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出産

「妊娠・出産」に関するお金

出産

妊娠・出産といっても、お金にまつわることは多岐にわたります。
自分は何が知りたいのか、何が不安なのかがわからないと、余計に混乱してしまいます。
何がわからないのかがわからない! とならないために、このコラムでは、出産を控えている方や妊娠を考えている方を対象に、妊娠・出産に関する制度を中心に説明をしていきます。

◆妊娠に関するお金

●妊婦検診

念願の妊娠で喜びもひとしお。でもそれと同時に、パパママになる責任感がずしっとのしかかってきたのではないでしょうか。
妊娠が判明してから出産まで定期的に検診を行っていきますが、妊娠は病気ではありませんので、原則的に健康保険の適用はありません。緊急的な治療が必要な場合を除き、全額自己負担となります。

妊娠がわかったら、まず住民票のある市区村役所に妊娠届を提出しにいきましょう。届出すると母子手帳をもらうことができます。
このときに「妊婦健康診査受診票」を忘れずにもらってきましょう。
前にも書きましたとおり、妊娠は病気ではありません。
そのため妊婦検診は治療が必要な場合を除き、基本的に全額自己負担となります。

一般的な妊婦検診の回数は14回といわれており、1回あたりの費用は平均5,000円程度ですので、出産までとなると総額平均10万円程度かかるといわれています。
その負担を軽減させる助成を受けるためには、「受診票」が必要なのです。
再発行してくれませんので、なくさないよう十分ご注意ください。
自治体によって受けられる回数や金額、内容も異なりますので、受診票をもらうときに確認をしておきましょう。

里帰り出産や妊娠中に引越しをする場合でも助成は受けられますが、受診票は全国共通ではありませんので、決まった時点で双方の自治体や病院に相談・確認をすることをおすすめします。

●切迫早産やつわりなどの治療

切迫早産や妊娠悪阻など治療が必要な場合は、前述の受診票は使用できませんが、健康保険が適用されますので、費用は3割負担となります。
入院などで高額な医療費がかかったときには、一定の金額を超えた場合に高額療養費としてお金が戻ってきます。
さらに一年間の医療費が一定額を超えると、確定申告によって税金が戻ってくることもあります。
このほか、ご自身が加入している生命保険や医療保険からも給付が受けられる場合がありますので、確認されることをお勧めします。また、会社勤めの方で入院や体調不良により長期間お休みされた時は、健康保険から傷病手当金が出ることもありますので、自分が該当するかな?と思ったときには会社の担当者に聞いてみてください。

次に出産に関するお金のことをご説明いたします。

◆出産に関するお金

出産に関するお金の話をする前に、そもそも出産ってどういうことを言うのか、確認しておきましょう。
健康保険等の法律上での出産とは、妊娠4ヶ月(85日)以上のことをいいます。妊娠4ヶ月(85日)以上であれば、正常分娩はもちろんのこと、異常分娩(帝王切開)や早産、流産、死産、人工中絶であったとしても出産とみなされます。
つまり、指定の日数を経過していれば、赤ちゃんの生死に関わらず支給の対象となるのです。

●出産手当金   

※働くママ対象

出産のために会社を休み、給与を受けられなかったときに、健康保険から生活費用の一部として支給される手当金のことを言います。
支給される日数は、原則、出産日以前42日(双子などの多胎妊娠であれば、出産日以前98日)から出産の翌日以後56日までの原則98日間のうち、会社を休んだ日数によって算出されます。
特に初産の場合、出産予定日よりも遅れることが多いです。
そんなときでも大丈夫!

出産予定日以前42日
 + 出産予定日の翌日から実際の出産日までの日数
 + 出産の翌日以後56日
をもらうことができるのです。

つまり、原則の98日よりもちょっとだけ多くもらえるのです。
これで不安なく出産できます!
ただし、お休みをしていても有給休暇の取得などによって給与の支払いがあり、
その額が出産手当金の支給額を上回るときは支給されませんが、下回るときには出産手当金と給与の差額分が支給されます。

出産手当金1日当たりの金額は、
   標準報酬日額(※)×2/3
です。
 ※標準報酬日額とは、給与などの金額に応じて、
  健康保険や厚生年金保険で定められている月額を一日換算したもの。
  金額に関しては会社の担当者もしくは健康保険組合に問い合わせてみてください。

出産を機に退職をするママさんにも朗報です!
下記の条件を満たしていれば、退職後も出産手当金をもらうことができます。
その条件とは、
 ①健康保険に加入していた期間が退職日までに継続して1年以上あること
 ②退職日に出産のための休暇(産前産後休業)にはいっていること
この条件さえ満たしていれば、出産手当金はもらうことができます。
働くママさんにしかもらえない権利ですから、忘れずに申請しましょう。
会社経由で申請を行いますので、会社の担当者に申し出てください。

●出産育児一時金

出産するほぼ全ての方が支給対象となりますが、これも出産手当金と同様、最低の条件があります。
その条件とは、
 ①自分自身がいずれかの健康保険に加入もしくは健康保険に加入している配偶者や家族の扶養家族である。
 ②妊娠4ヶ月(85日)以降の出産である。
というものです。
また出産手当金同様、会社を退職しても、下記の条件をすべて満たした場合、勤務していた会社が加入している健康保険から支給されます。
 ①健康保険に加入していた期間が退職日までに継続して1年以上ある
 ②退職日の翌日から6ヶ月以内に出産したとき
もちろん、現在、加入している健康保険制度からの受給も可能ですが、両方から支給はされず、どちらか一方を選択することになります。

上記の条件を満たせた場合、出産育児一時金はいくらぐらいもらえるのでしょうか?
基本的な支給額は、赤ちゃん1人につき42万円です。
ただし、「産科医療補償制度(※)」に加入していない医療機関で出産した場合、支給額は40万4000円になります。
多胎出産(2人以上の赤ちゃんを同時に出産)の場合は、赤ちゃんの人数分の「出産育児一時金」を受け取ることが出来ます。

つまり、双子であれば、
  42万×2人分=84万円
三つ子であれば、
  42万円×3人分=126万円 
受給することが出来るのです。

ただし、妊娠12週以上22週未満での出産の場合は、産科医療補償制度に加入している病院で出産したとしても、出産育児一時金の金額は40万4000円となります。
また、健康保険組合によっては付加給付金がある場合があります。
この場合は、42万円に付加給付分をプラスした額が支給されます。付加給付金の有無や、付加給付金がいくらになるかをお知りになりたい場合は、会社の担当者や各健康保険組合等へ問い合わせしてみてください。

なお、健康保険や国民健康保険に加入している方に扶養されている家族が出産した場合は「家族出産育児一時金」が支給されます。名称は異なりますが「家族出産育児一時金」と「出産育児一時金」の制度の内容は一緒です。

※産科医療補償制度とは
 分娩に関連して重度脳性麻痺を発症した赤ちゃんやその家族が速やかに補償を受けられることなどを目的とした制度。
 現在は、分娩を取り扱う医療機関等ほぼすべてが加入している。

●育児休業給付金   ※働くママ対象

出産後も職場復帰して働くママ対象の制度。
育児休業とは、産後休業(産後8週間後)が終了してからのことをいいます。
育児休業期間中は会社からの給料が減額もしくは支給されない場合がほとんどです。
そんな中でも安心して子育てができるよう、雇用保険から生活費用の一部として支給されるのが育児休業給付金です。
育児休業給付金の1か月分の金額は、次の計算式で算出されます。

 ・育児休業開始から6ヶ月まで
   →休業開始時賃金日額(※)×支給日数×67%

 ・育児休業開始から6ヶ月経過後
   →休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%

休業開始時賃金日額とは、簡単に言うと、育児休業を開始した前月からさかのぼって6ヶ月間の給料総額を180で割ったものに67%をかけたものが、一日あたりの給付金額になります。

自分も育児に参加したい!というパパさんもいらっしゃるでしょう。
そんなパパさんには「パパママ育休プラス制度」はいかがでしょうか?
「パパママ育休プラス制度」とは、父母ともに育児休業を取得する場合などに
利用できる制度のことです。
この制度を利用すれば、1歳2カ月まで支給対象となり、通常よりも支給期間を2カ月延長することができます。2カ月延長といっても、父母ともに1年を超えない範囲内で取得しなければなりませんので、単純に2ヶ月伸びるのではありません。
ただし、保育所に預けられないなどのやむを得ない場合には、子どもが2歳に達する前日まで支給期間を延長可能です。

また、育児休業給付金は、2人目以降も条件を満たしていれば支給されますが、
1人目の育児休業中に2人目を妊娠した場合は、2人目の産前産後休暇開始の前日までが、1人目の育児休業給付金の対象となります。
そのため、対象期間が残っていたとしても、2人分同時に給付金を受け取ることはできませんので、注意が必要です。

●産前産後・育児休業中の社会保険料免除  

産前産後休業期間中は母体にとってもとても大切な時期。
産前6週間、産後8週間がその期間に当たります。
次世代育成への支援と経済的負担の緩和を目的に「産前産後休業保険料免除制度」が導入されています。

働くママさんは、健康保険料、厚生年金保険料が免除になりますが、会社を通じて申請することになりますので、会社の担当者にその旨申し出てください。
また、自営業やフリーランスの方は、国民年金保険料は免除になりますが、国民健康保険に関しては免除制度がありませんので間違えないように注意が必要です。
国民年金保険料の免除は申請をしないと免除が受けられませんので、必ず市町村役所にて手続きを行ってください。

また、働くママさんは、産前産後の休業期間中はもちろん、3歳未満の子を養育する期間についても、健康保険と厚生年金保険の保険料が免除されます。
これも会社を通じての申請となりますので、会社の担当者に確認をしておきましょう。
保険料が免除となっても、将来受けられる年金額には一切影響されませんので、ご安心ください。

●高額療養費

先にも少しだけ触れましたが、妊娠・出産は病気ではありませんので、基本的には健康保険の適用外となり、全額自己負担となります。
とはいえ、切迫早産や重度の妊娠悪阻、帝王切開など妊娠・出産には、いろいろな危険がはらんでおり、治療が必要になる場面が出てくることもあるでしょう。
このような時は健康保険が適用され、従来の3割負担で済みますが、それでも入院しての治療となると高額の医療費がかかってしまいます。
健康保険ではこのような時、高額療養費制度というものがあります。

高額療養費とは
1ヶ月にかかった医療費が高額になったとき、自己負担限度額分との差額が後から戻ってくる制度です。
入院時の窓口に「限度額適用認定証」を提示すると、自己負担限度額分のみのお支払いで済みますので、一度に出て行くお金が軽減されます。
この「限度額適用認定証」は、加入している健康保険組合もしくは市町村役場に
申し出れば発行してもらえますので、入院されるときには事前に発行してもらったほうがよいでしょう。

●医療費控除

医療費控除とは、年間で支払った医療費が一定額を超えたときに、所定の手続き(確定申告)をすることで税金が戻ってくる制度です。

所得税の計算をする際に、課税される所得がどれだけあるかによって、税金の金額が決まってきます。
この医療費控除を行うことで、課税される所得が小さくなると、結果として税金が安くなるという仕組みです。
会社勤めの人であれば、会社が年末調整をやってくれるから必要ないんじゃないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、年末調整時に医療費控除は行われていませんので、ご自身で確定申告をやらなければ税金が安くならない
のです。
世帯合算することができますので、一年間でどのぐらい医療費を支払ったかを
一度チェックみてはいかがでしょうか?

●女性向け医療保険

いろいろな会社からいろいろな商品が売り出されており、何をどう選んだらよいかわからなくて困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
女性であれば、妊娠・出産だけでなく、乳がんや子宮がんなど女性特有の病気に罹らないか心配になりますよね?
そんなときに安心なのが女性向けの医療保険です。
医療保険に、女性特有の疾病に手厚い保障がついている保険のことを指しています。
年齢や生活環境など、さまざまなライフステージによって必要な保障内容も変わってきますので、その時々のタイミングで見直すことが肝心です。
すでに医療保険に加入されている方は、妊娠中のトラブルや帝王切開などをカバーしてくれる保険もありますので、今一度、自分が加入している保険の保障内容をチェックしてみましょう。
ただし、妊娠中や出産直後は保険加入ができなかったり、子宮の病気に関する保障が対象外になったりする「特定部位不担保」がついてしまうことがありますので要注意です。
妊娠を望んでいらっしゃる方は、早めに加入・見直ししておかれることをお勧めします。

●生命保険

子供が生まれたら、まず誰しも考えるのが子供の養育資金について。
育児に奮闘しているとあっという間に時が経ってしまいますので、一日でも早く始めることをお勧めします。
貯蓄方法として有名なのが「学資保険」です。
子供の教育資金を準備できるだけでなく、親が万が一のことがあった場合でも
残りの保険料が免除されますので、安心して教育資金を準備できるという特徴があります。
しかし、加入できる上限の年齢が決められていますので、学資保険を考えている人はタイミングを逃さないように出産前から検討をしておくようにしましょう。

また、子供の養育資金だけでなく、改めて見直していただきたいのが、親の生命保険。
万が一のことがあった時には、残された家族の生活をイメージして、どのぐらいの保障にしたらよいかを考えることが必要となってきます。
十分な保障金額が必要となる期間は、末子が大学を卒業するまでといわれていますのでそれを目安として考えて見ましょう。
あれもこれもと保障をつけていくうち保険料が高額になって、家計を圧迫するようなことではいけません。生活費や教育資金などの必要なお金に対して、不足する分を備えておくことを念頭に入れて考えてみましょう。

いかがでしたでしょうか?
今回は妊娠・出産に関するお金のあれこれを見てきましたが、健康保険から税金まで、妊娠・出産にまつわることは多岐にわたります。
いざ実際に妊娠となると急激な母体の変化や、気持ちの変化でゆとりがなくなることも多いことでしょう。
そんなときには、お金のプロであるファイナンシャルプランナーを頼ってみてください。
これからのライフステージを一緒に見据えながら、お金に関する不安が解けると、さらに楽しいマタニティーライフが送れること間違いなしです。

ファイナンシャルプランナー とりごえあつこ

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