ライフプランの窓口に寄せられる相談の中には、
投資に関する内容も含まれます。

書籍を読んだり、セミナーに参加されるなどして、
勉強をされている方が多い印象です。

ただし、勉強をしてもイマイチしっくりこない、
結局どうすればいいのかわからないという話を聞きます。

私どもの認定FPは証券仲介業や投資助言業の資格を保有しておらず、
具体的にどのファンドがいいかの提案はできません。

ただし、投資相談の傾向として「積立投資が絶対に正しい」
というスタンスの方が多いので、
ライフプランの窓口として積立投資をどうとらえているかをお伝えします。

なぜ今、長期分散積立投資なの?


証券業界をあげての金銭教育の浸透で、長期分散積立て投資の認知度が高まっています。

念のため確認しておくと、長期分散積立投資を啓蒙しているのは、主に証券業界です。
最近ではようやく政府・金融庁なども後押ししています。

どんな事にも背景を知ることはそれなりに大切であるため、
政府のニーズを考えると、アベノミクスという経済政策のなかで、
株式相場を底上げするというニーズが見えてきます。

株式相場を底上げするには、失敗におわった貯蓄から投資へを
再発動し、成功させることが必要です。
具体的には預貯金マネーを株式相場にいざないます。

しかし、賢く臆病な日本人はなかなか変動のある相場モノには手を出しません。
特に最も金融資産を保有している高齢者層は、過去のバブル崩壊をはじめとして、
ITバブル、リーマンショック、ブレグジット、チャイナショックなどの相場下落、
BRICS投資や、VISTA投資などの新興国投資の失敗などで、
投資自体にコリゴリしている方も多いでしょう。

最も資金投入を促したい高齢層は、贈与もしなければ、投資もせず、
お金が固定化しています。

今の日本を支えるのは投資マネーしかありません。

そこで、様々な政策手法を用いて、株式相場に資金移転を図ります。

・企業型確定拠出年金
・NISA
・iDeco
・積立NISA
・日本銀行によるETFの購入
など、様々な手法で、個人の資金や余剰資金を
投資に向かわせようとしています。

積立投資とは、いわゆるドルコスト平均法のこと?

相談を担当しているFPによれば、
書籍を読んでインデックスファンドによる積立投資をしたい方が多いようです。

インデックスファンドに投資を検討されているなら、
FPへの相談は必要なさそうなのですが、
お話を聞いてみると、自分のやりたいことの後押しが欲しいようです。
FPに正しいと言ってほしい。自分の方向性を合っていると言ってほしい。

FPに相談しても、積立資金の投資配分をアドバイスすることができません。
自分で決めるか、証券仲介業、投資助言業の方からアドバイスを受領するしかないのです。

長期分散積立て投資一本で行きたい方は、
是非その方向性で進んでいただきたいのですが、
もし、FPからのアドバイスを必要とされるなら、
投資手法を1つに絞ってしまう事自体が、リスクなのではないでしょうか。

住宅ローンの変動金利と固定金利の2種類あります。
投資についても固定金利と変動金利の2種類あります。

片方の手法がだめでも、もう片方がカバーしてくれる、
これが理想の投資方法です。

もちろん、1本の投資手法に絞って成果が出ればそんな幸運はありません。
しかし、それを見分けるのは難しいでしょうから、
投資手法も分散させる必要がありそうです。

今世の中にある主流の方法論は、
数年後に亜流となる可能性もあります。
個々の意見を疑いのまなざしで観察すると、
わかること、変化することが見えてくるでしょう。

相応の時間がかかるのが玉に瑕ですが。

執筆:高橋成壽