妊娠、出産、育児を理由に退職した場合、雇用保険の失業給付の対象とはなりません。
ただし、あらかじめハローワークで手続きをしておくと、育児がひと段落して就職活動を開始した際に、失業給付を受け取ることができる可能性があります。
具体的には、受給期間の延長申請という手続きを行うことで、妊娠、出産、育児を終えて求職活動を再開できるタイミングまで、失業給付の申請を後に移動させるという方法です。
適用条件が複雑なため、妊娠、出産、育児を理由に退職した方は、ハローワークに相談されると良いでしょう。
執筆:ライフプランの窓口 事務局 高橋成壽