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出産育児一時金はいつもらえる?受給条件や計算例、手続き方法まで詳しく解説

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「もうすぐ出産!赤ちゃんに会える!」とわくわくされていらっしゃるプレママさんも、これから妊娠を望まれている方も、出産時にはどのぐらいの費用がかかるか心配されている方も多いのではないでしょうか?

条件を満たせば、誰でも出産時の費用を受け取れる「出産育児一時金」という制度があります。

この記事では、出産育児一時金をもらうための条件や手続き方法について詳しく解説していきます。

目次

そもそも出産一時金ってなに?

私たちはいずれかの公的な医療保険制度に加入することにより、かかった医療費の一部を負担するだけで、病気や怪我の治療を受けることができています。

だったら、出産も健康保険が使えるでしょ?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は“出産は病気ではない”ため、原則的には健康保険は使えないのです。

ですので、本来であれば、出産のために要した費用は全額自己負担ということになります。

ですが、なんとその出産費用を軽減させることを主な目的とした助成金(一時金)が健康保険にはあるのです。

それが「出産育児一時金」です。

出産手当金とは別なので注意!

この「出産育児一時金」とはどんなものなのかを具体的に見ていく前に、出産をサポートするための代表的な制度として、

  • ・出産育児一時金
  • ・出産手当金

というものがあります。聞いたことがありますでしょうか?似たような名前ですが、実はそれぞれ別の制度となっています。

名称が似ているために混同してしまったり、制度の違いがわかりにくかったりしますので、区別ができるようこの二つの制度の違いを簡単に説明します。

出産育児一時金

原則的には妊娠4ヶ月(85日)以上のほぼすべての方が出産したとき、赤ちゃん一人につき42万円支払われます。

※あとで手続き方法は詳しく解説します。

出産手当金

出産のために会社を休み、給与を受けられなかった時に、健康保険から生活費用の一部として支給される手当金のことを言います。

出産日以前42日(多胎妊娠であれば、出産日以前98日)から出産の翌日以後56日までの間、会社を休んだ日数によって算出されます。

ただし、お休みしていても、有給休暇の取得などによって給与の支払いがあり、その額が「出産手当金」の支給額を上回る場合は支給されませんが、下回る場合には「出産手当金」と給与の差額分が支給されます。

出産ってどういう状態のことをいうの?

そもそも「出産」とは一体どういった状態のことを言うのでしょうか?

健康保険等の法律上での出産は、妊娠4ヶ月(85日)以上のことをいいます。

妊娠4ヶ月(85日)以上であれば、正常分娩はもちろんのこと、異常分娩(帝王切開)や早産、流産、死産、人工中絶であったとしてもすべて出産とみなされます。

つまり、妊娠4ヶ月(85日)以上経過していれば、赤ちゃんの生死に関わらず支給の対象となるのです。

これは絶対にもらっておいた方が良いですよね!それでは「出産育児一時金」の受給の仕方について詳しく見ていきましょう。

出産一時金をもらうための条件とは?

「出産育児一時金」は、出産する“ほぼ全て”の方が支給対象となります。

ですが、“全て”ではなく、“ほぼ全て”というのは、もらうための最低限の条件があるためなのです。

その条件とは、

  • 1. 自分自身がいずれかの健康保険制度に加入している、もしくは健康保険に加入している配偶者や家族の扶養家族である。
  • 2. 妊娠4ヶ月(85日)以降の出産である。

というものです。

また会社を退職しても、下記の条件をすべて満たした時に、勤務していた会社が加入している健康保険からもらうこともできます。

この場合は、

  • 1. 健康保険に加入していた期間が退職日までに継続して1年以上ある
  • 2. 退職日の翌日から6ヶ月以内に出産したとき

が条件となります。

もちろん退職後に加入した健康保険制度からの受給も可能ですが、両方からもらうことはできません。どちらか一方を選択することになります。

出産育児一時金がもらえない時はどんな時?

出産育児一時金がもらえない場合とはどんな時なのでしょうか?下記に該当する場合はもらうことができません。

  • 1. 妊娠4ヶ月(85日)未満の出産
  • 2. 退職日の翌日から6ヶ月以上経過した後の出産
  • 3. 健康保険加入後1年未満で退職をする場合
  • 4. 生活保護を受けている場合
    →この場合は、入院助産を受けることが出来ます。

逆にこれ以外の方は全員もらえることになります。

出産育児一時金はいくらもらえるの?

では、出産育児一時金はいくらぐらいもらえるのでしょうか?

基本的な支給額は、赤ちゃん1人につき42万円です。

ただし、「産科医療補償制度(※1)」に加入していない医療機関で出産した場合、支給額は40万4000円になります。

赤ちゃんに1人につき42万円ですから、多胎出産(双子など2人以上の赤ちゃんを同時に出産すること)の場合は、赤ちゃんの人数分の「出産育児一時金」を受け取ることが出来ます。

つまり、

  • ・双子であれば、42万×2人分=84万円
  • ・三つ子であれば、42万円×3人分=126万円

受給することが出来るのです。

ただし、妊娠12週以上22週未満での出産の場合は、産科医療補償制度※1に加入している病院で出産したとしても、出産育児一時金の金額は40万4000円となります。

健康保険組合によっては付加給付を受けられる場合があります。この場合は、42万円に付加給付分をプラスした額が支給されます。

付加給付の有無や付加給付がいくらになるかは、健康保険組合によっても異なりますので、会社の担当者や各健康保険組合等へ問い合わせするとよいでしょう。

なお、健康保険制度に加入している方に扶養されている家族が出産した場合は、「家族出産育児一時金」が支給されます。

名称は異なりますが「家族出産育児一時金」と「出産育児一時金」の制度の内容は一緒で、赤ちゃん1人につき42万円支給されます。 

※1 産科医療補償制度とは…分娩に起因して重度脳性麻痺を発症した赤ちゃんやその家族が速やかに補償を受けられることを目的とした制度。現在は、分娩を取り扱う医療機関等のほぼすべてが加入している。

出産育児一時金はどうやってもらうの?

次に、出産育児一時金のもらい方について説明いたします。

平成21年9月までは、出産育児一時金は、出産後でないともらうことができませんでした。

つまり出産した医療機関で出産費用の全額を支払った後でないともらえなかったのです。

この方法ですと、退院後、申請を行うこととなり、健康保険組合や市区町村役場に書類を提出してから、入金されるまでに約1~2ヶ月程度かかってしまいます。

もちろん現在でも、希望すればこの方法でも受給することは可能です。

しかし、退院時に医療機関の窓口で多額の費用を支払わなければならないため、一時的であったとしても経済的負担が大きく、手続きの手間もかかってしまうのがデメリットです。

このようなデメリットを解消したのが、

  • ・直接支払制度
  • ・受取代理制度

この2つの制度になります。

これらの制度を利用することにより、出産前に多額の費用を用意する必要がなくなっただけでなく、費用の面でも安心して出産に望めるようになりました。

では、これら2つの制度の違いをわかりやすく解説していきましょう。

出産育児一時金の「直接支払制度」とは?

「直接支払制度」とは「出産育児一時金」の支給額を上限として、健康保険組合などから医療機関へ直接的に「出産育児一時金」が支払われる制度のことです。

出産する医療機関やそのときの状況により、出産費用はその人によっても違いますので、実際にかかった出産費用と「出産育児一時金」とに差額が出ることもままあります。

その際には下記の2通りの方法で手続きを行います。

1.出産費用が支給額より高額だった場合 → 出産費用との差額を医療機関等に支払います
例:出産費用が50万円だった場合
42万円(出産育児一時金)-50万円(出産費用)=▲8万円

この場合は不足分8万円を医療機関に支払います。特に健康保険への申請はいりません。支払うことで完結します。

2. 出産費用が支給額に満たなかった場合 → 差額が還付されます
例:出産費用が35万円の場合
42万円(出産育児一時金)-35万円(出産費用)=7万円

この場合は余った7万円は還付されますが、健康保険へ申請しないともらうことができません。

現在、分娩可能な医療機関のほとんどが、この「直接支払制度」を導入していますので「直接支払制度」を利用する方がほとんどではないでしょうか。

次に「受取代理制度」を見ていきましょう。

出産育児一時金の「受取代理制度」とは?

「受取代理制度」は、出産する医療機関等に「出産育児一時金」の受け取りを委任する制度のことをいいます。

「直接支払制度」を導入していない、小規模な診療所や助産所などが主にが該当します。

小規模な診療所や助産所等での出産においても、直接支払制度同様、かかった出産費用と出産育児一時金との差額のみの支払いで済みますので、従来のように出産前に多額の費用を用意する必要はありません。

ただし、この制度を利用する際には、「出産育児一時金請求書」(受取代理用)に医師の証明をもらうなどの、事前手続きが必要となります。

出産予定の医療機関に、予め確認をしておくとよいでしょう。

とはいえ、現在、ほとんどの医療機関は「直接支払制度」を導入しているため、
この制度を利用する人は少ないかもしれませんね。

出産予定の医療機関がいずれかに該当するか確認しよう!

まずは出産予定の医療機関が「直接支払制度」を導入しているのか、「受取代理制度」を導入しているのかを事前に調べておくことが大切です。

直接支払制度による出産育児一時金を受給するためには下記の書類が必要です。

①直接支払制度合意書

出産予定の医療機関から出産前に提出を求められます。また、扶養に入っている場合は、パートナーの自筆署名が必要になります。

②健康保険証(入院時)

退職時と入院時の健康保険が異なっている場合は、「資格喪失証明書」の提示を求められますので、退職時には会社から忘れないようにもらいましょう。

これらを用意さえすれば、あとは医療機関と健康保険組合等がすべてやってくれますので、莫大な出産費用を用意することもなく、面倒な手続きもしなくてすみますので、楽チンです。

ただし医療機関等での費用が「出産育児一時金」よりも少なかったことにより、その差額分を受け取りたい場合は、健康保険組合等への申請が必要となりますので、特に下記の書類はなくさないようにしてくださいね!

差額を請求する際に必要となるもの

  • ①医療機関等から交付される出産費用の領収・明細書のコピー 
  • ②医療機関等から交付される直接支払制度に係る代理契約に関する文書のコピー

ちなみに「受取代理制度」を利用した場合は、出産後、医療機関側が出産費用の請求書や証明書を健康保険組合等に送付し、健康保険組合等側で出産費用が42万円以下であったことが確認できたときに、自動的に指定した振込口座に差額分が支給されるシステムになっています。

これらは申請後、支給されるまで約1~2ヶ月後かかるようですが、健康保険組合によって請求時に必要な書類が異なるため、各健康保険組合に問い合わせたほうがよろしいかと思われます。

「出産育児一時金」をもらい忘れてしまった!

大丈夫です!出産日の翌日から2年以内であれば、請求可能です。

まずは、勤務先や健康保険組合等から申請用紙を入手し、出産時の担当医に証明をもらってから、提出をしてください。

一日でも過ぎてしまうと権利が消滅してしまいますので、注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は「出産育児一時金」について詳しく紹介いたしました。

「出産育児一時金」は出産するほぼすべての方が対象となるため、出産予約をしている医療機関からも受給に関する説明などを受けられるかとは思います。

しかし、出産などに関する制度はほかにも多数あり、そのほとんどは自ら申請をしなければ支給してもらうことができません。

ましてや出産後は育児で忙しく、なかなか時間が取れないことも多いでしょう。

ですから、今回紹介した「出産育児一時金」だけでなく、その他各種制度について把握しておくことも、出産前の重要な準備のうちの一つなのです。

そしてその不安を払拭し、受給漏れを防ぐためにも、お金のプロであるファイナンシャルプランナーに相談して、出産前の準備を万全なものにしましょう。

執筆者:鳥越厚子(AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士)

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