受験の結果発表にドキドキする2月。でも、結果発表でドキドキするのは受験だけではありません。その一つが認可保育園の発表です。

たかが保育園、されど保育園。子供を預けられなかったら働けないので、保育園の合否は家庭によっては本当に死活問題です。

今回は、自治体によって、保育園の待機児童数にどれくらいの差があるのか、全国で比較してみましょう。

目次

待機児童って何?

「待機児童」という言葉をニュースなどでよく聞きますが、そもそも待機児童とは何でしょうか?

待機児童とは、その名の通り、「認可保育園に入れずに待機している児童のこと」を指します。

ただし、ここでの注意点は「無認可保育園等で一時的に預かってもらいながら
認可保育園の空きを待っている児童は待機児童にカウントされていない
」という点です。

つまり、

  • ・認可保育園に入れずにやむを得ず無認可保育園に入れている
  • ・パートやフリーランスでの就業の為、認可保育園の就業要件に合致せず預けられない

こういう方たちは待機児童としてはカウントされていないのです。

そのため、自治体が発表している待機児童の人数は氷山の一角で、相当数存在している事は間違いありません。

平成30年に厚生労働省が発表した「平成29年10月時点の保育園等の待機児童数の状況について」によりますと、平成29年10月1日の全国待機児童数は55,433人となっています。
(平成28年10月1日時点と比較して7,695人増加)

都道府県別保育園等の待機児童数をいくつか抜粋します。

北海道
(札幌市を除く)
292
札幌市946
函館市0
宮城県
(仙台市を除く)
906
仙台市594
東京都12,191
神奈川県
(横浜市を除く)
1,848
横浜市1,877
富山県
(富山市を除く)
0
富山市0
石川県
(金沢市を除く)
0
金沢市0
愛知県
(名古屋市を除く)
648
名古屋市252
岐阜県
(岐阜市を除く)
29
岐阜市0
大阪府
(大阪市を除く)
1,647
大阪市1,335
福岡県
(福岡市を除く)
1,718
福岡市425
沖縄県
(那覇市を除く)
3,440
那覇市520

上記のデータによると、都道府県や市区町村共に待機児童数がゼロなのは、富山県と石川県のみで、他の県や市は待機児童がいる事がわかりました。

つまり、待機児童は都心や大都市だけの話ではなく、全国的に保育所が不足しているということです。

※詳細はこちらでご覧ください。

とはいえ、多少なりとも待機児童が少ない田舎や郊外で子育てした方が良いのでしょうか?

子育てするなら郊外がいいの?

緑豊かな所でのびのびと子育てしたいという希望をお持ちの方は多いと思います。

田舎の実家に引越、親の介護など、縁やゆかりがある土地での田舎暮らしや、子供の療養や転勤等の致し方ない場合は別として、のびのび子育てを優先しての田舎暮らしをスタートさせるのはなかなか難易度が高そうです。

病院が少ない

田舎で人口が少ないと必然的に病院数も少なくなります。特に、小児科数は顕著のようです。

たとえば、北海道のトマム。言わずと知れたリゾート地ですが、住んでいる方もいらっしゃいます。

著者が旅行に行く際には、宿泊先近郊の小児科を調べていくのですが、トマムには小児科がなく、車で2時間かかると言われました。

旅行ならまだしも、小さい子供を抱えてそこに住むとなるとなかなかハードルが高いように感じます。縁もゆかりない土地ならなおさらです。

同世代の子供が少ない

都会暮らしに比べて、子供が少ないので同世代の子供は少ないのが現実のようです。

そのため、子供が遊べる遊具や公園、遊戯施設や学校数も多くはありません。

メリットとしては、子供用の遊び場が少ない分、子供は自然と工夫して遊ぶようになるのかもしれませんね。

都会や田舎暮らしにはそれぞれメリットとデメリットがあります。

保育園の合否は、短期的には死活問題になるかもしれませんが、過ぎ去ってみればほんの数年の事です。

長い人生において、何を優先させるかを考えてライフプランを立てていきましょう。

(文:山崎美紗)