あなたは自分の人生に必要なお金を知っていますか? 将来どのくらいのお金がかかるかを知っているかどうかで、人生は大きく変わります。必要なお金を知らない方は、将来設計シミュレーションで計算をしてみましょう。
1.将来設計シミュレーションとは?
将来設計シミュレーションとは、その名の通り、将来のお金やライフプランを計算してくれるシミュレーションです。
具体的に説明すると、人生の目標や将来起こるであろうライフイベントを加味して、どのくらいお金が必要なのか、毎年の収支はどうなるのかをシミュレーションすることができます。
シミュレーションを行うのに必要なのは、将来または現在の家族構成や収入、貯金、計画などです。多くの団体がシミュレーションを提供していますが、どれも簡単な入力だけで診断することができます。興味がある方はぜひ一度挑戦してみてください。
2.色々なシミュレーションがある
将来を設計できるシミュレーションは、数多くの団体が提供しています。ここでは、以下の6つのシミュレーションの特徴をご紹介します。
・日本FP協会
・金融庁
・全国銀行協会
・リクルート
・松井証券
・金融広報中央委員会
いずれのシミュレーションも簡単に行うことができます。複数のものを試してみて、結果を見比べてみるのも良いでしょう。
(1)日本FP協会
日本FP協会が提供する「ライフプラン診断」は、9つの質問に答えるだけで将来の家計を予測してくれるツールです。結果は10,000パターン以上から出るので、自分にあった結果も出やすいでしょう。
結果はグラフで確認できます。グラフ内にコメントやアドバイスが書いているので、ライフプランについての知識がない方でも直感的に理解しやすいです。
9つの質問は以下の通りです。
・年代と性別
・職業と退職金の有無
・配偶者の有無と職業
・子供の人数
・額面の世帯年収
・月々の生活費
・住居にかかる費用
・貯蓄額
質問は全て選択式なので、手軽に答えられるでしょう。
結果の最後にはファイナンシャルプランナーからのアドバイスももらえます。気をつけた方が良いことや準備した方が良いことなどを知ることができます。
(2)金融庁
金融庁の「ライフプランシミュレーション」は。日本FP協会の了承を得て同協会の「ライフプラン診断」を参考にして作成したものです。なので、日本FP協会と似たような結果が出るかもしれません。
質問は全部で12問あり、日本FP協会のものとほとんど同じです。結果はグラフで出ますが、日本FP協会のものと異なりグラフ中にコメントやアドバイスはありません。
ただし結果全体に対するアドバイスはあるので、少しでも多くの意見を聞いてみたい方にはおすすめです。
(3)全国銀行協会
全国銀行協会が提供する「ライフプランシミュレーション」には「きほんシミュレーション」と「くわしくシミュレーション」の2種類があります。いずれも、ファイナンシャルプランナー歴20年のベテランの先生が監修しています。
初めての方は「きほんシミュレーション」で将来について大まかに把握するのが良いでしょう。さらに詳しく知りたい方は「くわしくシミュレーション」で細かいライフプランを確認するのがお勧めです。
「きほんシミュレーション」では
・年齢
・年収
・貯蓄額
・配偶者の有無と年齢
・子供の人数と進路
・マイホームについて
・自分の性格
の6項目を入力するだけで結果が出ます。結果は、横軸を年齢、縦軸を収支や貯蓄などの金額としたグラフで出るので、ライフプランについて詳しくなくても理解しやすいです。ファイナンシャルプランナーから、定年退職前と後に分けた2種類のアドバイスももらえます。
「くわしくシミュレーション」では
・年齢
・年収
・貯蓄額
・配偶者の有無と年齢
・子供の人数と進路
・マイホームについて
・マイカーについて
・海外旅行の希望
・その他大きな出費
・自分の性格
・退職する年齢
・老後の収入(年金額)
・老後の生活費
を入力します。
「きほんシミュレーション」と比べて、詳しく入力できる項目が多いのが特徴です。配偶者の年齢や子供の年齢なども詳しく入力することができます。自分の性格についても浪費至向なのか倹約志向なのかを知ることが可能です。
結果は「きほんシミュレーション」と同じくグラフで出ます。アドバイスも同じようにもらえるので、今後の参考にすることができるはずです。
(4)リクルート
リクルートが提供している「iction!みらい家計シミュレーション」は、5分で診断できるサービスです。将来必要になるお金をグラフでイメージできるので、初めてライフプランを考える方にもオススメです。
診断は3ステップで進みます。まず、
・配偶者の有無
・子供の有無
・年収
・貯金
・生活費
など現在の状況を入力します。その次に子供の教育費を選択して、最後にマイホームや車などの大型支出を入力します。
診断結果には65歳時点での貯金額が載っています。65歳までにどれくらいお金がかかるのかが一目でわかるので、将来のお金についてイメージしやすくなるでしょう。
(5)松井証券
松井証券が提供している「将来シミュレーター」は、ゲームのように選択するだけで人生の収支を知ることができるツールです。金融工学のプロが監修しているので信頼性もバッチリです。
シミュレーターに自分の情報を入れると、自分のライフイベントのタイムラインが完成します。ライフイベントごとにどの程度のお金を使うか選択していけば、最終的に人生の総収入と総支出が一目でわかるのです。
最初の入力項目は以下になります。
・性別
・年齢
・結婚の有無
・配偶者の年齢
・子供の有無や人数
・職業
・年収
・退職金
・貯金額
・住居に関する支出
・生活費
・毎月の保険料
・毎月投資金額
これらの項目を入力するとタイムラインが表示され、各イベントごとにかかる費用を選択することができます。例えば結婚をするのなら、結婚費用は人並みに使うのか盛大に使うのかを選択することができます。子供についても、進学先は公立か私立か、習い事、学習塾にかかる費用など細かく選べます。
さらに、詳しく設定したい方向けに、子供の仕送りやペットの飼育、リフォーム、介護なども入力できるようになっています。また、証券会社が提供しているというだけあって、貯蓄の運用もシミュレーションが可能です。ただ貯金するだけでなく投資も行いたい人にはピッタリでしょう。
(6)金融広報中央委員会
金融広報中央委員会のサイトである「知るぽると」には「ライフプランシミュレーション 生活設計診断」というツールがあります。
診断をするには以下の項目を入力します。
・家族構成
・子供の年齢や性別、教育計画
・同居家族の有無
・職業
・収入や副収入
・退職金
・生活費
・一時的な支出
・生活の中で重視する消費
・自分の性格
・老後の生活費
・年金について
・老後の生活予定
・住宅の購入について
・貯金額
・借入額
他のシミュレーションと比べて、生活に関する入力を細かく行えるのが特徴です。性格や消費スタイルも選べるので、より自分にあった結果が出やすいでしょう。
3.将来設計シミュレーションのメリット
将来を設計するためのシミュレーションにはいくつかメリットがあります。メリットをうまく活用しつつシミュレーションするようにしましょう。
(1)無料で利用できる
今回紹介したシミュレーションの良いところは、全て無料でできるということです。
ライフプランについて考えたことがない人やあまり詳しくない人にとって、いきなり有料のものを使うのはハードルが高いでしょう。
シミュレーションを活用すれば、お金をかけずにライフプランについて考えるきっかけを得られます。
とはいえ、無料でできるシミュレーションには限界があります。初めてのライフプラン作成には向いていますが、より詳しく将来の設計をしたいのならファイナンシャルプランナーに相談をしてみましょう。
お金のプロであるファイナンシャルプランナーに相談することで、自分の考えがまとまったり、自分にはない視点からアドバイスをもらえたりします。その上で、精密なライフプランを作ることができるでしょう。
(2)自分の将来を考えることができる
シミュレーションでは、将来のお金だけでなくライフイベントについての結果も得られます。なので、自分の将来を考える良いきっかけになるでしょう。
ライフイベントがいつ訪れるか、具体的な年数や時期を使って確認することができます。将来について漠然とした不安がある方にはおすすめです。
(3)家計を見直すきっかけになる
現在の家計が健全かどうか、自分で確かめるのは難しいでしょう。シミュレーションを使えば、客観的かつ数値を用いた結果が出るので、自分の家計を見直すのに役立ちます。
家族がいる場合、シミュレーションの結果を踏まえて、現在や将来の生活について話し合うこともできます。家計をより良いものに変えるためにも、ぜひシミュレーション結果を使って見直ししていきましょう。
4.まとめ
今回の記事では、将来を設計できるシミュレーションをご紹介しました。どのシミュレーションも無料でできるので、ライフプランを作成したことがない方はぜひ利用してみてください。家計や将来について考え直す良いきっかけになるはずです。
とはいえ、無料でできるシミュレーションには限界があります。自分だけのライフプランを作るにはファイナンシャルプランナーに相談するのが良いでしょう。ライフプランの窓口では、無料でファイナンシャルプランナーに相談することができます。シミュレーションで自分のライフプランに興味を持った方は、ファイナンシャルプランナーにも相談してみてはいかがでしょうか?