2015年度の国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)によりますと、5.5組に1組の割合で不妊の検査や治療を行っており、増加の一途をたどっています。

今回は、不妊治療の費用や治療に関する助成金がもらえる自治体について、ご紹介したいと思います。

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目次

不妊の定義とは?

通常の夫婦生活を行っていると、1年で80%、2年で90%の夫婦が赤ちゃんを自然に授かると言われています。

残りの10%が不妊症と考えられ、自然妊娠は難しいとされています。

日本産科婦人科学会によりますと、1年間自然妊娠しなかった場合は「不妊」と定義されています。

不妊治療とは?

一般的な不妊治療は、主に3つあります。

①タイミング法

治療方法検査結果をもとに医師が排卵日を推測、その前後に性行為を行う
費用保険適用で1回数千円程度

②人工授精

治療方法子宮に精子を人工的に注入する
費用保険適用外で1回1~2万円

③体外受精、顕微授精

体外受精卵子を体外に取り出しシャーレーの中で精子と受精させる
顕微授精顕微鏡と細いガラス管を用いて人工的に受精させる
費用保険適用外で1回20~60万円

③の治療には、助成金が支給される制度があります。

それでは、不妊治療の総額費用はいくら位かかるのでしょうか?

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不妊治療の費用はいくらかかる?

妊活中の女性を応援するWebメディア「妊活ボイス」が2017年10月に妊活中の300名を対象に行った「妊活・不妊治療」に関する調査によりますと、「妊活全般にかかった費用」は平均で約35万円という結果でした。

一方で、人工授精・体外受精・顕微授精のいずれかを経験した人に限ると、平均費用は約134万円まで上昇します。

さらに、不妊治療の中でも高額となる高度不妊治療(体外受精・顕微授精)の経験者となると、その治療費の平均は193万円まで上昇し、300万円以上かかった方も約6人に1人(16.1%)となりました。

また、国立成育医療研究センター不妊診療科医長齊藤英和氏によりますと、体外受精により1児を出生するためにかかる医療費の各年齢別の平均額は、

  • ・30代前半⇒約150万円
  • ・40歳⇒372万円
  • ・45歳⇒3704万円
  • ・47歳⇒2億3000万円

とのことです。

助成金はいくら?どこの自治体でもらえる?

それでは、不妊治療にかかる助成金はどこの自治体でいくら位もらえるのでしょうか?

東京都の場合、東京都特定不妊治療費助成事業を行っています。

対象となる治療

  • ・体外受精
  • ・顕微授精

対象者

  • ・体外受精、顕微授精以外の治療法では妊娠の見込みがないか、極めて少ないと医師が判断した場合
  • ・指定医療機関で特定不妊治療を受けたこと
  • ・申請日の前年(1月から5月までの申請日については前々年)の夫婦の合算の合計所得額が730万円未満
    ※年収ではなく、所得金額である点に注意

助成金額

治療1回につき、7.5万円~25万円

※治療ステージにより金額が異なる

助成回数

初めてこの助成を受けた時の治療開始日時点で、

  • 妻の年齢が39歳までのご夫婦・・・通算6回まで
  • 妻の年齢が40歳以上のご夫婦・・・通算3回まで

※1回の治療期間の初日における妻の年齢が43歳以上で開始した治療は全て対象外

助成金額、申請書類等詳しくは、東京都のHPにてご確認願います。

東京都特定不妊治療費助成事業の概要

以上が、東京都の不妊治療の助成金制度になります。

また、東京都の助成制度とは別に市区町村で助成金制度を行っている自治体もあります。

不妊治療の助成金制度実施市区町村一覧(東京)

  • 千代田区、中央区、港区、文京区、台東区、江東区、品川区、世田谷区、杉並区、豊島区、板橋区、練馬区、葛飾区、八王子市、昭島市、調布市、国立市、東大和市、清瀬市、武蔵村山市、稲城市、羽村市、あきる野市、奥多摩町
    ※平成30年度 

東京都の場合の助成金申請方法は、まず、東京都へ助成金を申請し、約2か月後に承認結果が届きます。承認された場合、指定口座に助成金が振り込まれます。

また、東京都の助成金申請が承認された場合は、プラスして市区町村の助成金制度も申請可能です。

※始めに東京都への助成金申請をする必要あり。

たとえば、港区の場合、助成上限額は1年度あたり30万円です。通算5年分まで申請でき、1年度毎の助成上限額に達するまでは何度でも申請することができます。

万一、東京都の助成金申請が承認されなかった場合でも、市区町村の助成金制度のみ利用できる場合もありますので、お住まいの市区町村にご確認くださいね。

以上、不妊治療の費用や助成金についてご紹介しました。

不妊治療は、時間との戦いです。子供が欲しいと考えているカップルでしたら、早めに医療機関を受診し、必要な場合は、助成金申請も検討しましょう。

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不妊治療の医療費控除

不妊治療の医療費控除のお問い合わせが増えておりますが、私たちファイナンシャルプランナーは税理士法違反となるため、税務のアドバイスができません。

医療費控除については、

  • ・税務署に電話または訪問し相談
  • ・税理士に費用を支払って相談
  • ・地元の税理士会に相談(税理士の紹介)
  • ・ご自身で時間をかけて勉強し独学で計算する

という選択がございます。またWEBサイトですと、下記のページでおおよその内容が確認いただけます。

執筆:山崎美紗

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