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住宅ローンの年収倍率と失敗しない借り入れの目安とは?

マイホーム

人生で一番高価な買い物である住宅購入では、失敗が許されないため様々な角度から検討する必要があります。特に、マイホームの購入を検討しているものの、住宅ローン借入額をどのように決めるべきかわからない人もいるでしょう。

この記事では、年収に応じた住宅ローンの決め方や目安などを解説いたします。無理のない住宅ローンのポイントなども紹介するので参考にしてください。

目次

年収の何倍?住宅ローン借入額の決め方

住宅ローンの適正額の目安の一つに年収の何倍まで借りることができるかの指標として「年収倍率」という考え方があります。

しかし、年収倍率だけでマイホーム予算を考えると、後々返済に苦しむことになります。何から考えればいいのでしょうか。

そもそもマイホームの購入予算はどうやって決める?

一戸建てを購入する場合には、

  • ・マイホーム予算の総額
  • ・土地の予算
  • ・建物の予算

をそれぞれ考える必要があります。土地の相場感や、建物の予算感がわからない場合は、土地と建物と諸費用を合計した総額を仮に決めるといいでしょう。

自己資金のある人は、諸費用と住宅ローンの頭金に充当されますので、「諸費用+住宅ローン借入額+頭金」がマイホーム予算となります。

マイホームを購入するタイミング

マイホームを購入するタイミングは人それぞれですが、大きく分類すると、

  1. 1.結婚した後
  2. 2.子どもが産まれた後
  3. 3.第一子が小学校に進学する前
  4. 4.社宅や借上げ社宅の年齢制限到達前

となります。一部の人は、定年直前に家を買う場合もありますが、定年が近づくと住宅ローンを借りられなくなる可能性がありますので、例外的と言えるでしょう。

購入の理由としては、

  • 「家賃がもったいない」
  • 「借家だと夜泣きや活動音など近所への配慮が気になる」
  • 「引っ越しや転校させたくない」
  • 「のびのび育てたい」

といった子育て目線での意思決定が多いようです。20代前半で家を買う人もいますが、当サービスの利用者の場合、30代から40代と仕事と収入が安定している人が多くなっています。

勢いだけで買おうとする人もいますが、しっかりとライフプランを検討し、将来の資金繰りであるキャッシュフロー表をFPに作成依頼することをおすすめします。

マイホーム購入後に、子育てで支出が増えたり、産休・育休で収入が減っても慌てないようにしましょう。

頭金の決め方

頭金の必要性は時代とともに変化しています。もともと頭金は新築を購入した直後に売却しても住宅ローンが完済できるように、物件価格の1~3割必要とされていました。

しかし、家賃を支払いながら頭金を貯めることは難しい家庭が増えています。そのため、住宅ローンを貸す側の金融機関が条件を緩和して、頭金がなくても、自己資金0円で住宅ローンを借りることが可能となりました。

ただし、頭金を貯めることができないからマイホームを買ってしまおうという場合、子どもが生まれ生活費や教育費がかかってくると家計が回らなくなる恐れがでてきます。

頭金が0円で家を購入しても安全な人は、自己資金が手元にあるがあえて自己資金0円で、物件価格と同額の住宅ローンを借りるケースに限定されます。
手元資金にゆとりのある人は頭金を多めにいれることで、住宅ローン支払いを減らすことができます。

しかし、住宅ローン控除による所得税還付があるため、無理に頭金を入れなくとも、一定期間の金利負担はゼロになったり、金利負担より所得税の還付が多い場合もあります。※令和3年12月までは上記の通りです。今後は、所得税の還付は金利負担分が上限となる見込みです。

頭金を入れるかどうかは、キャッシュフロー表を確認してからの方が無難でしょう。

住宅ローン借入額の決め方

住宅ローンをいくら借りられるのかと、いくらまでなら無理なく返せるのかは違います。いわゆる、「借りられる額と返せる額」の問題です。

金融機関はたくさん貸して、金利収入を得たいと考えます。不動産会社は高額物件の方が手数料が多いため、借りられる金額で買える物件を勧めます。

しかし、返済するほうが住宅ローンの支払いだけでなく、日常生活、教育費、レジャー費、自動車代、老後資金準備などいろいろな予算制約のなかでやりくりしています。

借りられるから満額借りるのではなく、現実的にいくら借りるのが妥当か確認が必要です。なお、国の外郭団体である独立行政法人 住宅金融支援機構では、

  • ・年収400万円以上の場合:年間の住宅ローン返済上限⇒年収の35%
  • ・年収400万円未満の場合:年間の住宅ローン返済上限⇒年収の30%

としています。つまり、年収×35%÷12ヶ月=審査に通る住宅ローン返済額です。しかし、年収の30%超、35%超では生活が苦しくなります。住宅ローンのために仕事をするような感覚になるかもしれません。

無理のない返済額の目安は年収の25%と考えましょう。この数字の根拠は、リーマンショックやコロナショックなど経済危機が訪れたときの、住宅ローン見直しの目安なのです。

年収に対して25%以上の住宅ローンを返済していると生活が苦しくなるということを政府も理解しているといえるでしょう。

住宅ローン借入額の目安

続いて、物件ごとの住宅ローン借入額の目安です。

建売住宅

購入に必要な平均額3,442.1万円
借入額の目安年収の5.7倍

地域によって物件価格は異なりますので、無理のない住宅ローン額に予算を収めたい場合は、キャッシュフロー表を作ると良いでしょう。

注文住宅

①注文住宅の
購入に必要な資金
3,395.1万円
②土地付き注文住宅の
購入に必要な資金
4,112.6万円
借入額の目安年収の
①6.5倍
②7.2倍

こちらも、地域によって土地代が大きく異なりますのであくまでも目安です。詳細はキャッシュフロー表を作成するところから始めましょう。

新築マンション

購入に必要な資金4,437.2万円
借入額の目安年収の5倍

首都圏以外では返済負担率が25%以下に収まる世帯年収の5倍以下が目安ですが、都心の場合は7倍、8倍なども当たり前になっている状況です。

中古物件

中古戸建の
購入に必要な資金
2,473.3万円
中古マンションの
購入に必要な資金
2,982.5万円
借入額の目安年収の
5.3倍~5.7倍

中古物件は価格が抑えられていますので、予算を減らしたい場合は選択肢に加えた方がいいでしょう。

住宅ローン借入額を決める際の注意点

住宅ローンを借りる際は、どのようなことに注意すればいいのでしょう。

貯金を全額頭金に充てない

頭金をいくら入れるのが適正かという疑問があるかもしれません。頭金の支払いによっていざという時の蓄えやローンの支払いにしわ寄せがないようにすると安心です。

また、いざというときに備えて、6ヶ月~12ヶ月分の生活費は預貯金として残しておくと良いでしょう。

年収だけで借入額を判断しない

住宅ローンを借りる際、最も大きな要素は年収です。しかし、年収に対していくらの住宅ローンを借りるかという計算は、あくまでも目安に過ぎません。

実際は年収だけでなく、個々の家庭で異なる要因を検討することが必要です。他にも、

  • ・金利変動をどの程度見込むのか
  • ・変動金利と固定金利のどちらを選ぶのか

など正解のない問題がたくさんあるのです。年収だけで住宅ローンを考えるとどのような問題が出てくるのでしょうか。

住宅ローンを年収だけで判断しないほうがいい理由

住宅ローンを年収だけで計算すると取り返しのつかないことになる場合もあります。

世帯ごとに家計状況は異なる

まず、家計状況は家族の人数や生活水準により異なります。例えば、

  • ・年収の増減
  • ・家族構成
  • ・教育プラン

などによって住宅の支払いに充てられる金額は変わってきます。年収の推移を確認することも必要です。

例えば、子どもの教育支出がピークになるタイミングで、役職定年を迎える場合などは、収入減と支出増のダブルパンチとなります。これらはキャッシュフロー表を作成することで、事前に発生の可能性やタイミングを知ることに繋がります。

年収は変動する可能性がある

年収が変化すると住宅ローンの支払いの余裕度が変わります。年収が増えれば余裕度が上がりますが、年収が減れば余裕度は下がります。
年収が増える見込みであっても、今と同じ年収が続くと仮定してキャッシュフロー表を作成するほうが安全です。特に50代は年収が下がるケースが多いため、年収減少も考慮するほうがよいでしょう。

頭金や金利タイプが加味されていない可能性がある

住宅ローン借入額の目安には、頭金が加味されていません。そのため、頭金がない人にとっては、借入額の目安は少なくなります。また、金利負担や金利変動が考慮されていない場合もあります。

年収だけで判定せず、支払い可能額を確認することで無理のない住宅ローン予算が見つかる可能性が高まります。

審査に通る金額が現実的な借入金額とは限らない

金融機関の住宅ローン審査は年収に対して多く借りられるようになっています。一般に金融機関の審査目安は年収に対する返済負担率30~35%であると言われています。

しかし、30%~35%の返済負担率は毎月手取り額の半分程度が支払いに消える計算です。手取り収入に応じた無理のない支払い金額を算出するには、キャッシュフロー表を作成する他ありません。

適正な住宅ローン借入額を調べる方法を3ステップで紹介

適正な住宅ローンはどのように計算すればいいのでしょう。

【STEP1】年間の手取り額を計算する

まず自分の手取りを把握する必要があります。年収ではなく手取りが実際に払える金額だからです。手取りの計算は源泉徴収票や確定申告書から確認します。

「年収ー社会保険料ー所得税額ー住民税額=手取り額」となります。(毎月の手取り収入-通勤手当)×12ヶ月としてもよいでしょう。

【STEP2】年間の手取り額からその他のローン返済額を差し引く

もし、奨学金、マイカーローン、などがある場合は、毎月支払いが必要な借り入れの金額を確認しましょう。手取り額からその他のローン返済額を差し引くと実質的な手取りが導き出されます。

住宅ローン借り入れの支障となるのは金額が高くなる奨学金、マイカーローンです。住宅ローン以外に借り入れがあると、返済比率の枠が減ってしまいますので注意が必要です。

【STEP3】借り入れ可能額を計算する

他には、年収倍率で計算する方法もあります。年収倍率は5倍以下であれば、将来返済に困る可能性は低く抑えられるでしょう。

  • ・年収500万円の人⇒2500万円の借り入れ
  • ・年収1000万円の人⇒5000万円の借り入れ

となります。この計算ですと、希望の物件を購入できないでしょうから、実際はいくらの借り入れなら希望に近い物件を手に入れられるか検討することになるでしょう。

年収に応じた住宅ローンの額より高額な物件を購入したい場合には?

年収に応じた物件を買いたい場合はどのようなことをすればいいのでしょう。

頭金を増やす

借りられる住宅ローン以上の家を買うには何が必要でしょう。その1つに頭金の増額があります。住宅ローンで借りられる金額以上に高い買い物をする場合、自己資金を増やすことが第一に考えられます。

頭金がない人は、親族からの贈与・親族からの借り入れ・投資金の解約なども検討するとよいでしょう。

他のローンを完済する

住宅ローン以外の借り入れがあることが原因で、住宅ローンの借り入れが充足できない場合もありえます。

例えば、クレジットカードや自動車などのローン返済がある場合はローン完済によって毎月の支払いに余裕が生まれます。そのため住宅ローン以外のローンを完済すると住宅ローンの審査に有利になります。

低金利の住宅ローンを利用する

また、住宅ローン審査に金利負担が考慮されている場合は、金利負担の低い住宅ローンにすると借入額が増やせる可能性があります。

固定金利で借りようと考えている人は、変動金利や短期固定金利など金融機関の戦略で金利が低く抑えられている住宅ローンを選ぶことも視野にいれると良いでしょう。

住宅ローンは金利が低いほうが、総返済額が少なくなります。金利が低い住宅ローンを選ぶことは、長い年月を考慮すると大切です。

35年の範囲内で返済期間を延ばす

住宅ローンは20年返済の場合と35年返済の場合で返済負担が大きく異なります。そのため、無理に短い期間で返済しようとせず、借入期間は最長期間で借りるほうが借入額が増やせることもあります。

ただし、定年退職後は年金生活で住宅ローンが返済できるか、退職金は受け取れるかなども確認が必要です。

住宅ローンの審査が通らなかった場合の対処法

万が一住宅ローンの審査が通らなかった場合はどうすればいいのでしょう。

購入物件を見直す

住宅ローンは全く借りられない場合以外に、借入額の減額を前提に審査に通る場合もあります。住宅ローン審査で減額承認された場合は頭金を増やす、物件価格を見直すなどの調整が必要です。

駅からの距離を変更して物件を見直したり、新築を中古に変更して再度物件探しをするなどが有効です。

不足額を近親者に贈与してもらう

父母や祖父母からの資金援助は見込めないでしょうか?シニアの埋蔵預貯金を活用するため、住宅購入費の贈与は特別枠が認められています。

住宅取得資金贈与の特例を活用することで、税負担を減らしながらマイホーム購入の資金を譲り受けることができないでしょうか。

住宅取得資金の贈与は毎年縮小されていますので、贈与を受けるタイミング、住み始めるタイミングや期限を確認しておきましょう。

賃貸併用住宅としての購入を検討する

一般的な方法ではありませんが、賃貸併用住宅を購入し住宅ローン返済の一部を家賃から支払うという方法もあります。

賃貸併用住宅は住宅ローンを借りることができるか否か、金融機関によって異なりますので、事前調査が必要でしょう。物件を購入する不動産会社が有利な住宅ローンを知っているかもしれませんので相談してもよいでしょう。

無理のない住宅ローンのポイント

最後に無理のない住宅ローン選びのポイントをお伝えします。

ライフプランを作成して借入額を算出する

最も大切なことは、今後の収入と支出をしっかりと確認することです。特に、今だけでなく、5年、10年、20年先の事まで考慮しておかなければ、後々返済に苦労することになるでしょう。

いつどんなタイミングでいくらの支出が必要になるか、ライフプランを検討し、キャッシュフロー表を作成することで、数字として見えてくることがあります。
お金にゆとりのある時期、お金がでていく一方の時期など、慌てないように準備すると良いでしょう。

返済開始年齢を早めることで毎月の返済を軽減する

若いうちに住宅を購入すると、働いている間に住宅ローンを完済できるため、老後の家計が楽になります。25歳で家を買えば60歳で住宅ローンが完済できます。

年齢が上昇すると、メンタル不調や体の不調で住宅ローンが組めなくなる可能性も出てきます。また、45歳を超えると35年ローンが組めなくなる可能性がありますので、年齢は十分注意しましょう。

まとめ

いかがでしょうか。人生最大の買い物は、検討事項が無数にあります。私達ライフプランの窓口では、マイホーム予算の計算をライフプランに基づくキャッシュフロー表作成により、ご納得のうえマイホーム購入を決断いただけるようサポートしております。

執筆:高橋成壽(ファイナンシャルプランナー)

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