安心して健康的な家庭生活を送るために、生命保険や医療保険は欠かせないものとなってきました。
私たちが支払ったこれらの保険料について、所得税法は「必要経費」とみなし、
所得から差っ引いて税金をかけないでおこう、という考え「生命保険料控除」という規定があります。
よく耳にする「扶養控除」「社会保険料控除」「医療費控除」も同様の考えのもと、必要経費とみなされています。
毎年11月ごろ、ぴらっと開くタイプのハガキで「生命保険料控除のお知らせ」が送られてきませんか?
これは、その一年間に支払うべき保険料が保険会社によって証明されている書類で、サラリーマンのご家庭の場合、これを会社に提出することによって、年末調整が行われます。
その結果、払い過ぎた所得税については、12月分の給与に上乗せして一部が戻ってくることになります。
加入前に税制適格の保険かどうか、確認をどんな保険でも、控除の対象となるわけではありません。
「税制適格」といって、要件を満たすことが必要です。
名前だけで判断するのではなく、契約前に募集人に「控除可能かどうか」を確認してみてください。
次に、具体的に控除できる金額について説明していきましょう。
平成23年12月までに契約した保険の場合、「生命保険」と「個人年金保険」が対象です。
それぞれ年間正味払込保険料の10万円までが対象となり、実際に所得から控除される金額はそれぞれ最高5万円です。
住民税では、それぞれ年間正味払込保険料の7万円までが対象となり、実際に所得から控除される金額はそれぞれ最高3万5千円です。
平成24年1月以降は、「生命保険」、「個人年金保険」に加え、「介護医療保険」が対象になりました。
それぞれ年間正味払込保険料の8万円までが対象となり、実際に所得から控除される金額はそれぞれ4万円までです。
住民税では、それぞれ年間正味払込保険料の5万6千円までが対象で、実際の控除される金額はそれぞれ最高2万8千円です。
長期にわたる保険料支払いだからこそ、生命保険料控除は、住宅ローン控除といった税額控除ではないので、一般的に少額となりがちですが、保険料は長期で支払うものです。
年間では少額でも、長期なら大きな額になります。
また、自ら申告しないと還付されない仕組みになっています(サラリーマンのご家庭の場合は、証明書を会社に提出することで手続きは終了です)。
税法上、支払う理由のないものは、きちんと手続きをしてしっかり還付を受けてくださいね。
そして、新しく保険に加入する場合は、税制適格かどうかを確認されることをおすすめします。
監修:高橋成壽