金融機関で住宅ローンを借りるときに加入する「団体信用生命保険」ですが、最近では死亡や高度障害以外にも対応している商品があります。
住宅ローンを選ぶとき、団体信用生命保険の保障も選ぶ理由の1つになるかもしれません。
■ 団体信用生命保険とは
金融機関で住宅ローンを組むときには、団体信用生命保険に加入することが一般的です。
団体信用生命保険というのは、住宅ローンを借り入れた契約者に万が一のことがあった時や、高度障害状態になり返済が困難になったときに、残りの返済金額を代わりに支払ってくれる保険です。
残された家族に返済の義務を残さないための保険です。
多くの金融機関では保険料はローンの金利に上乗せされていることが多く、毎月保険料の負担はありません。
また、保険料自体無料の金融機関も一部あります。
しかし、フラット35のように団体信用生命保険に加入しなくても借りることのできる住宅ローンもありますので、その場合は、自分で生命保険などで対応する必要があります。
■色々な団体信用生命保険
・ケガで入院、働けなくなったときもローンの返済額保障
基本的な保障内容は、死亡と高度障害ですが、特約をつけることによって病気やケガのときの保障も上乗せすることができます。
例えば、住信SBIネット銀行の全疾病保障なら、病気(精神疾患を除く)やケガで入院して働くことができなくなったら月々のローンの返済金額を保障してくれます。
月々の返済応答日に、返済金額が保険会社より契約者の口座に振り込まれ、ローンの返済に充当することができます。
12ヶ月を超えても働けない状態が続いている場合は、残りの住宅ローン残高相当額支払われ返済額は0円になります。
がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎以外の場合は、入院によって就業不能になったときに限られます。
死亡時以外も備えることができるので、幅広く安心の保障です。
・がん診断金が受け取れる団体信用生命保険
団体信用生命保険は、所定の状態になったときに借りているローンの返済残高を0円にしてくれる保険ですが、がんの診断給付金が受け取れる団体信用生命保険もあります。
女性限定のサービスではありますが、住信SBIネット銀行の団体信用生命保険「Angelina(アンジェリーナ)」は通常の全疾病保障に加えて、がん診断給付金特約が基本付帯しています。
待機期間3ヶ月を過ぎた後、初めてガン(一部対象外あり)と診断された場合、30万円の診断給付金(1回限り)が支払われます。
・自然災害や介護保障も特約でOK
新生銀行の住宅ローン安心パックSには、自然災害時債務免除特約がついています。
借り入れから10年間、地震や台風、津波、洪水、土砂災害など自然災害で自宅が被害にあったとき、被害の状況に応じて最大24回分の住宅ローンの返済金額が
免除されるサービスです。
また、所定の要介護状態が180日以上続いた場合、もしくは、公的介護保険制度の「要介護3以上」に認定された場合には、介護保険金として住宅ローン残高相当額が支払われ、返済に充当されます。
万が一のことが起こったときに、大切な家族を守るためにも、住宅ローンは、金利だけでなく、団体信用生命保険の保障内容もチェックしてから考えるといいでしょう。
執筆:黒須かおり